糖原病VII型

糖原病VII型糖原病VII型

概要

糖原病VII型(Glycogen Storage Disease, Type 7)は、筋細胞内のグリコーゲンと呼ばれる複雑な糖を分解できないことによって引き起こされる遺伝性疾患です。グリコーゲン分解の欠如は、筋細胞の機能を妨害します。通常、小児期に症状が現れますが、乳児から始まったり、成人として発症したりする人もいます。

疫学

日本人とアシュケナージ系(東ヨーロッパのユダヤ人によく見られるまれな病気です。発生すると推定される頻度は、1/1,000,000人未満です。

原因

PFKM遺伝子の突然変異がGSDVIIを引き起こします。この遺伝子は、グリコーゲンの分解に関与するホスホフルクトキナーゼ酵素の一部、PFKMサブユニットを作成するための指示を出します。

PFKM遺伝子の変異により、機能がほとんどまたはまったくないPFKMサブユニットが生成された結果、骨格筋ではグリコーゲンを完全に分解することができなくなり、筋細胞に蓄積します。エネルギー源としてグリコーゲンにアクセスできない筋肉は、運動などの中程度の緊張の後に機能障害を来し、場合によっては筋細胞が壊れ始めます。

PFKM遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

糖原病VII型は通常、子供時代に、適度な運動に続く筋肉痛とけいれんを主症状として現れます。

激しい運動は吐き気や嘔吐につながる恐れがあり、運動中に筋肉組織が異常に破壊されることで、ミオグロビン尿症を引き起こすこともあります。未治療の場合、ミオグロビン尿症は腎不全を発症する可能性があります。また、高尿酸血症、高ビリルビンによる黄疸を引き起こす可能性があります。

診断

筋生検から採取した筋肉組織のホスホフルクトキナーゼ酵素の量を測定することによって診断されます。また、赤血球中のホスホフルクトキナーゼ酵素レベルを測定することによって診断することもできます。また、血液による分子遺伝学的検査で、PFKM遺伝子の変化を確認することができます。

治療

筋肉痛やけいれんを防ぐために、激しい運動は禁止されます。また、炭水化物を食べることも、運動不耐性を悪化させる可能性があるため、避ける必要があります。運動中に大量のタンパク質を食べると、症状を防ぐことができます。

予後

筋力低下、筋萎縮が進行することがありますが、生命予後は良好です。

【参考文献】