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「最近、日中に眠くなる」「家族にいびきや呼吸の停止を指摘された」——そんなあなたは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
この疾患は、睡眠中に呼吸が一時的に止まることで、全身の健康に深刻な影響を及ぼす恐れがあるにもかかわらず、多くの方が「いびきくらい」と軽視してしまいがちです。
本記事では、自分自身でできるセルフチェック法を中心に、睡眠時無呼吸症候群のリスクや早期発見の重要性について、専門的にかつわかりやすく解説します。
この記事でわかること
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に呼吸が断続的に止まる、または極端に浅くなる状態が繰り返される病気です。医学的には、「10秒以上の無呼吸、あるいは低呼吸が1時間あたり5回以上」ある場合、SASと診断されることが多くなります。
主な分類は以下の通りです:
この疾患を放置すると、高血圧・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病などの重篤な合併症を引き起こす可能性があり、単なる睡眠障害では済まされない病気です。いびきの原因そのものについてはいびきを減らす生活習慣とは?もあわせてご覧ください。
以下の項目に、いくつ当てはまるか確認してみましょう。
| 項目 | チェック |
| 大きないびきをかくと家族に言われる | □ |
| 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある | □ |
| 朝起きたときに頭痛がある | □ |
| 日中に強い眠気がある | □ |
| 集中力や記憶力が低下していると感じる | □ |
| 起床時に喉が乾いている | □ |
| 夜中に何度も目が覚める | □ |
| トイレに起きる回数が多い | □ |
| 肥満傾向がある(BMIが25以上) | □ |
| 高血圧や糖尿病の治療中である | □ |
3つ以上該当する場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、医療機関での検査を検討してください。
国際的に信頼性のあるスクリーニングツールとして「STOP-Bang質問票」があります。
以下の8項目のうち、3つ以上当てはまるとSASのリスクが高いとされます。
| 項目 | 説明 |
| Snore(いびき) | 大きないびきをかきますか? |
| Tired(疲れ) | 日中、強い眠気や疲労感がありますか? |
| Observed(観察) | 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがありますか? |
| Pressure(血圧) | 高血圧と診断されたことがありますか? |
| BMI | 35以上ですか? |
| Age | 50歳以上ですか? |
| Neck circumference(首周り) | 男性で43cm以上、女性で41cm以上ですか? |
| Gender | 男性ですか? |
この質問票も、医療機関での問診時に活用されています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、「ただのいびき」「少し眠いだけ」と見過ごされがちですが、放置すると生活の質を大きく損ない、命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。重症化を防ぐためには、できるだけ早期に気づき、適切な治療を開始することが重要です。
SASが進行すると、睡眠の質が大きく低下し、日中の活動に大きな支障をきたします。特に以下のようなリスクが高まります。
SASは単なる睡眠障害ではなく、全身の健康に直結する病気です。睡眠中の低酸素状態は交感神経を常に刺激し、血圧・血糖値・心拍数の調整に悪影響を与えます。その結果、以下のような重大な疾患のリスクを高めます。
これらの合併症は、いずれも命に直結する深刻な疾患です。SASを早期に発見し治療することで、こうした合併症の発症リスクを大きく減らすことができます。
つまり、睡眠時無呼吸症候群は「眠れないだけの病気」ではなく、「放置すれば命に関わる病気」なのです。セルフチェックや家族の指摘を軽視せず、少しでも疑いがあれば早めに医療機関で検査を受けることが、健康と生活を守る第一歩となります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合、医療機関では段階的に検査を行い、正確な診断と最適な治療方針を決定します。ここでは一般的な流れを紹介します。
まずは外来で医師が丁寧に問診を行います。患者さん本人の自覚症状(いびき・日中の眠気・起床時の頭痛など)に加え、家族からの指摘(呼吸停止・いびきの大きさ)も重要な情報です。また、既往歴や現在の健康状態(高血圧・糖尿病・心疾患など)も確認されます。これらを総合して、SASの可能性が高いかどうかを判断し、次の検査に進みます。
初期段階のスクリーニングとして、多くの医療機関では簡易検査を導入しています。患者さんは携帯型の検査機器を自宅に持ち帰り、普段通りに就寝するだけで検査が可能です。
測定される主な項目は、呼吸の有無、酸素飽和度(SpO₂)、心拍数、体位(仰向けか横向きか)などです。これにより「無呼吸や低呼吸がどの程度あるか」を把握できます。検査は1泊で終了するため、入院の必要はなく、日常生活に大きな支障をきたしません。また、多くの場合で保険適用が可能です。
ただし、この段階ではSASの重症度までは正確に判定できないため、結果によってはさらに詳しい精密検査が必要になります。
確定診断のためには、「終夜睡眠ポリグラフ検査(Polysomnography:PSG)」が行われます。これは医療機関に1泊入院して実施する精密検査で、SAS診断のゴールドスタンダードとされています。
PSGでは、以下のように多角的に生体情報を記録します。
これらのデータを総合的に解析することで、無呼吸や低呼吸の回数、睡眠の質、酸素低下の程度が明確になります。診断基準となるのは「AHI(無呼吸低呼吸指数)」で、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を数値化し、軽症・中等症・重症に分類します。
この結果をもとに、最適な治療法(CPAP療法、マウスピース治療、生活習慣改善など)が提案されます。CPAPマスクの違和感でお悩みの方はマスクが苦しい?CPAPの体験談と工夫も参考にしてください。
つまり、医療機関での検査は「問診 → 自宅でできる簡易検査 → 精密検査」というステップを踏み、無理なく進められるのが特徴です。自分の症状を数値化し、正しく知ることが治療への第一歩となります。

睡眠時無呼吸症候群は、「いびきが大きい」「昼間に眠い」といった一見ささいなサインから始まる病気です。しかし、決して軽視してはいけません。気づかずに放置すれば、心臓病や脳卒中など命に関わる深刻な合併症につながる可能性があります。つまり、SASは単なる睡眠の問題ではなく、全身の健康に影響する重大な疾患なのです。
セルフチェックやご家族からの指摘は、病気の早期発見につながる大切なきっかけです。もしチェック項目に複数当てはまったり、少しでも不安を感じたりした場合は、迷わず医療機関での検査を受けてください。検査は段階的に行われ、自宅でできる簡易検査からスタートできるため、大きな負担を感じる必要はありません。
また、SASは適切な治療を行えば確実に改善が期待できる病気です。特にCPAP療法やマウスピース治療は効果が高く、治療を続けることで日中の眠気が軽減し、集中力や活動意欲が回復します。さらに、合併症の予防にもつながり、健康寿命を大きく延ばすことができます。
当院では、SASに関する初期相談から簡易検査・精密検査・治療までを一貫してサポートしております。専門の医師とスタッフが、患者さん一人ひとりの生活に合わせた最適な治療プランをご提案します。
「最近、いびきが大きいと指摘される」「仕事中に眠くなって集中できない」「起床時に疲れが取れていない気がする」——そんな小さな気づきが、早期発見の第一歩です。放置して後悔する前に、まずは一度ご相談ください。あなたとご家族の健康を守るために、私たちがしっかりとサポートいたします。
Q. セルフチェックで当てはまる項目があれば必ず受診すべきですか? A. 3つ以上該当する場合は、医療機関での検査をおすすめします。自己判断せず専門医にご相談ください。
Q. 簡易検査だけで診断は確定しますか? A. 簡易検査はスクリーニングが目的で、重症度の確定には精密検査(PSG)が必要になる場合があります。
Q. 痩せているのにSASと診断されることはありますか? A. あります。肥満は主要なリスク因子ですが、顎の形状や扁桃腺肥大など他の要因でも発症します。
Q. 子どもでも睡眠時無呼吸症候群になりますか? A. なります。扁桃腺肥大などが原因となることが多く、気になる場合は小児科や耳鼻咽喉科にご相談ください。
一般内科・糖尿病内科を担当しています。
この記事は、ヒロクリニックの医師紹介・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
岡 浩子 (おか ひろこ)
医療法人社団福美会 理事長
この記事は、ヒロクリニックの医師紹介・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
一般内科を担当しています。
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