「ダイエット中だからおやつは我慢しなければならない」と思い込んでいませんか?
実は、正しい知識と工夫をもって間食を取り入れれば、ストレスを軽減し、リバウンドを防ぎながら健康的に体重を管理することが可能です。
本記事では、太らないおやつの選び方と食べ方を、栄養学と臨床研究に基づき詳しく解説します。
なぜ「間食=太る」というイメージが強いのか?
多くの人が「間食はダイエットの敵」と考えます。
これは、砂糖や脂質が多いお菓子やスナックを無意識に食べる習慣が体重増加に直結しやすいためです。
日本肥満学会が発行する「肥満症診療ガイドライン2016」でも、総エネルギー摂取量が消費カロリーを上回ることが肥満の主要因であると示されています(※1)。
しかし近年、栄養バランスに配慮した間食は、むしろダイエット成功の一助になることが報告されています。
空腹による過剰なドカ食いを防ぎ、血糖値を安定させる働きが期待できるからです。
太らないおやつの条件とは?
「太らないおやつ」とは、エネルギー密度が低く、栄養価が高いものを指します。
具体的には以下の条件を満たすものが理想です。
- 低GI食品
- 血糖値の急上昇を抑え、脂肪蓄積を防ぐ。
- 例:ナッツ類(無塩)、ヨーグルト、ベリー類。
- 血糖値の急上昇を抑え、脂肪蓄積を防ぐ。
- 高たんぱく・高食物繊維
- 満腹感を持続させ、間食の量をコントロールしやすい。
- 例:プロテインバー(糖質控えめ)、ゆで卵、チーズ。
- 満腹感を持続させ、間食の量をコントロールしやすい。
- 少量でも満足感が得られる
- カロリーを抑えながら空腹感を紛らわせる。
- 例:小分け包装のドライフルーツ(砂糖不使用)。
- カロリーを抑えながら空腹感を紛らわせる。
これらを選ぶことで、摂取エネルギーをコントロールしつつ、満足感を確保できます。
間食を上手に取り入れるタイミング
「いつ食べるか」も太らないおやつ選びと同じくらい重要です。
理想は、血糖値が下がりすぎる前の午後3時前後。
この時間帯は代謝が活発で、脂肪として蓄積されにくいとされています(※2)。
夕食前に軽く間食をとると、その後の食事量を自然に抑えられます。
ただし寝る直前の摂取は脂肪蓄積を招きやすいため、避けましょう。
コンビニでも買える太らないおやつ
忙しい現代人にとって、コンビニで手軽に買えることも大切です。
以下は比較的太りにくいおやつの例です。
- 無糖ヨーグルト
- 乳酸菌で腸内環境改善も期待できる。
- 乳酸菌で腸内環境改善も期待できる。
- サラダチキン
- 高たんぱく・低脂質。
- 高たんぱく・低脂質。
- 素焼きナッツ
- ビタミンEや良質な脂質を含む。
- ビタミンEや良質な脂質を含む。
- 小分けチーズ
- カルシウム補給にも。
- カルシウム補給にも。
- 高カカオチョコレート(70%以上)
- ポリフェノールの抗酸化作用。
- ポリフェノールの抗酸化作用。
選ぶ際は「糖質量」「脂質量」「添加物」を確認しましょう。
研究から見る「間食の質」と肥満リスク
実際に、間食の質が肥満に影響を与えることを示す研究があります。
- 2020年に「Nutrients」に発表された研究では、低GI・高たんぱくの間食が体重増加を抑制すると報告されています(※3)。
- また「British Journal of Nutrition」の調査では、適度なナッツ摂取はBMIを低下させる可能性があると結論づけられました(※4)。
つまり、間食の有無ではなく「質と量」が決め手となるのです。
食べ方のコツ:よく噛んで、ゆっくり味わう
同じおやつを食べても、食べ方次第で満足度が変わります。
- よく噛むことで「満腹中枢」が刺激され、少量で満足できる。
- 食べるスピードを意識すると、血糖値の急上昇を防ぐ。
アメリカ心臓協会も「早食いは肥満リスクを高める」と指摘しており、咀嚼回数を増やすことが体重管理に役立つと推奨しています(※5)。
「太らないおやつ」習慣を続けるためのポイント
- 一日トータルの摂取カロリーを意識
- おやつを食べる日は食事を少し軽めにする。
- おやつを食べる日は食事を少し軽めにする。
- おやつを事前に用意する
- 空腹時の衝動買いを避ける。
- 空腹時の衝動買いを避ける。
- 水分と一緒に摂る
- 満腹感を得やすい。
- 満腹感を得やすい。
- SNSや記録アプリを活用する
- 摂取量の「見える化」で食べ過ぎ防止。
- 摂取量の「見える化」で食べ過ぎ防止。
- 「禁止」ではなく「選ぶ」発想に切り替える
- 心理的ストレスが減り、継続しやすい。
- 心理的ストレスが減り、継続しやすい。
間食で不足しがちな栄養素を補う視点
ダイエット中は総摂取カロリーを抑えるため、どうしても栄養バランスが偏りがちです。
「太らないおやつ」を活用して、不足しやすい栄養素を補うことも重要です。
1. たんぱく質
体の代謝を維持する筋肉量を保つため、たんぱく質の確保は最優先。
不足すると基礎代謝が落ち、痩せにくい体質に変わってしまいます。
おすすめは、ギリシャヨーグルトや低糖質プロテインバー、サラダチキンです。
2. 食物繊維
満腹感を高め、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。
また、腸内環境の改善により脂肪燃焼や免疫力の向上も期待されます。
ドライフルーツ(砂糖不使用)、ナッツ類、オートミールが最適です。
3. カルシウム・ビタミンD
骨の健康だけでなく、脂質代謝にも関与している栄養素です。
不足すると体脂肪の蓄積を助長するリスクも指摘されています。
チーズや小魚、ビタミンD強化ヨーグルトなどを選びましょう。
「太らないおやつ」の量を決める目安
おやつを摂る際に迷うのが一回あたりの適量です。
日本肥満学会では、間食のカロリーを「1日200kcal以内」に抑えることが望ましいと推奨しています。
この範囲であれば、食事での栄養調整も容易です。
たとえば、
- アーモンド20粒(約120kcal)
- 無糖ヨーグルト100g(約60kcal)
- 高カカオチョコレート2かけ(約60kcal)
といった組み合わせなら、満足感を得ながらカロリーオーバーを防ぐことができます。
糖質制限ダイエット中のおやつの注意点
近年人気の糖質制限(ローカーボ)では、特におやつの糖質量に注意が必要です。
糖質制限中に推奨される間食例は以下の通りです。
- ナッツ(アーモンド・くるみ)
- チーズ
- 無糖ヨーグルト
- ゆで卵
- 生野菜スティック(味噌ディップ)
一方で、ドライフルーツや米菓は糖質が多いため注意しましょう。
糖質の摂取は1食あたり20g以下を目安にすることで、血糖コントロールを助けます。

メンタルケアの視点から見た間食の役割
ダイエットの失敗理由として多いのが、心理的ストレスによる暴食です。
間食を禁止することで、かえって「我慢→反動→過食」という負のサイクルに陥る人が少なくありません。
アメリカ栄養士会の報告(※6)でも、適度な間食は「ストレスホルモンの分泌を抑制し、食事コントロールの持続性を高める」効果があると指摘されています。
そのため、「間食ゼロ」を目指すよりも、
- あらかじめ食べる量と時間を決める
- リラックスできる環境で味わう
- 食事の一部として計算する
といった方法が長期的な体重管理に効果的です。
ダイエット専門家がおすすめする実践ポイント
ここまでの知識を踏まえ、すぐに取り入れられる「太らないおやつ」実践のポイントをまとめます。
- 一日の総カロリーから逆算
- 例:一日1600kcalに抑えたい場合、食事で1400kcal、間食で200kcalまで。
- 例:一日1600kcalに抑えたい場合、食事で1400kcal、間食で200kcalまで。
- 買い置きを賢く選ぶ
- まとめ買いの際は「糖質量」「脂質量」「カロリー」を必ずチェック。
- まとめ買いの際は「糖質量」「脂質量」「カロリー」を必ずチェック。
- 「ながら食べ」をやめる
- テレビやスマホを見ながら食べると過剰摂取しやすい。
- テレビやスマホを見ながら食べると過剰摂取しやすい。
- 水やお茶と一緒に
- 満腹感を得られやすく、食欲抑制にも有効。
- 満腹感を得られやすく、食欲抑制にも有効。
- 週1回は「好きなおやつデー」を設定
- 完全禁止ではなく、計画的に楽しむ。
- 完全禁止ではなく、計画的に楽しむ。
これらを習慣化すれば、「おやつを楽しみながらダイエットを成功させる」ことが十分可能です。
結論
ダイエット中の間食は、敵ではなく正しい知識と計画があればむしろ味方です。
「太らないおやつ」を選び、量とタイミングを意識し、無理のない習慣にすることで、
- ストレス軽減
- 栄養バランス改善
- リバウンド防止
と多くのメリットを享受できます。
我慢だけのダイエットではなく、満足感と健康を両立する知的な間食習慣をぜひ今日から始めてみてください。
参考文献・研究リンク
※1:日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2016」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphcs/46/1/46_1_77/_pdf
※2:Ministry of Health, Labour and Welfare Japan「食事のタイミングと代謝」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000173321.html
※3:Nutrients, 2020「Effects of Low Glycemic Index Snacks on Weight Control」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7468763/
※4:British Journal of Nutrition「Nut Consumption and Body Weight」
https://www.cambridge.org/core/journals/british-journal-of-nutrition/article/nut-consumption-and-body-weight/
※5:American Heart Association「Eating Quickly Linked to Obesity」
https://www.heart.org/en/news/2017/11/14/eating-quickly-linked-to-obesity
※6:Academy of Nutrition and Dietetics「Healthy Snacking」
https://www.eatright.org/food/nutrition/dietary-guidelines-and-myplate/healthy-snacking