ED(勃起不全、勃起障害)治療

ED(勃起不全、勃起障害)とは

ED(勃起不全、勃起障害)は、男性が正常な勃起を得られない状態を指します。日本国内では、できない重症例と時折できない中等症例を合わせると1130万人に上り、軽症例を含めるとその数はさらに増加します。約2000組の夫婦の調査では、約30%がEDの経験があると回答し、これは一般的な現象であることを示しています。


3人に1人がEDに悩むとされ、高齢者ほど発症率が増加し、60歳以上では2人に1人がEDに悩まされています。以前は「インポテンス」と呼ばれていましたが、その差別的な意味合いから「勃起障害」と改称され、英語ではErectile Dysfunction(ED)と表記されています。


EDは「満足のいく性行為に十分な勃起を達成できない、もしくは維持できないこと」を指し、この状態に悩む方々は中折れの増加や勃起硬度の低下を経験します。勃起不全治療薬などを利用して治療されることがあります。

重要なことは、EDは恥ずかしいことではなく、むしろ一般的な問題であるという理解です。男性不妊の原因の30%が勃起障害であることも判明しており、その治療は健康ケアの一環となります。


EDは身体に問題のない機能性と問題のある器質性に分類されます。機能性には心因性と精神病性、器質性には血管性、神経性、内分泌性、陰茎性が含まれますが、心理的な要因や身体的障害が重複することもあります。ヒロクリニック泌尿器科は、患者の理解とサポートを通じて、EDに対する包括的なアプローチを提供しています。

グラフ 日本性機能学会/日本泌尿器科学会|診療ガイドライン

ED(勃起不全、勃起障害)の原因

ED(勃起不全、勃起障害)は男性にとって心身の健康に影響を与える問題であり、その原因は多岐にわたります。EDは「Erectile Dysfunction」の略で、日本でも広く知られるようになっています。重要なのは、EDが単なる局所的な問題だけでなく、全身疾患の一環として考えるべきであるということです。その主な原因としては、加齢、糖尿病、肥満と運動不足、心血管疾患および高血圧、喫煙、テストステロン低下、慢性腎臓病と下部尿路症状、神経疾患、外傷および手術、心理的および精神疾患的要素、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。また、服用中の薬剤による副作用が原因でEDとなる場合もあります。


これらの原因をより詳しく見ていくと、加齢によるものや生活習慣病(特にメタボリック症候群)がEDの主要な原因です。心血管疾患の患者は、EDを自覚することがあり、高血圧で41.6%、糖尿病で42%、高脂血症で20%の患者さんがEDであったというデータもあります。EDは他の全身疾患の前兆となることもあり、注意が必要です。早期の泌尿器科受診は、適切な治療の第一歩となります。

  • 【主な原因】

    身体的原因

    身体的原因には様々な要因が考えられます。陰茎の変形、神経系の障害(脳卒中や頭部外傷、脊髄損傷など)、血管の狭窄による血流不足、ホルモン分泌器官の障害などが挙げられます。老化も一因で、勃起や射精能力が次第に低下し、勃起力も弱まります。

    心理的原因

    新婚時の性知識の不足や性行為の失敗、早漏などがトラウマを生み、性的欲求があっても挿入時に不安を感じる場合があります。情報過多な現代社会では、誤った情報によって自己評価が低下し、自信喪失からEDになることもあります。激しいストレスも副交感神経やホルモン分泌に影響を与え、性欲が阻害されることがあります。

  • 【勃起の仕組み】

    勃起には勃起の指令を伝達する「神経」と勃起を引き起こす「血管」の2つが関与しています。これらのどちらかに問題があれば、勃起が満足にできない状態や、勃起の維持が難しい症状が現れます。

  • 【EDのタイプ】

    器質性ED

    血液の動脈硬化により生じ、加齢や生活習慣病が原因です。

    生活習慣病

    糖尿病、高血圧、高脂質異常などが動脈硬化を進行させ、EDを引き起こします。

    神経障害

    脳卒中、脳腫瘍、脊髄損傷などが神経に障害を引き起こし、EDを誘発します。

    心因性ED

    精神的なストレスやトラウマが神経伝達を阻害し、EDを引き起こします。

ED(勃起不全、勃起障害)の診断

国際勃起機能スコア(IIEF)などを用いて、慎重に診断します。

  • 22点〜25点・・・正常です。
  • 17点〜21点・・・軽度EDです。
  • 12点〜16点・・・中等〜軽度EDです。
  • 8点〜11点 ・・・中等度EDです。
  • 5点〜7点  ・・・重度EDです。
0点 1点 2点 3点 4点 5点
1
勃起を維持する自身の程度は
どのくらいありましたか?
非常に低い 低い 普通 高い 非常に高い
2
性交中、挿入後
何回勃起を維持できましたか?
性的刺激一度も無し 全く無し
または
ほとんど無し
たまに
(半分よりかなり下回る回数)
時々
(半分くらい)
おおかた毎回
(半分よりかなり上回る回数)
毎回
または
ほぼ毎回
3
性交中に性交を終了するまで
勃起を維持するのは
どれくらい困難でしたか?
性的刺激一度も無し ほとんど困難 かなり困難 困難 やや困難 困難でない
4
性交を試みた時に、
何回満足できましたか?
性交の試み一度も無し 全く無し
または
ほとんど無し
たまに
(半分よりかなり下回る回数)
時々
(半分くらい)
おおかた毎回
(半分よりかなり上回る回数)
毎回
または
ほぼ毎回

ED(勃起不全、勃起障害)治療薬の特徴

ヒロクリニック泌尿器科では、男性の性的健康を重視し、厚生労働省に承認されている主要なED治療薬を処方しています。国内では、バイアグラ、レビトラ、シアリスの3つが認可され、これらの有効成分を含むジェネリック医薬品も存在します。


かつて、ED治療は非常に困難で、内服できる有効な治療法は限られていました。海綿体注射や陰圧式勃起補助具、陰茎プロステーシス挿入術などは、一部の医療機関でしか提供されませんでした。しかし、ED治療薬バイアグラの登場により、治療が簡便になり、現在ではバイアグラ、レビトラ、シアリス(および各ジェネリック医薬品)が広く用いられています。これらの治療薬は一般に70から80%の有効率を誇りますが、個人差があります。

薬名 バイアグラ レビトラ シアリス
特徴 知名度・実績 即効性 長時間効果・自然な勃起
投薬時間 性行為の1~3時間前 性行為の1~3時間前 性行為の1~1日半前
効果持続時間 3~5時間 5~10時間 30~36時間
食事の影響 普通食・高脂肪食で効果低下 高脂肪食で効果低下 飲みすぎで効果低下
副作用 顔のほてり
目の充血、頭痛
鼻づまり
顔のほてり
目の充血、頭痛
鼻づまり
頭痛
顔のほてり
消化不良

ED(勃起不全、勃起障害)治療薬の値段

シルデナフィル
50mg(バイアグラ)
1,000円/錠(税込)
バルデナフィル
10mg(レビトラ)
1,300円/錠(税込)
バルデナフィル
20mg(レビトラ)
1,500円/錠(税込)
タダラフィル
10mg(シリアス)
1,500円/錠(税込)
タダラフィル
20mg(シリアス)
1,700円/錠(税込)