手足口病・ヘルパンギーナ

手足口病

手足口病とは

ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱とともに夏に流行する3大夏風邪の1つです。 病原体はエンテロウイルス属(コクサッキーウイルス、エンテロウイルス、エコーウイルスなど)です。
手足口病とヘルパンギーナは、同じウイルスによって起こります。このウイルスに罹患した場合には、手足口に発疹が出る手足口病だけの場合と、のどに水泡ができるヘルパンギーナだけの場合と、手足口病とヘルパンギーナの特徴を持つ場合とがあります。
主な症状は、名前の通り、口のまわりや手のひら、足の裏にできるピンクから赤色の水疱性発疹です。手は肩から腕全体、足はお尻、下半身全体に広がることもあります。
ヘルパンギーナに比べると、あまり高熱がでることはなく、1日で下がる場合がほとんどで、すぐに元気になることが多いです。

診断

診察時、のどの症状を診て医師が診断をします。

症状

  • 潜伏期間3~5日
  • 感染経路飛沫、接触感染(口、排便)
  • 経過1~2日の38℃以上の高熱、のどの痛み、腫れ、のどの奥に白い口内炎ができやがて潰瘍形成する、解熱後にやや遅れて口内炎も消失する

高熱が3日以上続く場合や頭痛や嘔吐がひどい場合は重症タイプで、ウイルス性の髄膜炎の可能性も考えます。
口内炎や潰瘍がひどい状態になりのどの痛みが強い場合には、冷たいものも熱いものも刺激となり、痛みで食欲が落ちたり、水分が十分取れない状況に陥ることがあります。 まれに脱水症状になることがありますので、水分摂取ができないときは医師の診察を受けましょう。
急性期(症状があるとき)が感染力が一番強く、症状が治まってからも2~4週間程度、感染力が残ります。
ヘルパンギーナも手足口病も、乳幼児によく見られる病気ですが、体力・抵抗力の低下した大人もうつることがあります。

口内炎 手の発疹

治療

ウイルスには抗菌薬が効かないので、これといった有効な治療はありません。解熱鎮痛薬やのどの炎症を抑える薬など症状を和らげるお薬で自然治癒する経過を待ちます。発疹については原則治療はしません。
ステロイド軟膏は発疹を悪化させますので決して塗ってはいけません。かゆみや痛みなどに対して軟膏や飲み薬が処方されることがありますが効果は限定的です。
経口摂取が不良の場合には、冷たいものや熱いものは刺激の少ない適温にし、硬いものや柑橘系はしみるので避ける、のどごしや消化が良く取りやすい飲食物を少しずつ取るようにしましょう。
予防は、接触感染対策を行いますが、乳幼児には難しく感染予防効果があるとはいえません。流行状況を把握した場合にはほぼ全員かかるものと考えてください。ワクチンは作られていません。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナは、のどの軟口蓋に周りが濃い赤色の小水泡(写真参照)ができている喉のかぜです。1~2日の高熱を伴うことがあります。
ヘルパンギーナの病原体はエンテロウイルス属(コクサッキーウイルス、エンテロウイルス、エコーウイルスなど)です。
全体患児数の90%以上が5歳以下で、1歳代が最も多く、2歳から3歳、4歳の順に就学前の乳幼児で、毎年5月頃から出始めて6~7月に流行します。

診断

診察時、のどの症状を診て医師が診断をします。

症状

  • 潜伏期間3~6日
  • 感染経路飛沫、接触感染(口、排便)
  • 経過38℃以上の高熱が1~2日続く。
    のどの痛み、腫れ、高熱が3日以上続く場合や頭痛や嘔吐がひどい場合は重症タイプで、ウイルス性の髄膜炎の可能性も考えます。
    のどの奥に白い口内炎ができ、やがて潰瘍形成する解熱後にやや遅れて口内炎も消失する。

口内炎や潰瘍がひどい状態になりのどの痛みが強い場合には、冷たいものも熱いものも刺激となり、痛みで食欲が落ちたり、水分が十分取れない状況に陥ることがあります。
まれに脱水症状になることがありますので、水分摂取ができないときは医師の診察を受けましょう。
急性期(症状があるとき)が感染力が一番強く、症状が治まってからも2~4週間程度、感染力が残ります。
ヘルパンギーナも手足口病も、乳幼児によく見られる病気ですが、体力・抵抗力の低下した大人もうつることがあります。

ヘルパンギーナ

治療

ウイルスには抗菌薬が効かないので、これといった有効な治療はありません。解熱剤やのどの炎症を抑える薬など症状を和らげるお薬で自然治癒する経過を待ちます。
冷たいものや熱いもの、硬いものや柑橘系のものなど刺激になるようなものは避け、のどごしや消化が良く取りやすい飲食物を取るようにしましょう。
脱水には子ども用イオン飲料やゼリー、スープやプリン、アイスクリーム、おじやでなどを少しずつ回数を増やしてあげると水分を補えて良いでしょう。
予防は、うがい・手洗い・手指消毒です。ワクチンはありません。ヘルパンギーナにかかったお子様の糞便中にもウイルスはいるので、おむつ交換にも注意してください。終わった後は必ず手洗いをしましょう。