咽頭結膜炎(プール熱)

咽頭結膜炎(プール熱)とは

主に発熱、咽頭炎、眼症状をきたす小児の急性感染症です。
口や鼻、喉、眼の粘膜からアデノウイルスに感染することで発症します。アデノウイルスは感染力がとても強いため、年間を通して発生しますが、暑くて湿度の高い環境を好むため、 夏場7~8月をピークに、プールを介して幼児の間で流行することからプール熱とも言われますが、プールに行かなくても感染します。

診断

眼の症状などを診察。問診で発症までの経過と症状を総合的に判断します。はっきりしない場合には、アデノウイルス迅速検査を行います。

症状

  • 潜伏期間5~7日間程度
  • 感染経路飛沫、接触感染、塩素濃度の管理が不十分なプールに入る
  • 経過発熱、喉の痛み、結膜炎に伴う結膜充血、めやに、涙が出る、眼痛、日常の光がまぶしく感じるなどが3~5日持続

眼の症状は、一般的に片方から発症し、手を介して両目にうつります。眼に長期にわたっての障害を残すことは通常はありません。
小さいお子様では、のどの痛みや鼻づまり、よだれが増えたりすることもあります。さらに頭痛・吐き気、腹痛や下痢などといった消化器症状が出たり、生後14日以内の新生児に感染した場合は、全身性の症状をきたし重症化する場合があります。
2週間から1か月ほどウイルスを排出しており、感染力が強いので、家庭内感染など注意が必要です。

治療

本疾患は、ウイルス感染が原因ですので、抗菌薬は効果がありません。その他のウイルス感染症と同様に症状を抑えるための痛み止めや炎症を抑えるような点眼薬などが主に処方される内容です。
症状は少し長く続き、1週間ほどかかる場合もありますが、ほとんどは自然に治癒します。
予防は、感染者との接触を避け、流行時期のうがい・手洗い・手指消毒の徹底をすること。消毒用エタノールの効果は弱いと言われており、逆性せっけんやイソプロパノールには抵抗性があるので注意する必要があります。

予防

  • こまめなうがい、手洗い、消毒
  • タオルやハンカチを共有して使わない
  • お風呂は一番最後に入浴する
  • おむつ交換やお風呂の介助などの後はしっかり手洗い、手指消毒
  • 共有部分の消毒
  • 感染者がめやにや涙を拭いたティッシュなどはすぐに捨てる
  • プールから上がったら、シャワーで眼をよく洗い、うがいをする