クラミジア感染症

クラミジア感染症は、性感染症の中で最も多い病気のひとつです。


原因となるのは「クラミジア・トラコマティス」という細菌で、主に性行為(腟・肛門・オーラル)を通じて感染します。
症状が出にくいため、知らないうちに感染・拡大してしまうケースも多く注意が必要です。


症状について

男性の主な症状

  • 排尿時の痛み(尿道炎)
  • 透明~白色の尿道からの分泌物
  • 精巣の痛みや違和感(副睾丸炎)
  • 発熱や倦怠感(進行時)

※約半数は自覚症状がありません

女性の主な症状

  • おりものの増加・異臭
  • 不正出血(生理以外の出血)
  • 下腹部痛・性交痛
  • 排尿時の痛みや頻尿

※約8割は無症状のまま進行し、放置すると卵管炎・骨盤内炎症性疾患・不妊症の原因となることもあります。


原因と感染経路

  • 性交渉(腟・肛門・オーラル)
  • 感染者の精液・膣分泌液との接触
  • 妊婦から赤ちゃんへの母子感染(出産時)

コンドームの使用で感染リスクを減らすことができますが、口腔性交や皮膚接触で感染するケースもあります。


検査方法

当院では、クラミジア感染の有無を以下の方法で調べます。

対象検体の採取方法検査内容
男性尿検査PCR法によるDNA検出
女性膣分泌物または子宮頸部ぬぐい液PCR検査・核酸増幅法
咽頭のどぬぐい液オーラル感染の確認に有効
肛門肛門ぬぐい液アナルセックス経験者向け

※検査は簡単かつ短時間で行えます。症状がなくても、不安な方は定期的な検査をおすすめします。


治療方法

クラミジアは抗菌薬で治療が可能です。

  • 一般的には**マクロライド系(アジスロマイシンなど)またはテトラサイクリン系(ドキシサイクリン)**を使用
  • 1回の内服で済む治療法もあり、症状や状況に応じて医師が選択します

治療中の注意点

  • パートナーも同時に検査・治療が必要(ピンポン感染予防)
  • 治療後、性交渉は完治確認まで控えること
  • **治療後の再検査(原則3週間後以降)**を推奨します