HIV感染症
HIV（ヒト免疫不全ウイルス）感染症とは、免疫細胞に感染して体の免疫力を徐々に低下させていくウイルス性感染症です。
HIVに感染した状態を「HIV陽性」といい、放置すると**エイズ（AIDS：後天性免疫不全症候群）**へと進行する可能性があります。
現在では早期発見と適切な治療により、HIVとともに健康的な生活を長く続けることが可能となっています。
症状について
初期（急性期）：感染から2〜4週間後
- 発熱・のどの痛み・リンパの腫れ
- 倦怠感・発疹・関節痛
- 一時的なインフルエンザ様症状
※この時期を過ぎると、無症状のまま数年〜10年以上経過することもあります。
慢性期（無症候期）
- ほとんど症状なし
- 体内では免疫細胞が徐々に減少し、感染に気づかないまま他人に感染させるリスクがあります。
エイズ発症期（AIDS）
- 日和見感染症（肺炎、カンジダ、ヘルペスなど）やがん（カポジ肉腫など）
- 体重減少、発熱、慢性下痢、意識障害など
※発症する前に適切な治療を開始することが何より重要です。
原因と感染経路
HIVは以下の経路で感染します：
- 性的接触（腟・肛門・オーラル）
※特にコンドームを使わない性行為はリスクが高まります - 血液を介した感染（輸血・注射器の共有など）
- 母子感染（出産・授乳時）
※HIVは空気や皮膚接触、握手・キス・同じトイレなどでは感染しません。
検査方法
当院では以下の方法でHIV感染の有無を調べることができます：
| 検査名 | 検査内容 | 検査可能時期 | 結果 |
| 抗原・抗体同時検査（第4世代） | HIV抗原p24および抗体を同時測定 | 感染から2〜3週間以降 | 2〜5日程度 |
| 抗体検査（第3世代） | 抗体のみを検出 | 感染から4週間以降 | 即日対応もあり |
※HIVは感染初期に「ウィンドウ期」と呼ばれる検出できない期間があります。感染リスクのある行為から一定期間後に検査を受けることが重要です。
治療方法
HIV感染が確認された場合、現在は“完治”はできませんが、治療によりウイルスの増殖を抑えることが可能です。
主な治療法：ART（抗レトロウイルス療法）
- 1日1回の内服で、HIVの活動を抑制
- 体内のウイルス量を限りなくゼロに近づけ、免疫を維持
- 適切な治療により、他者への感染リスクも極めて低下
- 一般の人と同じような生活・仕事・恋愛・妊娠出産も可能です
早期発見が何より大切です
- HIV感染症は、症状が出る前に検査することが最も重要です。
- 感染していたとしても、早期治療により重症化を防ぎ、他の人にうつすリスクも下げられます。
- 当院では、匿名検査・プライバシーに配慮した対応を行っています。
よくあるご相談
- 「以前コンドームなしの性行為をしてしまった」
- 「相手がHIV陽性と聞いて不安」
- 「症状はないけど念のため検査したい」
- 「定期的に検査して安心したい」
ご予約・お問い合わせ
性感染症に対する不安は、正しい検査と正確な知識で軽減できます。
当院では、不安な気持ちに寄り添いながら、専門の医師が丁寧に対応いたします。