梅毒(ばいどく)
梅毒は、「トレポネーマ・パリダム」という細菌によって引き起こされる性感染症です。
性行為や口・肛門での接触によって感染し、症状が非常に多様かつ段階的に進行するのが特徴です。近年、日本国内でも若年層や女性を中心に感染者が急増しており、特に無症状の感染者が周囲に感染を広げていることが問題視されています。
🔍 症状について(4期に分かれる)
梅毒は、進行段階(ステージ)によって症状が変化します。
◆第1期(感染から3週間~3か月)
- 性器や口・肛門など感染部位にしこり(硬性下疳)やただれ
- 痛みは少なく、気づかれにくい
- そけい部のリンパ節の腫れ
➡ 数週間で自然に消えるため、放置されやすい
◆ 第2期(感染から3か月~半年)
- 全身に発疹(赤い斑点状)、手のひら・足の裏にも出る
- 脱毛・倦怠感・発熱・のどの痛み
- 梅毒性扁平コンジローマ(肛門・性器周辺に湿ったいぼ状の病変)
一見「風邪のような症状」や「皮膚炎」と見間違いやすい
◆ 潜伏期(症状が一時的に消える)
- 症状がなくなっても、体内で菌は生き続けている
- 他人への感染力は残っている
◆ 第3期・第4期(数年後、現在はまれ)
- 心臓や血管、神経・脳などの臓器に深刻な障害を起こす
- 歩行障害・記憶障害・失明などの重篤な症状
🧬 原因と感染経路
- 性交渉(腟・肛門・オーラル)
- キスや粘膜の接触(口腔内の傷などでも感染可能)
- 感染者の体液や皮膚病変への接触
- 妊娠中の母親から胎児への母子感染(先天梅毒)
🧪 検査方法
当院では、梅毒を以下の方法で検査しています。
| 検査名 | 内容 |
| RPR定量検査(非トレポネーマ検査) | 活動性の確認(炎症の指標) |
| TP抗体検査(トレポネーマ検査) | 過去の感染歴・免疫の有無 |
- 採血のみ(5〜10分程度)で検査可能
- 感染初期から正確な診断が可能
- HIVなど他の性感染症との同時検査も推奨
💊 治療方法
梅毒は**抗菌薬(主にペニシリン系)**で治療可能です。
主な治療法
- ペニシリン系注射薬または内服薬(アモキシシリンなど)
- ペニシリンアレルギーの方には別の抗菌薬を選択
- ステージにより治療期間が異なる(早期は2週間前後、後期は長期)
治療中の注意点
- 治療中は性行為を避けること
- パートナーも同時に検査・治療が必要
- 完治確認のため、定期的なフォロー検査が必要です
✅ まとめ
- 梅毒は進行すると全身に影響を及ぼす危険な性感染症です
- 初期は無症状や軽い症状のため、早期発見・早期治療が重要
- 当院では匿名対応・パートナー同伴の検査も可能です
📝 よくあるご相談
- パートナーが梅毒と診断された
- 発疹やしこりが気になる
- 性交渉後に体調が不安
- 結婚・妊娠前に検査しておきたい
📅 ご予約・お問い合わせ
性感染症は一人で悩まず、正確な検査と治療で健康を守ることができます。
気になる症状がある方は、ぜひ当院へご相談ください。
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