副乳は気になる場合は簡単な手術で除去することができます。

保険適応の副乳除去手術

副乳について

通常人は乳房や乳首が左右一対だけです。しかし通常の乳房以外にワキの下や乳房の下などに現われることがあります。
このように本来のバスト以外の位置にできた乳腺や乳首を副乳といい、日本人でも10人に1人程度はこの副乳があると言われています。
副乳は、わきの下から乳頭を通り脚の付け根までライン上にあります。
左右同じ位置にある場合もあれば、片側だけの場合もあります。
乳頭だけの場合もあれば乳輪や乳腺まで発達している場合もあり、まれにかなり大きな乳頭として存在する場合もあります。
副乳は気になる場合は簡単な手術で除去することができます。

副乳ができる原因

哺乳類には、犬や猫など複数の乳房を持っている動物がいます。
しかし人間の進化の過程で消えたはずの進化のなごりとして通常の一対以外の箇所に乳首が現われる場合があります。
人間の乳房は、妊娠6週目頃に7~9対、乳腺のもとができますが、9週目を境に一対を残して消えていきます。
しかし、これが完全に消えきれずに残ってしまったものが副乳です。

副乳のある場所

副乳は、わきの下から乳頭を通り脚の付け根まで「ミルクライン」というライン上にあります。
ミルクラインは、哺乳動物が乳房を持っている位置でライン上なら、どの位置でも副乳がある可能性があります。

妊娠中に初めて存在に気づくことも

大きさは一般的には小いため分かりにくく、妊娠や出産を経てその存在を始めて気付く方もいます。
それは、副乳も通常の乳房と同じように女性ホルモンの影響を受けているためです。
特に妊娠したときは、分泌されるホルモンの影響によって副乳がいつもよりも大きくなったり、強いしこりや張りが出たりします。
そのため痛みが出たりすることで存在に気がつく方もいます。

治療

副乳には乳頭だけの場合と、乳輪や乳腺まで発達している場合があります。
乳首や乳輪だけの場合は、イボやホクロを切除するような要領で切除して、丁寧に縫合します。
乳腺まで発達している場合には、皮膚切除に加えて乳腺もくり抜いて除去します。
くり抜いた部分が陥没しないように皮膚を縫合します。

手術時の注意事項

※血圧や血液サラサラの薬を内服してる方、麻酔で気分が悪くなったことがある方は事前に申し出てください。

◆ 当日
当日患部は濡らさないようにして下さい。
抗生物質が3日分(毎食後)、鎮痛剤が3回分出ますので、指示通り内服をお願いします。
◆ 術後1日目~術後7~14日程度
基本的には翌日診察にきていただき、傷の状態を見させていただきます。
(翌日が休診日の場合は翌々日)
傷に問題がなければ、翌日から傷も濡らすことが可能となり、シャワーも浴びられます。
翌日以降、ご自宅で消毒を毎日風呂上りにお願いします。
自宅にあるマキロンなどの消毒薬で消毒し、ガーゼで保護をして下さい。
◆ 抜糸後
傷を綺麗に治すために、茶色の紙テープを傷の上に貼って下さい。(術後1ヶ月位)
赤みをとる軟膏が処方された場合には、テープを貼った上から軟膏を塗って下さい。