突発性発疹(小児バラ疹)

突発性発疹(小児バラ疹)とは

ヒトヘルペスウイルス6型(HHV‐6)、7型(HHV‐7)によって引き起こされる病気です。突然の高熱と解熱前後の発疹が特徴的です。生後6か月から18か月の間に罹患することが多く、5歳以上はまれです。
感染すると、体の中に一生潜伏し続けるため、すでに体内にウイルスをもっている親から子へ感染することが多く、突然発症することがあります。7型は6型より頻度は少ないですが、同じ頃に同じ経路で感染します。 突発性発疹に2回感染するのはこのためです。症状はほとんど変わりありませんが、6型は多くのお子様に発疹が出現しますが、7型は一部のお子様のみです。

診断

発疹などの症状の種類や経過、月齢、年齢というような特徴を考慮して総合的に診断します。
発熱だけでは突発性発疹と確定診断することはできませんが、特に有効な迅速検査もないため、医師の診察のみで診断されることになります。

症状

  • 潜伏期間10日程度
  • 感染経路飛沫、接触感染
  • 経過38℃以上の発熱、細かく少し盛り上がった赤い発疹

突然、高熱で発症し、不機嫌で大泉門の膨隆をみることがあります。軟便もしくは下痢を伴うことが多く、発熱は3~4日間続いた後、解熱します。解熱に前後して小さな紅斑や紅色丘疹が出現し、散在性、時に融合して分布します。 この頃にはウイルス量はかなり減っているため、感染力は低下しています。発疹も1~3日ほどで消失します。
感染しても無症状という場合が20~40%程度と言われています。

治療

この病気は高熱でも元気なことが特徴です。特別な治療法はなく、症状に合わせて対症療法となります。機嫌がよく水分が取れていれば自然治癒を待ちます。
熱が上がった時に引き起こされる熱性けいれんを合併することがありますが、通常は数分以内にけいれんがおさまり、けいれん自体で呼吸、心臓、脳神経に影響はありません。
合併症としては、まれに、脳炎、脳症、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病を起こすことがあるので、注意します。ワクチンはありません。