ED(勃起不全、勃起障害)治療

この記事でわかること

  • ED(勃起不全・勃起障害)の定義と、日本での有病率のめやす
  • 器質性・心因性・生活習慣・薬剤性といった主な原因の違い
  • 自分でできるセルフチェックと、受診・検査・診断の流れ
  • ED治療薬の種類と当院の料金、オンライン診療への対応

ED(勃起不全・勃起障害)とは

EDとは、満足のいく性行為に十分な勃起が得られない、または勃起を維持できない状態を指します。決して珍しい状態ではありません。

EDは英語のErectile Dysfunctionの頭文字です。かつては「インポテンス」と呼ばれていました。ただ、この言葉には差別的な響きがあったため、現在は「勃起障害」「勃起不全」という表現が使われています。

日本のED有病者は、およそ1130万人にのぼるとされています。年齢とともに割合は高まり、一般に40代で約2割、50代で約4割、60代で約6割が何らかのEDを自覚すると報告されています。加齢は避けられない要因のひとつです。

診察の場では「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめている方に、私はよく出会います。しかしEDは、生活習慣病や血管の状態を映す身体からのサインであることも少なくありません。

EDは大きく器質性心因性に分けられます。血管や神経など体の側に原因があるものが器質性、ストレスや不安など心の側の要因が強いものが心因性です。実際には、この両方が重なっているケースも多くみられます。

近年は、EDが心血管疾患のサインとして注目されています。陰茎の血管は細いため、全身の動脈硬化よりも先に症状が表れることがあるからです。EDを入り口に、糖尿病や高血圧が見つかることもめずらしくありません。

だからこそ、EDは「性の悩み」だけの問題ではありません。体全体の健康を見直すきっかけとして向き合う価値があります。恥ずかしさよりも、まず相談する一歩を大切にしてください。

EDの主な原因(器質性・心因性・生活習慣・薬剤性)

EDの原因は、血管や神経の障害から心理的なストレス、服用中の薬まで多岐にわたります。原因を見極めることが、適切な対処への第一歩です。

器質性ED(血管性・神経性・内分泌性)

器質性EDは、勃起にかかわる体の仕組みそのものに問題が生じるタイプです。勃起は、神経が信号を伝え、血管が陰茎へ血液を送り込むことで起こります。

糖尿病や高血圧、脂質異常症などによる動脈硬化が進むと、陰茎への血流が保ちにくくなります。脳卒中や脊髄損傷、骨盤内の手術による神経のダメージも一因です。加えて、男性ホルモン(テストステロン)の低下といった内分泌の乱れが関係することもあります。

心因性ED

心因性EDは、身体には大きな異常がないのに、心理的な要因で勃起が妨げられるタイプです。若い世代にも比較的多くみられます。

過去の性交渉での失敗体験、パートナーとの関係、仕事や生活のストレス、緊張や不安などが引き金になります。「またうまくいかないのでは」という予期不安が、さらに症状を強めてしまう悪循環もめずらしくありません。

朝立ち(早朝勃起)はあるのに性交時だけうまくいかない。そうした場合は、心因性の要素が関係していることがあります。ただし器質性と心因性は明確に線引きできず、両方が絡むことも多いのが実情です。自己判断せず、診察で整理していきましょう。

生活習慣・薬剤性の要因

喫煙・過度の飲酒・運動不足・睡眠不足・肥満といった生活習慣は、血管の状態を通じてEDに影響します。生活の見直しは治療の土台になります。

また、一部の降圧薬や抗うつ薬などは、副作用としてEDにかかわることがあります。市販薬やサプリメントを含め、服用中の薬は診察時に医師へ伝えてください。自己判断での中止や変更は避けましょう。

タイプ 主な要因 特徴
器質性(血管性) 糖尿病・高血圧・脂質異常症・動脈硬化 加齢や生活習慣病と関連しやすい
器質性(神経性) 脳卒中・脊髄損傷・骨盤内手術 神経の信号伝達がうまくいかない
器質性(内分泌性) テストステロン低下など 意欲や体調の変化を伴うことがある
心因性 ストレス・不安・過去の失敗体験 若年層にもみられ、状況によって変動
薬剤性 一部の降圧薬・抗うつ薬など 服用薬の見直しが手がかりになる

多くの場合、これらの要因は単独ではなく重なり合っています。原因が複数あるからこそ、専門的な診察で全体像を整理する意味があります。

セルフチェックと受診の目安

ここでは自分の状態をおおまかに把握するための目安を紹介します。あくまで自己確認のためのもので、診断に代わるものではありません。

国際的に使われる勃起機能の質問票(IIEF-5など)では、直近の勃起の硬さや維持のしやすさ、性交の満足度などを点数化します。以下は代表的なスコアの読み方です。

合計点 状態のめやす
22〜25点 EDの可能性は低い
17〜21点 軽度のEDが疑われる
12〜16点 軽度〜中等度のEDが疑われる
8〜11点 中等度のEDが疑われる
5〜7点 重度のEDが疑われる

次のような状態が続く場合は、受診の目安と考えてください。中折れが増えた、勃起の硬さが十分でない、性交の途中で維持できない、といったサインが3カ月ほど続くケースです。

EDは糖尿病や心血管の病気が背景に隠れていることもあります。恥ずかしさから受診をためらう方もいますが、体のサインを見逃さないためにも、早めの相談が安心につながります。

EDの検査・診断

EDの診断は、問診を中心に、必要に応じて身体的な検査を組み合わせて行います。原因や背景にある病気を見極めることが目的です。

まず、いつからどのような症状があるか、生活習慣や服用中の薬、既往歴などをうかがいます。先ほどの質問票を使って、勃起機能の程度を客観的に確認することもあります。

背景に生活習慣病が疑われる場合は、血圧測定や血液検査で血糖・脂質・男性ホルモンなどを調べることがあります。心血管の状態に注意が必要と判断されれば、専門の診療科と連携します。

診察では、プライバシーへの配慮を大切にしています。話しにくい内容であっても、正確な情報が適切な治療選択につながります。気になる点は遠慮なくお伝えください。

問診で確認するのは、症状の程度だけではありません。喫煙や飲酒の習慣、睡眠や運動、ストレスの状況、パートナーとの関係なども手がかりになります。こうした生活背景の把握が、原因の見立てを助けます。診断はこれらを総合して行います。

EDの治療法(ED治療薬・生活習慣の見直し)

EDの治療は、内服薬による方法と生活習慣の見直しが柱になります。原因や体の状態に合わせて、医師が選択肢を提案します。

ED治療薬(PDE5阻害薬)の概説

現在、内服のED治療薬として広く用いられているのがPDE5阻害薬です。日本ではシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3成分と、それぞれのジェネリック医薬品が使われています。

これらの薬は、性的な刺激があるときに陰茎の血管を広げやすくし、血流を保つはたらきを助けます。薬を飲むだけで勃起が起こるわけではありません。効果や適否には個人差があります。

大切な注意点として、狭心症などで使われる硝酸剤(ニトログリセリン等)との併用は禁忌です。血圧が下がりすぎる危険があります。持病や服用中の薬がある方は、必ず医師の診察を受けてから使用してください。処方は医師の判断が前提です。

下の表は、代表的な3剤のおおまかな特徴です。飲むタイミングや食事の影響には違いがあり、実際の使い方は診察のうえで決めていきます。

薬名 バイアグラ レビトラ シアリス
成分 シルデナフィル バルデナフィル タダラフィル
特徴 知名度・使用実績 比較的すみやかな立ち上がり 長めの作用時間
服用のめやす 性行為の1〜3時間前 性行為の1〜3時間前 性行為の数時間〜前日
食事の影響 受けやすい 高脂肪食で受けやすい 比較的受けにくい
主な副作用 ほてり・頭痛・鼻づまり ほてり・頭痛・鼻づまり 頭痛・ほてり・消化不良

副作用の感じ方にも個人差があります。合わないと感じたときは自己判断で続けず、医師へ相談してください。

生活習慣の見直し

薬による治療と並行して、生活習慣を整えることが土台になります。血管の健康を守る取り組みは、ED以外の面でも体を助けます。

禁煙、節度ある飲酒、適度な運動、バランスのよい食事、十分な睡眠。こうした基本の積み重ねが、血流や男性ホルモンの状態にゆっくり働きかけます。ストレスをためこまない工夫も、心因性の要因をやわらげる助けになります。

ED治療薬の料金(当院の自費診療)

当院のED治療は、健康保険が使えない自費診療(実費)です。以下は当院で処方するED治療薬の料金です(いずれも税込・1錠あたり)。

薬剤(成分・用量) 料金(税込)
シルデナフィル 50mg(バイアグラ) 1,000円/錠
バルデナフィル 10mg(レビトラ) 1,300円/錠
バルデナフィル 20mg(レビトラ) 1,500円/錠
タダラフィル 10mg(シアリス) 1,500円/錠
タダラフィル 20mg(シアリス) 1,700円/錠

どの薬をどのくらい使うかは、診察のうえで一人ひとりに合わせて決めていきます。料金や処方の内容について不明な点は、お気軽にお問い合わせください。

まずは気軽に相談したい方へ

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治療の流れと当院の対応(オンライン診療)

当院では、来院とオンライン診療の両方でED治療に対応しています。生活スタイルや通院のしやすさに合わせて選べます。

大まかな流れは、次のとおりです。まず問診で症状や既往歴、服用中の薬を確認します。続いて、必要に応じた検査と診断を行い、体の状態を確かめます。そのうえで治療方針を相談し、適応があれば処方に進みます。

人に知られたくない、通院の時間が取りにくい。そう感じる方にはオンライン診療が選択肢になります。スマートフォンやタブレットで予約から診察、服薬指導まで受けられ、薬は郵送で受け取れます。詳しくはオンライン診療のご案内をご覧ください。

ヒロクリニックなんば心斎橋院では、泌尿器科専門医が診察にあたります。泌尿器科全般の相談は泌尿器科のトップページもあわせてご確認ください。ひとりで抱え込まず、まずは相談してみてください。

よくある質問

ED(勃起不全・勃起障害)について、患者さんからよく寄せられる質問をまとめました。個別の状況は診察でご相談ください。

Q. EDは年齢のせいだから治療しても意味がないのでは?

A. 加齢はED要因のひとつですが、それだけが理由とは限りません。糖尿病や高血圧、生活習慣、ストレス、服用薬など、対処できる要因が隠れていることもあります。年齢を理由にあきらめず、一度ご相談ください。

Q. ED治療薬は市販やネットで買っても大丈夫ですか?

A. 医師の診察を受けずに個人輸入などで入手した薬には、成分や品質が確認できないものが含まれる危険があります。硝酸剤との併用禁忌など安全上の確認も欠かせません。処方は医師の診察を前提としてください。

Q. 誰にも知られずに相談できますか?

A. 当院ではプライバシーに配慮した対応を心がけています。通院が難しい方や人目が気になる方には、オンライン診療という方法もあります。話しにくい内容でも、遠慮なくお伝えください。

Q. 持病があってもED治療薬は使えますか?

A. 持病や服用中の薬によっては、使用できない場合や注意が必要な場合があります。とくに狭心症などで硝酸剤を使っている方は併用できません。既往歴とお薬の情報を医師に伝えたうえで判断します。

Q. ED治療は保険が使えますか?費用のめやすは?

A. 当院のED治療は自費診療(実費)です。料金は本ページの料金表をご確認ください。使う薬の種類や量によって費用は変わります。不明点はお問い合わせいただければお答えします。

Q. 薬を飲めば必ず勃起しますか?

A. ED治療薬は性的な刺激があるときに勃起を助ける薬で、飲むだけで勃起が起こるわけではありません。効果や適否には個人差があります。合わないと感じたときは自己判断で続けず、医師へ相談してください。

EDのお悩み、専門医にご相談ください

オンライン診療はこちら

お電話でのご予約・お問い合わせ:06-6226-8631

監修医師

畠中 聡(ヒロクリニックなんば心斎橋院 院長/日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医)

医師監修 監修日:2024年2月19日

畠山 聡先生 (はたやま さとし)

医師・医学博士 ヒロクリニック医師

略歴

  • 2016年 大阪市立大学(現:大阪公立大学)卒業
  • 2016年 育和会記念病院
  • 2019年 大阪鉄道病院
  • 2021年 大阪公立大学附属病院
  • 2022年 大阪鉄道病院医長
  • 2023年 ヒロクリニックなんば心斎橋院院長

資格・所属

  • 日本泌尿器科学会認定の泌尿器科専門医

この記事は、ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。