尖圭コンジローマ

この記事でわかること

  • 尖圭コンジローマの原因となるHPVと、イボができやすい部位や見た目の特徴
  • 塗り薬・凍結療法・外科的処置といった治療方法の違いと、通院の目安
  • 治療後も再発しやすい理由と、経過観察で気をつけたいポイント
  • パートナーの検査やHPVワクチンなど、予防のために知っておきたい話題

尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって、性器や肛門の周囲に小さなイボができる性感染症です。

おもな性感染症のひとつで、性的な接触を通じて皮膚や粘膜から感染します。命に直接かかわる病気ではありません。ただし放置するとイボが増えたり大きくなったりすることがあります。

原因の多くは、がんを起こしにくい低リスク型のHPV(6型・11型)です。まれに16型・18型・31型・33型といった高リスク型が関わることもあります。高リスク型は子宮頸がんや外陰がん、陰茎がんなどの発症要因として知られています。

そのため当院では、女性が尖圭コンジローマを発症した場合、子宮頸がん検診もあわせて受けていただくようご案内しています。イボそのものは良性でも、背景にあるHPVの状態を確認しておくと安心につながるためです。

まずは全体像をつかめるよう、基本情報を表にまとめました。

項目 おおよその内容
原因 ヒトパピローマウイルス(HPV)。多くは6型・11型
感染経路 性的な接触(皮膚・粘膜の接触)
潜伏期間 約3週間〜8か月(平均2〜3か月ほど)
主な症状 性器・肛門周囲のイボ。痛みやかゆみは少ないことが多い
好発部位 男女の外陰部の粘膜・皮膚、肛門の周囲など
検査 視診が中心。必要に応じて病理検査
治療 塗り薬・凍結療法・外科的処置など
特徴 治療後も再発することがある

数字はあくまで目安で、経過には個人差があります。気になる症状があるときは、自己判断で様子を見続けずに医療機関へご相談ください。

主な症状(イボの特徴とできやすい部位)

尖圭コンジローマの代表的な症状は、性器や肛門の周囲にできるやわらかく先のとがったイボです。

感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、およそ3週間から8か月とされ、平均では2〜3か月ほどになります。心当たりの時期からしばらく経ってイボに気づくことも珍しくありません。

イボの大きさはさまざまで、数ミリ程度の小さなものが典型的です。放置すると数が増えたり、いくつも集まって鶏のトサカ状やカリフラワー状に見えることもあります。色は肌色から淡いピンク、褐色まで幅があります。

痛みやかゆみをともなわないことが多く、鏡で見て初めて気づく方もいらっしゃいます。診療の現場では、「入浴中にふと触れて気づいた」という声をよくうかがいます。

できやすい部位は、男女で少し異なります。

対象 できやすい部位の例
男性 亀頭、冠状溝、包皮の内側、陰茎、尿道の入り口など
女性 腟の入り口、小陰唇、腟壁、子宮頸部など
男女共通 肛門の周囲、会陰部など

肛門の周囲は、肛門を使った性交がなくてもイボができることがあります。周辺の皮膚をつたって広がるためです。次のような変化に気づいたら、早めの受診を検討してください。

  • 性器や肛門周囲に、これまでなかった小さな盛り上がりがある
  • イボの数が少しずつ増えている、または大きくなってきた
  • 入浴や排尿のときに、ざらつきや違和感を覚える

感染経路・原因(HPVについて)

尖圭コンジローマは、HPVを持つ人との性的な接触によって、皮膚や粘膜からうつります。

HPVは、ごく小さな傷から皮膚や粘膜の細胞に入り込みます。挿入をともなう性交だけでなく、性器どうしや口との接触でも感染が起こりえます。感染した本人に症状がなくても、相手にうつることがある点に注意が必要です。

原因ウイルスの多くは、前述のとおり6型・11型という低リスク型です。これらはイボを作りやすい一方、がんへの関与は低いと考えられています。ただし高リスク型が同時に潜んでいる場合もあるため、女性では子宮頸がん検診の併用が勧められます。

コンドームは感染のリスクを下げますが、覆いきれない皮膚どうしが触れる場合は防ぎきれないことがあります。予防の一助として使いつつ、症状があるときは接触を控えることが現実的な対応になります。

性感染症は一度に複数がうつることもあります。尖圭コンジローマが見つかった際は、性器ヘルペス淋菌感染症など、ほかの性感染症の検査もあわせて検討すると安心です。

検査・診断

診断は、医師がイボの見た目を直接確認する視診が基本になります。

尖圭コンジローマは特徴的な形をしているため、多くの場合は視診で見当がつきます。確定診断が必要なときや、ほかの病変との区別が難しいときは、イボの一部を採取して病理検査を行うことがあります。当院では、治療と同時に組織を採取して調べる方法もご案内できます。

性器には、もともと備わっている良性のできものが見られることもあります。尖圭コンジローマと見た目が似ていても、治療が要らないものも少なくありません。だからこそ、自己判断で決めつけず、医師の目で確認しておくと安心です。市販薬で無理に処置しようとすると、かえって皮膚を傷めてしまうこともあります。

女性の検体採取は、女性看護師が対応します。デリケートな診察に不安を感じる方にも、できるだけ負担が少なくなるよう配慮しています。

ヒロクリニックなんば心斎橋院は、男女ともに性感染症の診療に対応しています。秘匿性を重視する方のために、自費(実費)診療にも対応しています。受診の記録が気になる場合は、遠慮なくご相談ください。

来院が難しい方や、まず相談から始めたい方は、オンライン診療もご利用いただけます。症状の様子を伝えたうえで、来院や検査の必要性を一緒に考えていきます。

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治療方法

治療は、イボを取り除く処置と、免疫の力を利用する塗り薬を、状態に合わせて使い分けます。

おもな選択肢は、塗り薬・凍結療法・外科的処置の3つです。イボの大きさや数、できた場所によって適した方法が変わります。ひとつの治療で完全に消えないときは、別の方法へ切り替えたり、組み合わせたりすることがあります。

それぞれの特徴を表で比べてみます。

治療法 おおまかな内容 通院・特徴
塗り薬(イミキモド/ベセルナクリーム) 免疫にはたらきかけ、ウイルスに感染した細胞を排除する外用薬 自宅で塗布。赤みやただれが出ることがある
凍結療法(液体窒素) 液体窒素でイボを凍らせて取り除く方法 1〜2週おきに複数回の通院。処置時に痛みをともなうことがある
外科的処置(電気焼灼・CO2レーザー・切除) イボを焼いたり切り取ったりして取り除く方法 大きいものや数が多いものに向く。局所麻酔を用いることがある

塗り薬のイミキモド(ベセルナクリーム)は、就寝前に塗って一定時間おき、起床後に洗い流す使い方が一般的です。週3回の塗布を続け、経過を見ながら最長で16週間ほど使うことがあります。使い方は医師の指示に沿ってください。

凍結療法は、外来で液体窒素をイボにあてる処置です。1回で終わらないことが多く、間隔をあけて複数回くり返します。処置後にヒリつきや水ぶくれが出ることもあります。

外科的な処置は、イボが大きい場合や数が多い場合に選ばれることがあります。短期間で取り除ける一方、処置後の傷のケアが必要です。どの方法にも一長一短があり、効果や治り方には個人差があります。

いずれの治療も、「一度で必ず完治する」と言い切れるものではありません。見えているイボを取り除いても、周囲にウイルスが残っていれば再発することがあるためです。焦らず経過を見ていく姿勢が、結果的に近道になります。

再発と経過

尖圭コンジローマは、治療でイボが消えても再発することがある病気です。

これは、目に見えるイボを除去しても、周辺の皮膚や粘膜にHPVが残っている場合があるためです。ウイルスが残っていると、時間をおいて新しいイボが現れることがあります。とくに治療後の数か月間は、再発が起こりやすい時期とされています。

だからこそ、イボが消えたあとも一定期間の経過観察が勧められます。多くの場合、治療後3か月ほどは新しいイボが出ていないかを確認していきます。再発しても、早めに気づけば同じように治療を行えます。

再発したこと自体は、けっして珍しいことではありません。「治療しても出てきた」と落ち込む方もいらっしゃいますが、必要以上に不安を抱える必要はありません。気づいたタイミングで対応を続けていくことが、着実な改善につながります。

自分の免疫の力でウイルスが自然に抑えられていくこともあります。一方で、体調や生活の状態によっては長引くこともあるため、経過を医師と共有しながら進めてください。

予防とパートナーの検査

予防では、コンドームの使用に加えて、パートナーの検査やHPVワクチンといった話題も知っておくと役立ちます。

コンドームは感染のリスクを下げる有効な手段です。ただし、覆われない部分の皮膚が触れる場合には防ぎきれないことがあります。過信せず、症状があるときは接触を控えることが現実的です。

パートナーがいる場合は、いっしょに検査や相談を受けることを検討してください。片方だけ治療しても、互いにうつし合ってしまう可能性が残るためです。相手に症状がなくても、感染していることがあります。

HPVそのものを防ぐ話題として、HPVワクチンがあります。国内で使われる4価・9価のワクチンには、尖圭コンジローマの原因となる6型・11型を含むものがあります。予防効果が報告されていますが、すでに感染している人への治療目的のものではありません。接種を考える際は、対象や時期を医師に確認してください。

日々の予防としては、次のような点を意識しておくと安心です。

  • 不特定の相手との接触を避け、コンドームを正しく使う
  • 気になる症状が出たら、性的な接触を控えて早めに受診する
  • パートナーとも情報を共有し、必要なら一緒に検査を受ける

不安を一人で抱え込む前に、まずは相談から始めていただければと思います。ヒロクリニックなんば心斎橋院では、来院とオンライン診療の両方でご相談を受け付けています。

よくある質問

尖圭コンジローマについて、患者さんから多く寄せられる質問をまとめました。

尖圭コンジローマは自然に治りますか?

自分の免疫の力でイボが小さくなったり消えたりすることはあります。ただし残ったウイルスから再発することもあるため、自己判断で放置せず、一度医療機関で状態を確認してください。

痛みやかゆみはありますか?

痛みやかゆみをともなわないことが多く、気づきにくい病気です。イボができた場所や大きさによっては、違和感や出血が出ることもあります。無症状でも、イボに気づいたら受診を検討してください。

治療にはどれくらいの期間がかかりますか?

治療法やイボの状態によって幅があります。塗り薬では数週間から数か月ほど続けることがあり、凍結療法では間隔をあけて複数回通院します。効果の現れ方には個人差があるため、経過を見ながら進めます。

パートナーも受診したほうがよいですか?

いっしょに検査や相談を受けることを検討してください。相手に症状がなくても感染していることがあり、片方だけの治療ではうつし合いが続く可能性があります。二人で取り組むほうが安心につながります。

妊娠中でも治療できますか?

妊娠中は使える治療が限られることがあります。母子の状態に配慮した対応が必要になるため、妊娠中または妊娠の可能性がある方は、その旨を必ず医師にお伝えください。自己判断で市販薬などを使わないようにしてください。

コンドームを使えば完全に防げますか?

コンドームはリスクを下げますが、覆いきれない皮膚どうしが触れると防ぎきれないことがあります。完全な予防にはならない前提で、ほかの予防手段とあわせて考えてください。

受診の記録を家族や職場に知られたくありません。対応できますか?

秘匿性に配慮し、自費(実費)診療にも対応しています。プライバシーへの不安がある場合は、受付や診察の際に遠慮なくお伝えください。オンライン診療のご利用も可能です。

気になる症状があれば、早めにご相談ください

オンライン診療はこちら

お電話:06-6226-8631(ヒロクリニックなんば心斎橋院)

監修医師

畠中 聡(ヒロクリニックなんば心斎橋院 院長/日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医)


関連情報(検査・女性の視点)

尖圭コンジローマは、性感染症検査専門サイトや女性向けの解説もあわせてご覧いただけます。

医師監修 監修日:2023年7月5日

畠山 聡先生 (はたやま さとし)

医師・医学博士 ヒロクリニック医師

略歴

  • 2016年 大阪市立大学(現:大阪公立大学)卒業
  • 2016年 育和会記念病院
  • 2019年 大阪鉄道病院
  • 2021年 大阪公立大学附属病院
  • 2022年 大阪鉄道病院医長
  • 2023年 ヒロクリニックなんば心斎橋院院長

資格・所属

  • 日本泌尿器科学会認定の泌尿器科専門医

この記事は、ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。