デュタステリドとフィナステリドの違いは?効果と副作用を比較

デュタステリドフィナステリドは、どちらもAGA男性型脱毛症)治療に使われる内服薬です。ただし、DHT(ジヒドロテストステロン)を抑える範囲と強さが異なります。「フェナステリド」という表記での検索も少なくありません。実際は「フィナステリド」の誤記・誤読。

本記事では正式名称であるフィナステリドを用いて解説します。デュタステリドとの違いを、皮膚科専門医の岡博史が説明します。

この記事でわかること

  • デュタステリドフィナステリドの作用機序の違い
  • DHT抑制率と発毛効果の目安
  • 副作用のリスクと注意点、献血制限
  • どちらの薬が向いているかの判断基準
  • ヒロクリニックでの処方の流れと費用

デュタステリドフィナステリドとは?基本の違い

デュタステリドフィナステリドは、どちらも5αリダクターゼという酵素の働きを妨げる内服薬です。抑える酵素の型が異なる点が最大の違いです。この差が、効果や副作用の強さに関わってきます。

項目フィナステリドデュタステリド
主な商品名プロペシアザガーロ
分類5αリダクターゼ2型阻害薬5αリダクターゼ1・2型阻害薬
剤形錠剤カプセル
適応男性型脱毛症の進行遅延男性型脱毛症の進行遅延
国内承認年2005年2015年

「フェナステリド」という表記について

「フェナステリド」は医薬品名として存在しません。発音や入力ミスで生じた表記だと、私は日々の診察で感じています。同じ意味で調べ直したい場合は「フィナステリド」の表記で検索してください。添付文書などの正確な一次情報にたどり着けます。

なお、男性ホルモンとAGAの関係を理解しておくと理解が深まります。なぜ5αリダクターゼの阻害が脱毛予防につながるのか、仕組みを把握しやすくなります。

作用機序の違い(5αリダクターゼ阻害の範囲)

作用機序の違いは、DHTを作る酵素をどこまで抑えるかにあります。この差が、後述する効果の強さに直結します。

フィナステリドは5αリダクターゼの2型のみを選択的に阻害します。一方、デュタステリドは1型・2型の両方を阻害します。そのため、より広い範囲でDHTの生成を抑えられます。

フィナステリドとデュタステリドの5αリダクターゼ阻害範囲を比較した図解。フィナステリドは2型のみ、デュタステリドは1型・2型の両方を阻害する

体内のDHTは、主に頭皮の毛包と皮脂腺に存在する2型5αリダクターゼによって作られます。1型は皮膚や肝臓など全身に分布しており、デュタステリドはこの1型にも作用する点が特徴です。

2型は前立腺にも多く分布しています。そのためフィナステリドは、前立腺肥大症の治療薬としても使われています。ただし、用量・製剤はAGA治療用と異なります。

効果の比較(DHT抑制率と発毛実感の目安)

効果の差は、DHT抑制率の違いにほぼ比例して現れます。添付文書や国内外の臨床試験データを見ると、結果は一貫しています。デュタステリドの方がDHT抑制率が高いという報告です。

フィナステリドは約60から70パーセント、デュタステリドは90パーセント以上というDHT抑制率の目安を比較した棒グラフ

フィナステリドはDHTレベルを約60〜70%低下させるとされます。対してデュタステリドは、90%以上低下させると報告されています。日本皮膚科学会の診療ガイドライン2017年版でも、両薬剤は発毛効果の推奨度Aとされています。推奨度Aは「行うよう強く勧める」という、最も高い評価です。

私はこれまでの診療で、あるケースを複数確認してきました。フィナステリドを半年〜1年使用しても、抜け毛の減少を実感しにくかった方です。そうした方が、デュタステリドへの切り替え後に毛量の変化を報告するケースです。ただし効果の出方には個人差が大きく、進行度や年齢によっても差が出ます。

服用を続けるうえで押さえておきたいポイントは、次の3点。

  • 効果を実感し始める目安は、どちらも服用開始から3〜6ヶ月程度です。
  • 初期脱毛(服用開始後に一時的に抜け毛が増える現象)が出ることがあります。
  • 効果判定には最低でも6ヶ月の継続使用が必要とされています。

詳しい薬剤の種類や特徴は、最新のAGA治療薬レビューと使用方法でも比較しています。

副作用の比較とリスク

副作用の種類は、フィナステリドデュタステリドでほぼ共通しています。ただし作用が強いデュタステリドの方が、リスクはやや高いとされています。

両薬剤に共通する主な副作用は、性欲減退・勃起機能の低下・精液量の減少などの性機能関連症状です。頻度は数%程度と報告されており、多くは服用中止後に回復します。

副作用フィナステリドデュタステリド
性機能関連症状報告あり(軽度〜中等度)報告あり(やや頻度高め)
肝機能への影響まれに報告ありまれに報告あり
精神症状抑うつ気分の報告あり抑うつ気分の報告あり
妊娠中の女性への影響接触・服用禁止接触・服用禁止

PMDA(医薬品医療機器総合機構)は2023年8月、フィナステリドの添付文書を改訂しました。抑うつ症状や希死念慮に関する注意喚起が、新たに追加されています。服用中に気分の落ち込みが続く場合は、自己判断で様子を見ないでください。速やかに処方医へ相談してください。

デュタステリドフィナステリドともに、妊娠中の女性は使用できません。妊娠の可能性がある女性は、錠剤・カプセルに触れることも避けてください。パートナーが妊娠を希望している場合は、事前に医師へ伝えてください。

副作用を抑えながら治療を続ける工夫は、AGA治療の副作用を最小限にする方法でも紹介しています。

服用方法とタイミング

フィナステリドデュタステリドとも、1日1回、決まった時間に服用するのが基本です。食事の影響を受けにくい薬のため、食前・食後を厳密に区別する必要はありません。

飲み忘れに気づいた場合、当日中であればその時点で1回分を服用してください。翌日に気づいたときは、前日分を飛ばしてください。通常のタイミングで1回分だけ服用します。2回分をまとめて服用することは避けてください。

デュタステリドはカプセル剤です。噛んだり開封したりせず、そのまま水またはぬるま湯で飲み込みます。カプセル内の液体成分が口腔粘膜に触れると、のどの刺激感が生じることがあるためです。

両剤は肝臓の代謝酵素CYP3A4を介して分解されます。そのため抗真菌薬や一部のHIV治療薬など、CYP3A4を強く阻害する薬との併用には注意が必要です。併用により、血中濃度が上昇する可能性があります。持病で他の薬を服用中の方は、初診時に必ずお薬手帳を提示してください。

服用時の注意点:献血制限について

意外と見落とされがちですが、両剤とも服用中・服用後は献血に制限がかかります。日本赤十字社の基準では、献血に制限期間が設けられています。フィナステリドは服薬中止後1ヶ月間、デュタステリドは服薬中止後6ヶ月間、献血ができません。

デュタステリドは血中半減期が長く、体内から完全に消失するまでに時間がかかります。そのため、制限期間もフィナステリドより長く設定されています。献血の予定がある方は、事前に服用歴を献血ルームへ申告してください。

どちらを選ぶべきか?向いている人の特徴

薬剤選びの基本は、まず作用の穏やかなフィナステリドから始めることです。効果が不十分な場合に、デュタステリドへ切り替える流れになります。もっとも、進行度によっては最初からデュタステリドを提案することもあります。

フィナステリドが向く人とデュタステリドが向く人の特徴を比較したカード形式の図解

軽度〜中等度の進行段階で、副作用リスクを抑えながら治療を始めたい方にはフィナステリドが向いています。一方、フィナステリドを一定期間使用しても効果を実感しにくかった方もいます。進行がやや進んでいる方も含め、デュタステリドへの切り替えが検討されます。

私が初診の患者さんに必ず伝えていることがあります。市販のジェネリック医薬品を、自己判断で個人輸入し使用しないでほしいという点です。偽造品や副作用管理の観点からリスクが高く、必ず医療機関での処方を選んでください。

費用面も選択の材料になります。フィナステリドデュタステリドより、薬価が低い傾向にあります。長期継続を前提とするAGA治療では、月々の負担額も検討材料の一つです。効果と費用のバランスは、血液検査の結果を踏まえて医師と相談しながら決めるのが現実的です。

治療前に知っておきたい基礎知識は、AGA治療薬を使用する前に知っておくべきことでも解説しています。

ヒロクリニックでの治療の流れと費用

ヒロクリニックでは、皮膚科専門医・医学博士が問診と血液検査・血圧測定を行います。そのうえで、フィナステリドデュタステリドのどちらが適しているかを提案します。

内服治療は初回990円から開始でき、3〜6ヶ月分のまとめ購入割引も用意しています。全国11院共通のフリーダイヤルで予約でき、土日診療にも対応しています。

費用面で気になる点は、次の4つ。

  • カウンセリングは無料です。
  • 血液検査で肝機能や全身状態を確認したうえで処方します。
  • 効果を実感できなかった場合の全額返金保証制度があります。
  • 女医による診察も選べるため、女性の薄毛(FAGA)相談にも対応しています。

治療費用の目安は、AGA治療の費用を抑えるためのポイントでも解説しています。

よくある質問

フェナステリドとフィナステリドは同じ薬ですか?

同じ薬を指しています。正式な一般名は「フィナステリド」で、「フェナステリド」は誤記・誤読です。処方箋や添付文書を確認する際は「フィナステリド」の表記で探してください。

デュタステリドフィナステリドは併用できますか?

通常は併用しません。デュタステリドは、フィナステリドの阻害範囲を含む形で作用します。そのため併用しても相加効果は限定的とされ、副作用リスクだけが増える可能性があります。切り替えが基本の対応です。

どのくらいの期間で効果を感じられますか?

多くの場合、服用開始から3〜6ヶ月で変化を感じ始めます。効果判定には最低6ヶ月、できれば1年程度の継続使用が必要です。自己判断での中断は、進行を早める可能性があるため避けてください。

オンライン診療で処方は可能ですか?

クリニックによって対応状況が異なります。ヒロクリニックでの最新のオンライン診療対応状況は、各院にお問い合わせください。フリーダイヤル(0120-217-929)でも確認できます。

女性でも使用できますか?

フィナステリドデュタステリドともに、妊娠中または妊娠の可能性がある女性は使用できません。閉経後の女性のFAGA治療については、別の治療選択肢を医師と相談してください。

ジェネリック医薬品との違いはありますか?

有効成分は先発品と同一で、効果に大きな差はないとされています。個人輸入品は品質管理が不透明なため、医療機関で処方されたものを使用してください。

まとめ

デュタステリドフィナステリドは、どちらもAGA治療の中心となる内服薬です。フィナステリドは2型のみ、デュタステリドは1型・2型の両方を阻害します。そのため、抑制力と副作用リスクのバランスが異なります。

「フェナステリド」で検索していた方も、正式名称はフィナステリドであることを踏まえてください。そのうえで、自分の進行度や希望に合った薬剤を医師と相談してください。ヒロクリニックでは血液検査を含む無料カウンセリングで、最適な治療法を提案しています。


著者:岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・医学博士。慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学皮膚科学教室助手を経て2008年ヒロ皮フ形成クリニック開業。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本医師会認定産業医。

参考文献
・日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/AGA_GL2017.pdf
・PMDA プロペシア錠0.2mg/1mg 添付文書 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/181615_249900XF1021_3_03
・PMDA ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/249900AM1023_1
・PMDA「フィナステリドの『使用上の注意』の改訂について」(2023年8月29日)https://www.pmda.go.jp/files/000263931.pdf
・日本赤十字社血液センター「服薬と献血について」https://www.bs.jrc.or.jp/bc9/fukuoka/donation/m2_01_03_index.html

この記事の監修者

岡 博史 医師(医学博士) ヒロクリニック統括院長

慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学皮膚科学教室助手を経て、2008年ヒロ皮フ形成クリニックを開業。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・日本医師会認定産業医。

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