世界中で拡大する薄毛治療の最前線:毛髪再生手術が注目される理由とは?

髪の健康に関するコラム記事をスマートフォンで真剣に読みながら、右手の拳に顎を乗せて思案する若い女性。抜け毛や白髪など髪の変化と体調の関係に関心を寄せている様子がうかがえる構図で、記事のテーマである「髪のSOSサイン」やホルモンバランスの乱れに関する話題と関連性が高い読者の共感を誘うイメージ。

この記事の概要

「髪は命」と言われるほど、髪の毛は私たちの見た目や自信に大きな影響を与えます。実はいま、薄毛に悩む人々が世界中で増加しており、その対策として毛髪再生手術(ヘアリストレーション)の人気が急上昇しています。国際的な専門学会の調査によると、手術件数は過去10年で85%も増加。30代・40代を中心に多くの人が「自然で長持ちする」髪の再生を求めています。本記事では、統計データや市場規模、人気の移植部位、さらには有名人の髪に関する意識調査まで、最新の調査結果をわかりやすく解説します。

世界で拡大する毛髪再生手術の需要:ISHRSが最新調査結果を発表

アメリカ・イリノイ州ジュネーブ、2014年1月7日発表 — どの国でも「美しい髪」は時代を超えて憧れの的。最新の調査によると、世界中の男女が薄毛の悩みに対して積極的な対策を講じており、その中でも外科的毛髪再生手術(hair restoration surgery)が大きく注目を集めています。

この調査は、国際毛髪外科修復学会(ISHRS)が2005年から継続して実施している会員向け診療実態調査(Practice Census)の一環として行われたものです。

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2004年から2012年にかけて手術件数が85%増加

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ISHRSが初めてデータを収集した2005年以降、2004年から2012年にかけて実施された外科的毛髪再生手術の件数(世界全体での推定値)は、実に85%も増加したことが明らかになりました。特にアジアと中東地域での増加が顕著でした。

ISHRS会長であるヴィンチェンツォ・ガンビーノ医師(Dr. Vincenzo Gambino、イタリア・ミラノ)は、次のようにコメントしています。

「髪は世界共通で『若さ』や『活力』の象徴とされており、年齢に関わらず薄毛は生活の質(Quality of Life)に大きな影響を及ぼします。そのため、特に30〜40代の男女の間で、自然で見分けがつかず、かつ永続的な効果が期待できる外科的毛髪再生への関心が高まっています」

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世界経済の低迷にもかかわらず需要は微増傾向

2012年には、世界の多くの地域で経済成長が鈍化していたにもかかわらず、2010年から2012年の間に毛髪再生手術の需要はわずかに増加しました。2012年に世界中で実施された外科的毛髪再生手術の推定件数は約310,624件で、2010年から約10%増加しています。

中でも特筆すべきは、これまで最多だった北米を抜いて、アジアが初めて地域別の手術件数で1位となった点です。2012年、アジアでは102,702件の毛髪再生手術が実施され、こちらも2010年比で10%の増加となりました。

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毛髪再生市場の推定規模:全世界で約2000億円超

2012年に実施された推定31万件超の手術において、患者が支払った平均費用をもとに算出された世界の毛髪再生市場規模は以下の通りです。

通貨推定市場規模(2012年)
アメリカドル(USD)$1,931,599,813(約1931億ドル)
ユーロ(EUR)€1,493,706,135
カナダドル(CAD)$1,997,428,734
オーストラリアドル(AUD)$2,005,638,034
韓国ウォン(KRW)₩236,827,271,928
香港ドル(HKD)$86,574,303,610
日本円(JPY)¥14,995,975,147(約150億円)
インドルピー(INR)₹107,343,869,229
サウジアラビアリヤル(SAR)SR 7,243,827,670
メキシコペソ(MXN)$24,063,928,416
ブラジルレアル(BRL)R$3,970,229,571
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注目すべきその他の調査結果(2013年ISHRS診療実態調査より)

男女比・年齢層

  • 2012年に外科的毛髪再生手術を受けた患者のうち、86.3%が男性、13.7%が女性でした。
  • 男女ともに、患者の年齢層は30〜49歳が最も多く、男性で59.6%、女性で55.9%を占めました。
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地域別の増加傾向

  • ヨーロッパでは2012年に54,343件の手術が行われ、2010年比で39%の増加と、地域別で最も大きな伸びを示しました。

顔・眉・まつげへの移植も増加傾向

  • 2010年から2012年の間に、眉毛や顔(口ひげやあごひげなど)への毛髪移植手術が13.1%増加しました。
  • アジアは、まつげ移植(601件)、眉毛移植(5,160件)、顔の毛髪移植(1,904件)において世界最多の実績を記録しました。
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有名人の髪型に関するISHRS会員の意識調査

  • 男性セレブの中で「最も理想的な髪を持つ人物」としてジョン・メイヤー(John Mayer)が選出されました。
  • 女性ではソフィア・ヴェルガラ(Sofía Vergara)が「最も美しい髪を持つ女性セレブ」に選ばれました。
  • また、「最も植毛を施術したい著名人」としてイギリス王室のウィリアム王子(Prince William)が選ばれたことも話題となりました。
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解説:毛髪再生手術とは?

外科的毛髪再生とは、主に後頭部などの脱毛していない部分から毛包(hair follicles)を採取し、薄毛の部分に移植する技術です。代表的な方法としては、FUT(Follicular Unit Transplantation:毛包単位移植法)やFUE(Follicular Unit Extraction:毛包単位切除法)があり、どちらも定着率が高く、自然な仕上がりが期待できます。

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結語:美容だけでなくQOL(生活の質)向上への一歩

今回のISHRSによる調査結果からは、毛髪再生が単なる美容目的にとどまらず、「若さ」や「自信」といった生活の質(Quality of Life)にも直結する重要な選択肢として認識されつつある現状がうかがえます。年齢や性別を問わず、毛髪に悩む人々が世界規模で確実に増えており、それに応える医療技術と市場も急速に発展していると言えるでしょう。

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記事の監修者


監修医師

岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医

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