この記事の概要
植毛を考えているけれど、「何を聞けばいいの?」「本当に大丈夫?」と不安になっていませんか? 本記事では、初めての植毛でも安心して前に進めるよう、医師に聞くべき9つの重要な質問をわかりやすく解説します。 専門的な用語も丁寧に補足しながら、費用、傷跡、手術方法、ダウンタイム、自然な仕上がりまで、後悔しないために必要な知識をじっくりお伝えします。 読めば読むほど不安が安心に変わる、信頼と納得のガイドです。
「先生、ちょっと聞いてもいいですか?」——植毛手術を考えているあなたへ

もしあなたが、鏡の前でふと「昔より額が広くなった気がする…」と感じたなら。
もし通勤途中のガラスに映る自分の姿に、少し自信がなくなってきたなら。
そしてもし、「植毛(しょくもう)って、本当に自分の髪が生えてくるの?」と、ほんの少しでも気になっているのなら——
ようこそ、このページへ。
植毛手術(Hair Restoration Surgery)は、ただ髪を増やすための美容処置ではありません。
それは「もう一度、自分に自信を持つための第一歩」です。
でも、大切な自分の身体にメスを入れる選択をするのですから、「なんとなく」で決めるのはやめましょう。
ここでは、不安を解消し、納得して前に進むために、手術前に植毛医師にぜひ聞いておいてほしいことを、ひとつずつ丁寧にご紹介します。
専門用語はすべて、やさしい言葉で解説していくので、医療の知識がない方でも安心して読み進められますよ。
どんな先生を選べばいいの?——植毛医師選びの「見るべきポイント」

まず最初に立ちはだかるのは、「どの先生にお願いすればいいのか問題」ですよね。
街には美容クリニックがたくさんあって、ホームページには魅力的な言葉が並んでいます。
でもちょっと待ってください。髪の手術は、美容整形とはまったく違う専門性が必要です。
たとえば、あなたが虫歯で歯医者さんに行くとき、
「ちゃんと国家資格持ってる先生かな?」
「この人、虫歯の治療経験たくさんあるのかな?」
と、自然に考えますよね。
それとまったく同じです。
植毛の手術では、以下のような項目をチェックしておきましょう:
特に注意したいのは、「カウンセリングだけ医師がして、実際の手術はほとんど無資格スタッフに任せる」ようなクリニック。
これは海外でも問題になっており、国際植毛外科学会(ISHRS)という団体も、そうしたクリニックには注意喚起をしています。
大切なことは、「あなたの頭皮を診て、あなたの髪に向き合ってくれる“本物の先生”」に出会うこと。
それが成功の第一歩です。
誰が手術をするの?先生はどこまで関わってくれる?
せっかく信頼できる医師を見つけても、「先生がカウンセリングだけして、実際の手術は他の人…」では意味がありません。
植毛は、1本1本の髪の角度や密度まで調整する、繊細な“職人技”が必要な医療行為です。
手術をするのがベテランの医師か、研修中のスタッフかで、仕上がりに大きな差が出てしまいます。
次のような質問をしてみましょう:
- 実際にメスや器具を使うのは誰?
- その人たちはどんな資格や経験を持っている?
- 医師は全工程に関わってくれる?
もし少しでも曖昧な返事が返ってきたら、「手術は機械で自動です」と言われたら、それは注意サイン(レッドフラッグ)かもしれません。
手術で万が一のことが起きたら?——保険の確認も大切
「そんなことは起きないでしょ」と思いたいですが、医療である以上、100%安全ということはありません。
だからこそ、担当医と手術スタッフ全員が医療過誤保険(マルプラクティス保険)に入っているかを確認しましょう。
これは、もしものトラブルが起きたときのための、大切な“お守り”です。
手術の種類、知っていますか?——FUT法とFUE法の違い
「植毛って、どんな方法があるの?」という方のために、今の主流である2つの方法をご紹介します。
FUT法(ストリップ法)とは?
正式には Follicular Unit Transplantation。
後頭部の皮膚を帯状(ストリップ状)に切り取り、そこから毛を採取する方法です。
効率よく大量の毛を採れるのがメリットですが、皮膚を切るため、縫合と傷跡が残る可能性があります。
FUE法(くり抜き法)とは?
こちらは Follicular Unit Excision と呼ばれる方法。
ひとつひとつの毛包(毛が生えている単位)を小さなパンチでくり抜くように採取します。
切らずに済むぶん傷跡が小さく、ダウンタイムが短いのが特徴ですが、時間と手間がかかるため費用はやや高め。
「どっちがいいの?」と思ったあなた。
答えは、「人それぞれ」です。
医師と相談し、頭皮の状態・毛量・希望のデザインに合わせて最適な方法を選びましょう。
「傷跡ゼロ」はあり得ません——正しい情報を見抜こう
最近よくあるのが、「傷跡がまったく残らない!」「AIがすべて自動でやるから安心!」といった広告。
とても魅力的に聞こえますが、残念ながらこれは科学的に不可能です。
皮膚に何か器具を入れる時点で、たとえどんなに小さくても、組織は微細な傷をつけられ、そこに瘢痕(はんこん)ができます。
完全に「傷なし」は、現時点の医学ではあり得ません。
また、ロボットによる自動植毛も一部ありますが、機械がすべての作業を自動で完璧にやることは不可能。
あくまで「人間の手作業を補助するツール」にすぎないのです。
あなたの頭皮に触れるのは、最終的には人間の“目”と“手”。
だからこそ、経験と技術のある医師の存在が何より重要なのです。
どれくらい時間がかかるの?1日で終わるの?
「朝に手術して、夕方にはフサフサに!」…そんな夢のような話、聞いたことありませんか?
でも、植毛は「植えるだけ」で終わりではありません。
植えた髪が生えそろうまでには数か月〜半年以上かかりますし、希望するボリュームによっては数回の手術が必要な場合もあります。
- 手術1回の所要時間は平均6〜8時間
- 仕上がりが自然に見えるには3〜6か月
- 本格的に増えた実感が得られるのは約1年後
「何回通えば理想に近づけるのか」を、事前にしっかり確認しておきましょう。
植毛ってバレる?自然に見せるコツもあります
「植毛したって、バレたら恥ずかしいな…」
そう思うのは、あなただけではありません。
でもご安心ください。自然な仕上がりにするための工夫はたくさんあります。
- 髪の生え方に合わせたデザイン
- 徐々に増えていくように見せる分割手術
- ダウンタイム中は帽子や前髪でカバー
経験豊富な医師であれば、「どうすれば周囲に気づかれにくいか」も一緒に考えてくれます。
費用のこと、ちゃんと聞いてますか?
「お金の話って、なんだかしにくい…」
そう感じる方も多いですが、これも大切なポイントです。
- 手術費用の総額はいくら?
- 麻酔代や薬代は別料金?
- カード払い・ローンは使える?
- 医療費控除の対象になる?
植毛は、基本的に保険がきかない自由診療です。
だからこそ、遠慮せずすべて聞いてOK。
先生がしっかり説明してくれるかどうかも、信頼のバロメーターになります。
手術って痛いの?正直に言います。
「手術って、やっぱり痛いんでしょうか…?」
この質問、実はとっても大切。
そして、ほとんどの患者さんが口に出せずに我慢してしまう部分でもあります。
でも安心してください。
- 手術中は局所麻酔で痛みゼロ
- 術後は痛み止めや冷却でケア
- 「痛みに弱い人」用の配慮も万全
痛みに敏感な人ほど、事前に正直に伝えることで、医師が最適な方法を考えてくれます。
怖がらず、遠慮せず、話してみてくださいね。
最後に:質問するあなたは、きちんと未来を考えている人です
「こんなこと聞いたら、先生に嫌な顔されるかな…」
そんな心配はいりません。
質問するあなたは、とても賢明です。
きちんと納得したうえで、手術を受ける。
それが、後悔のない人生を歩むための大切な姿勢です。
髪が変われば、人生が変わります。
その第一歩は、「分からないことを聞く勇気」から始まるのです。







