世界の植毛名医がドバイに集結!ライブ手術で学ぶ最先端の毛髪再生医療とは?

世界中で拡大する毛髪再生治療市場を象徴するガラス製の地球儀と、自然美を象徴する桜の背景。植毛手術や薄毛治療の国際的な関心と需要の高まりを表現したイメージ。

この記事の概要

「植毛って本当に効果あるの?」「どの病院を選べばいいの?」そんな疑問を持つ方へ——世界中の名医が集まり、実際の手術を見学できる夢のようなワークショップが、ドバイで開催されました。この記事では、最先端の技術と国際学会の取り組み、さらに植毛を検討中の方に向けた実践的なアドバイスまで、わかりやすくご紹介します。

世界のトップ植毛外科医が集結!ドバイで開催された「ISHRS世界ライブ手術ワークショップ」

ドバイの砂漠地帯を象徴する砂丘とラクダの風景。国際毛髪再生外科学会(ISHRS)がこの地で開催した世界ライブ手術ワークショップの舞台背景として、ドバイ・ヘルスケア・シティの先進医療と中東特有の文化的魅力のコントラストを象徴する装飾イメージ。

まるで医療のオリンピックのように、世界中の一流医師たちが一堂に会し、最先端の技術と知識を披露し合うイベントが、2018年3月、アラブ首長国連邦のドバイで華やかに開催されました。その名も「世界ライブ手術ワークショップ(World Live Surgery Workshop 2018)」。主催は、毛髪再生医療分野で世界をリードする学会——国際毛髪再生外科学会(ISHRS: International Society of Hair Restoration Surgery)です。

ISHRSは、脱毛症(hair loss)の治療と植毛手術に関する専門知識を共有するために設立された国際的な学会で、70カ国以上に1,100名を超える医師が所属しています。今回のワークショップでは、そのISHRSが世界中から選りすぐりの毛髪再生外科医を招き、3日間にわたって実際の手術を行いながら技術を公開・指導するという、まさに“ライブ”で学べる貴重な機会となりました。

自信を取り戻す、最適な植毛

開催地は医療と美容の最前線・ドバイ

ドバイの都市全景を空撮した写真。国際毛髪再生外科学会(ISHRS)の世界ライブ手術ワークショップが開催されたドバイ・ヘルスケア・シティの近未来的な医療施設群や、急速に発展する中東の国際都市としてのドバイの先進性を象徴するイメージ。

会場となったのは、ドバイ・ヘルスケア・シティ内にあるアメリカ美容外科学会病院(AACSH: American Academy of Cosmetic Surgery Hospital)。ここは美容外科、形成外科、皮膚科、植毛外科などの専門医が集結する世界的な美容医療施設で、医療の質だけでなく、ホテルのようなラグジュアリーな空間も提供することで知られています。

この病院には、世界中から医師が集まり、最新技術の学習・実践を行うための教育センターも併設されています。今回のような国際的な手術ワークショップを開催するには、まさに理想的な舞台だったと言えるでしょう。

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世界の一流外科医が一堂に集結

このイベントの最大の見どころは、なんと言ってもライブ手術の実演。3日間にわたり、1日あたり最大5つの手術が異なる手術室で同時進行され、参加者は自由に各手術室を見学しながら、最新の手技を間近で学ぶことができました。

講師として登壇したのは、35名以上の世界的な毛髪再生外科医。そのうち20名以上が海外からのゲストとして招かれ、それぞれが自らの得意とする技術を披露しました。手術は男性・女性両方の患者に対して行われ、眉毛やヒゲといった特殊部位への移植も含まれていました。

たとえば、FUE(Follicular Unit Excision:毛包単位切除法)という技術は、頭皮から毛根のまとまり(毛包単位)をひとつずつ丁寧に取り出し、必要な場所に移植する手法で、現在もっとも普及している最先端の方法のひとつです。髪の毛の密度を自然に再現しやすく、傷跡も目立ちにくいというメリットがあります。

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一方、FUT(Follicular Unit Transplantation:毛包単位移植法)、いわゆる「ストリップ法」では、後頭部の頭皮を帯状に切り取り、そこから毛包を取り出して移植するという伝統的な手法が用いられます。FUEよりも一度に多くの毛包を採取できるため、広範囲の移植に向いているという利点がありますが、切除部分に細い傷跡が残ることがあります。

これらの技術を支えるのが、インプランター(implanter)と呼ばれる専用器具です。毛包を皮膚に移植する際に使用され、極めて繊細な操作が求められます。使用する器具や施術方法は医師によってさまざまで、それぞれの流派やこだわりが見られるのも、こうしたライブ手術の面白さのひとつです。

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医師と患者の未来を守るための教育

今回のイベントを主導したのは、スイスを拠点とするコンラディン・フォン・アルベルティーニ医師(Dr. Conradin von Albertini, FISHRS)。彼は次のように語っています:

「安全で効果的な植毛手術を行うには、きちんとした訓練と資格を持った医師が必要です。ISHRSはそのための教育と認定制度を整え、世界中の医師をサポートしています。」

実際、近年では十分な技術や知識を持たない施術者によるトラブルが急増しており、患者がISHRSの認定医を探して助けを求めてくるケースも少なくありません。だからこそ、こうした教育イベントは、医師だけでなく患者にとっても大きな意味を持っているのです。

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世界規模で増加する植毛手術の需要

ISHRSが2017年に発表した調査によると、2014年から2016年にかけて世界中で実施された外科的植毛手術の件数は60%増加し、2016年にはなんと63万5,189件が報告されました。これは、脱毛症に悩む人々が年々増えているだけでなく、植毛手術そのものの信頼性と成功率が高まっている証でもあります。

しかし、需要の高まりと同時に、未認可の施設や非医療従事者による違法な施術も増加しているのが現状です。そのためISHRSでは、一般消費者向けの公式サイト(https://ishrs.org/consumer-alert)を通じて、医師を選ぶ際に確認すべき質問リストや注意点など、役立つ情報を積極的に提供しています。

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毛髪移植とは?──知っておきたい基礎知識

ここで改めて、毛髪移植手術(hair transplantation surgery)とは何かを簡単に説明しましょう。

毛髪移植とは、薄毛や脱毛症に悩む人の頭皮や顔などに、自身の健康な毛根(主に後頭部や側頭部から)を採取して移植する外科的手術のことです。主にFUEとFUTの2つの技術があり、それぞれに利点と注意点があります。

この手術は、美容目的だけでなく、怪我や病気による部分的な脱毛を補うためにも用いられる重要な医療技術です。しかし、体への負担や術後のケア、感染リスクなども伴うため、安易に判断するべきではありません。必ず、医療資格を持つ専門医とよく相談し、十分なカウンセリングと診断を受けてから決断することが大切です。

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初めての方へのアドバイス:後悔しないために知っておこう

植毛手術は、単なる美容施術ではなく、れっきとした外科手術です。そのため、準備段階での情報収集と医師との信頼関係が極めて重要です。以下に、これから植毛を検討する方へ向けた実践的なアドバイスを紹介します:

  1. 医師の資格と経歴を確認する:ISHRSなどの国際的学会に所属しているか、外科的トレーニングを受けているかどうかは信頼性のひとつの指標です。
  2. カウンセリングを重視する:症状や希望を丁寧に聞き取ってくれるか、デメリットも説明してくれるかを確認しましょう。
  3. 費用だけで判断しない:安さだけに惹かれて選んでしまうと、後で修正手術が必要になることもあります。
  4. 術後ケアの内容を確認する:移植後のケアが結果を大きく左右します。薬の処方や経過観察があるか確認しましょう。
  5. 複数のクリニックを比較する:ひとつの意見だけで決めず、複数の専門医に相談することで納得のいく選択ができます。
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正しい選択が、未来の自分を守る

今回のようなライブ手術ワークショップは、医師の技術を高めるだけでなく、世界中の患者が安全で効果的な治療を受けるための希望の光とも言えます。

もしあなたや身近な人が薄毛や脱毛症に悩んでいるなら、信頼できる医師と出会い、正しい知識をもとに選択することが、最も大切な第一歩です。

美しさと自信を取り戻すために——その道のりにおいて、ISHRSが果たす役割は、今後ますます重要になるでしょう。

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記事の監修者


監修医師

岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医

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