自毛植毛と人工毛植毛の違いを比較!メリット・デメリットを解説

薄毛を気にする男性

薄毛や脱毛に悩む方にとって、「植毛」という選択肢は非常に魅力的なものです。現在、植毛には「自毛植毛」と「人工毛植毛」の2種類が存在し、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。本記事では、それらの違いを明確にし、どちらがあなたにとって最適な選択となるかを専門的な視点から解説します。


目次

  1. 植毛とは何か?その基本的な考え方
  2. 自毛植毛とは?方法・特徴・費用
  3. 人工毛植毛とは?方法・特徴・費用
  4. 自毛植毛のメリット・デメリット
  5. 人工毛植毛のメリット・デメリット
  6. 植毛法の選び方:どちらがあなたに向いているか?
  7. 医学的エビデンスと研究紹介
  8. 体験談:実際に植毛を受けた人の声
  9. まとめ:後悔しないために知っておくべきこと

1. 植毛とは何か?その基本的な考え方

植毛とは、頭皮の薄毛部位に新たな毛髪を移植することで、見た目の改善と心理的な安心感を得ることを目的とした医療行為です。日本皮膚科学会が発表した男性型脱毛症(AGA)診療ガイドラインでも、植毛は有効な選択肢の一つとして評価されています。




2. 自毛植毛とは?方法・特徴・費用

自毛植毛は、後頭部や側頭部といった脱毛の影響を受けにくい部分から毛包を採取し、薄毛部分に移植する手術です。代表的な手法には「FUE法(毛包単位摘出法)」と「FUT法(帯状切除法)」があります。

特徴

  • 自分の毛髪を使用するため拒絶反応が起こらない
  • 定着率が高く、成功すれば生涯にわたり髪が成長する
  • 手術は局所麻酔下で行われ、1日で完了することが多い

費用相場

クリニックによって異なりますが、1,000株の移植で50万〜100万円程度が一般的です。




3. 人工毛植毛とは?方法・特徴・費用

人工毛植毛は、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維で作られた人工毛を、専用の器具を用いて頭皮に直接植え込む方法です。自毛が少ない方でも利用できるのが特徴です。

特徴

  • 施術直後から見た目が大きく改善される
  • 自毛が少ない人でも可能
  • 手術時間が短く、比較的安価

費用相場

1,000本で20万〜40万円程度。ただし、定期的なメンテナンス費用が必要です。




4. 自毛植毛のメリット・デメリット

メリット

  • 自然な見た目と質感が得られる
  • 拒絶反応やアレルギーのリスクが低い
  • 長期間にわたって維持が可能

デメリット

  • ドナー部の毛量が少ないと施術できない場合がある
  • 施術後のダウンタイム(腫れや赤みなど)が数日間ある
  • 高額な初期費用がかかる




5. 人工毛植毛のメリット・デメリット

メリット

  • 即効性があるため、すぐに見た目が改善される
  • 自毛が少なくても可能
  • 費用が比較的安価

デメリット

  • 拒絶反応や炎症のリスクが高い
  • 定着率が低く、抜けやすいため定期的な追加が必要
  • 日本皮膚科学会ガイドラインでは「勧められない治療」とされている
薄毛に悩む男性




6. 植毛法の選び方:どちらがあなたに向いているか?

比較項目自毛植毛人工毛植毛
自然な見た目
拒絶反応の有無なしあり
効果の持続性長期短期
メンテナンス少ない頻繁に必要
コスト高額初期は安価だが維持費あり

基本的には「自毛植毛」が第一選択とされますが、どうしても自毛が少ない方や即効性を求める方には人工毛植毛が検討されることもあります。




7. 医学的エビデンスと研究紹介

以下は、植毛に関する信頼性の高い医学的研究・ガイドラインです。

  • ※1:日本皮膚科学会 AGA診療ガイドライン(2017年版)
     https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
  • Hwang S, Kim JC, et al. “Follicular Unit Extraction (FUE) Versus Follicular Unit Transplantation (FUT): A Meta-analysis” Dermatol Surg. 2018.
     https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29664823/
  • Norwood OT. “Male pattern baldness: classification and incidence.” South Med J. 1975.
     https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1238218/




8. 体験談:実際に植毛を受けた人の声

「FUE法で自毛植毛を受けました。初期費用は高かったですが、1年後には髪がしっかりと生えそろい、毎朝鏡を見るのが楽しくなりました。」(40代男性)

「人工毛植毛を受けましたが、最初の見た目は良かったものの、半年で抜け始め、結局また施術が必要になりました。メンテナンスが大変でした…」(30代男性)

自分の髪を鏡で見る男性




9. まとめ:後悔しないために知っておくべきこと

自毛植毛と人工毛植毛は、同じ「植毛」という言葉の下に分類されながらも、根本的にアプローチやリスク、持続性が異なります。長期的な効果や安全性を考慮するならば、専門医の診断のもと、自毛植毛を第一に検討するのが現実的です。

薄毛治療は、単なる美容の問題ではなく、心理的な満足度や自己肯定感にも影響する大切な選択です。後悔のないよう、正しい情報をもとに選択してください。



10. よくある質問(Q&A)

Q1. 自毛植毛は本当に一生涯効果がありますか?

A. 自毛植毛移植される毛髪は、DHT(ジヒドロテストステロン)の影響を受けにくい後頭部や側頭部から採取されるため、定着すれば半永久的に成長を続けると言われています。ただし、移植後のケアや生活習慣の影響もあるため、医師の指導を守ることが重要です。


Q2. 人工毛植毛はなぜ日本皮膚科学会が推奨していないのですか?

A. 人工毛植毛は、異物を体内に埋め込む治療であるため、拒絶反応や慢性的な炎症、感染のリスクが伴います。日本皮膚科学会のAGA診療ガイドライン(2017年)では「行うべきではない(D評価)」とされており、安全性に課題があるとされています(※参照:日本皮膚科学会ガイドライン)。


Q3. 自毛植毛と人工毛植毛、痛みはどちらが少ないですか?

A. 痛みの感じ方には個人差がありますが、一般的には人工毛植毛の方が施術時間が短いため、痛みを感じる時間は少ないとされます。ただし、自毛植毛も局所麻酔を使用するため、施術中の痛みは最小限です。術後の腫れや違和感は自毛植毛の方が出やすいですが、数日で改善します。


Q4. 植毛後、シャンプーや洗髪はいつからできますか?

A. 自毛植毛の場合、通常は施術後2〜3日程度で優しく洗髪することが可能になります。ただし、ゴシゴシと頭皮をこするのは厳禁です。人工毛の場合も同様ですが、毛が抜けやすいため、より慎重なケアが求められます。どちらの場合も、術後の洗髪に関しては医師の指示に必ず従いましょう。


Q5. 自毛が少ない場合でも、自毛植毛は可能ですか?

A. ドナー部(後頭部・側頭部)の毛髪が極端に少ない場合は、自毛植毛が困難になることもあります。このようなケースでは、部分的な植毛、あるいは別の治療(育毛治療やかつらなど)が検討されることもあります。専門クリニックで頭皮診断を受けるのが第一歩です。


Q6. 人工毛植毛のメンテナンス頻度は?

A. 人工毛は生着率が低いため、平均して月に数百本単位で脱落することがあります。そのため、半年〜1年ごとに追加施術が必要になるケースが多く、長期的には高額になる可能性もあります。


Q7. 植毛に保険は適用されますか?

A. 自毛植毛・人工毛植毛ともに、美容目的の自由診療に該当するため、日本国内では健康保険の適用外です。全額自己負担となりますので、費用面をしっかり確認してから治療を受けることが大切です。



記事の監修者


監修医師

岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医

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