この記事の概要
「最新の薄毛治療〇〇法!」といった広告、目にしたことはありませんか?でもその名前、実は施術内容を正確には示していないことをご存じでしょうか?本記事では、毛髪移植に使われるさまざまな「サービス名(サービスマーク)」の裏側をわかりやすく解説し、納得のいく治療選びのために必要な情報をお届けします。
ヘアリストレーションとサービス名の実態
ヘアリストレーション(hair restoration、毛髪再生)について調べたことのある方なら、ヘアリプレースメント(hair replacement)やヘアトランスプラント(hair transplant、毛髪移植)といった外科的手法が、さまざまな「サービス名(service mark)」として販売されていることに気づいたかもしれません。新聞、雑誌、インターネットなどで目にするヘアリストレーション関連の広告には、実に多くの登録商標が使用されています。

では、これらのサービス名の背後には、どのような施術が行われているのでしょうか?ここでは、混乱を避けるために、ヘアリストレーションに関するサービス名の基本的な仕組みと注意すべきポイントについて、専門用語の解説を交えてわかりやすくご紹介します。
サービス名は施術内容を直接示すものではない
「サービスマーク(service mark)」とは、特定の企業や個人が提供するサービスを識別するための商標(トレードマーク)に類似した知的財産権です。例えば、あるクリニックが独自の毛髪移植術に「○○法」という名前をつけて宣伝していたとしても、それが施術内容そのものを正確に示しているとは限りません。

法律上、サービスマークは「示唆的(suggestive)」である必要があり、施術の具体的な内容を説明してはいけないという原則があります。つまり、名称からある程度のイメージはできても、それだけで施術の詳細を理解することはできないのです。
登録商標を持つのは企業だけとは限らない
ヘアリストレーションに関するサービスマークは、専門クリニックや個人開業医などが所有している場合があります。これらのマークは、その施術法や提供サービスに独自のブランド性を与える役割を果たしますが、それ自体が施術の安全性や効果を保証するものではありません。
ISHRS(国際毛髪外科学会)の推奨:名称に惑わされず本質を理解する
ISHRS(International Society of Hair Restoration Surgery)は、世界中のヘアリストレーション専門医で構成される国際的な学会です。この学会では、患者の混乱を避けるために、会員医師に対して登録商標で施術名を表すことを控えるよう推奨しています。それは、サービス名が真の医療行為や手法を曖昧にしてしまうリスクがあるからです。

施術を検討する際は、「名称」にとらわれず、その中身を自分で調べることが不可欠です。必要に応じてセカンドオピニオン(second opinion)を求めるのも、判断を誤らないために有効です。
信頼できる施術者かを見極めるポイント
毛髪再生手術は、医学的知識と技術が求められる外科的処置です。したがって、実際に施術を行う医師やスタッフの専門的なトレーニング歴や認定資格(credentials)について、事前にしっかり確認する必要があります。
たとえば、ISHRSの認定を受けている医師であれば、一定の技術基準を満たしている可能性が高いと考えられます。
自分にとってベストな治療法とは?

まずは、自身の脱毛の原因を明確に理解することが最初のステップです。遺伝的要因、ストレス、ホルモン異常、生活習慣など、原因はさまざまです。これらをふまえた上で、以下のような情報を収集しましょう:
- 外科的アプローチ(手術)と非外科的アプローチ(育毛治療や内服薬)の違い
- 各施術の副作用や合併症の可能性
- 治療にかかる費用の目安と、価格以外に考慮すべき要素
特に費用面では、「安いから選ぶ」というのはリスクを伴います。毛髪再生は見た目の印象を大きく左右する施術であり、価格だけで判断すべきではありません。
サービスマークの目的と限界

サービスマークは、あくまでそのサービスを提供する企業・クリニックの知的財産を守るものです。そして、それによって他の類似サービスと区別しやすくするというメリットがあります。しかし、だからといって、そのマーク付きサービスが他より優れているとは限らないのです。
つまり、「ブランド名=優れた治療」ではないということを、ぜひ覚えておいてください。
最終的な判断は、正確な情報を得たうえで

毛髪再生は、時間的にも経済的にも投資を要する医療行為です。だからこそ、「名称」や「広告」に惑わされず、中身をしっかり理解したうえで決断することが重要です。
信頼できる情報源としては、ISHRSのような中立的な専門機関の公式ウェブサイトがあります。情報を精査し、必要に応じて医師に相談しながら、自分にとって最良の選択をしていきましょう。








