植毛の効果とリスクを徹底解説!後悔しないために知っておきたいこと

髪の毛を見る中年男性

薄毛や脱毛に悩む多くの方々にとって、植毛は有力な解決策の一つとして注目されています。しかし、施術を検討する前に、その効果とリスクを十分に理解することが重要です。本コラムでは、植毛の基本的な仕組みから最新の技術、そして潜在的なリスクまでを包括的に解説します。

植毛とは?

植毛とは、薄毛や脱毛が進行した部位に新たな毛髪を移植する外科的な手法です。大きく分けて「自毛植毛」と「人工毛植毛」の2種類があります。

自毛植毛

自毛植毛は、患者自身の後頭部や側頭部など、比較的毛髪が豊富で脱毛の影響を受けにくい部位から毛包を採取し、薄毛部分に移植する方法です。自身の毛髪を使用するため、拒絶反応や異物反応のリスクが極めて低く、適切な施術が行われれば重篤な合併症の可能性は限りなく小さいと言えます。 citeturn0search8

人工毛植毛

人工毛植毛は、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維で作られた人工毛を頭皮に植え込む方法です。施術後、頭皮が炎症・化膿する可能性があり、1年後には人工毛の6~8割が抜けてしまうとされています。 citeturn0search6



植毛の効果

自毛植毛の効果

  1. 自然な仕上がり:自身の毛髪を使用するため、色や質感が自然で、周囲に気づかれにくい。
  2. 長期的な効果:一度定着した毛髪は、通常のヘアサイクルに従って生え変わり続け、半永久的な効果が期待できる。
  3. メンテナンスの不要:特別なケアやメンテナンスが不要で、通常のシャンプーやスタイリングが可能。

人工毛植毛の効果

人工毛植毛は、施術直後から見た目の変化を得られる点がメリットとされています。しかし、前述の通り、長期的な維持が難しく、頭皮トラブルのリスクも高いため、現在では推奨されていません。

髪を見る若者



植毛のリスクとデメリット

自毛植毛のリスク

  1. 術後の痛みや腫れ:手術後、ドナー部位や移植部位に痛みや腫れが生じることがあります。
  2. 感染症のリスク:手術部位が感染するリスクがあり、適切な術後ケアが必要です。
  3. 傷跡の残存:ドナー部位に傷跡が残る可能性がありますが、近年の技術進歩により目立ちにくくなっています。
  4. 生着率の個人差移植した毛髪がすべて定着するわけではなく、個人差があります。

人工毛植毛のリスク

  1. 頭皮の炎症や感染:人工毛が異物と認識され、頭皮が炎症や感染を起こすリスクが高い。
  2. 脱落の可能性植毛した人工毛は成長しないため、時間の経過とともに脱落しやすい。
  3. メンテナンスの必要性:脱落した人工毛を補うため、定期的なメンテナンスが必要となる。



最新の植毛技術

植毛技術は日々進化しており、患者の負担を軽減し、より自然な仕上がりを追求する方法が開発されています。

FUE法(Follicular Unit Extraction)

毛包単位で直接採取して移植する方法です。ドナー部位に目立つ傷跡が残りにくく、自然な仕上がりが期待できます。ただし、採取に時間がかかる場合があります。 

DHI法(Direct Hair Implantation)

特殊なインプランターペンを用いて直接毛包を移植する方法です。毛包の向きや角度を精密に調整可能で、高精度な施術が可能です。一方で、高コストであり、技術者の熟練度が重要となります。

ロボット植毛(ARTAS)

AI技術を活用した自動化システムで毛包を採取する方法です。正確な採取が可能で、ドナー部位の最適化が期待できます。しかし、初期投資が高額であり、技術が新しいため長期的な効果に関するデータが少ないとされています。 citeturn0search2



薄毛に悩んでいる男性

植毛を検討する際のポイント

植毛は一度施術するとやり直しが難しいため、事前にしっかりとした下調べと準備が必要です。以下のポイントを確認しておくことで、満足のいく結果につながりやすくなります。

① 医師の経験や実績を確認する

植毛は高度な技術を必要とする手術であるため、担当する医師の経験や実績が非常に重要です。

  • 過去の症例数
  • 成功率
  • 患者からの評価
  • 実際の仕上がり写真

これらを事前に確認することで、信頼できるクリニックを見つけることができます。

② カウンセリングでしっかり相談する

植毛の成功には、事前のカウンセリングが欠かせません。

  • どの部位にどの程度の植毛が必要か
  • 希望のデザインや自然な生え方
  • リスクやダウンタイムに関する説明

納得のいくまでカウンセリングを行い、医師とイメージを共有することが大切です。

③ 費用を明確に確認する

植毛には健康保険が適用されないため、費用は全額自己負担になります。

  • 施術費用
  • 術後のアフターケア費用
  • トラブルが発生した際の追加費用

これらを事前に明確に確認しておくことで、予算オーバーや不明瞭な請求を避けることができます。




植毛の費用相場

自毛植毛の費用は、採取方法やクリニックによって異なります。目安としては以下の通りです。

植毛費用(目安)特徴
FUE法50万~200万円自然な仕上がり、傷跡が残りにくい
DHI法70万~250万円精密な移植が可能、仕上がりが自然
ロボット植毛100万~300万円AIを活用、施術精度が高い

人工毛植毛の場合は、50万円~100万円程度が相場ですが、維持やメンテナンスに追加費用がかかるケースがあります。


植毛のアフターケア

① 術後の注意事項

植毛後、毛髪が定着するまでの間は特に注意が必要です。

  • 術後1週間は強い運動や飲酒を避ける
  • シャンプーは優しく行い、移植部位を刺激しない
  • 直射日光を避け、帽子や日傘で保護

② かさぶたや抜け毛は自然な反応

術後1〜2週間ほどでかさぶたができたり、移植毛が一時的に抜け落ちたりします。これは「ショックロス」と呼ばれる自然な反応で、ほとんどの場合、3〜6ヶ月後には新たな毛髪が生えてきます。

③ 定期的な診察とケア

術後3〜6ヶ月程度で毛髪がしっかり生え始めます。この時期には、

  • ミノキシジル(外用薬)
  • フィナステリド(内服薬)
  • PRP(多血小板血漿)療法

これらを併用することで、毛髪の成長を促進し、維持効果を高めることが可能です。


植毛に関する最新の研究とエビデンス

植毛に関する研究や統計データも蓄積されており、効果やリスクが科学的に証明されています。

  1. FUE法の成功率
    ある研究では、FUE法の成功率は90%以上であることが報告されています。
    ➡️ 参考文献: International Society of Hair Restoration Surgery (ISHRS)
  2. DHI法の満足度
    DHI法を受けた患者の満足度は平均85%以上とされており、特に自然な生え際の再現性が評価されています。
    ➡️ 参考文献: Hair Transplant Network
  3. ロボット植毛の成功率
    ロボット植毛(ARTAS)の成功率は90%以上で、ドナー部位の損傷が最小限に抑えられることが確認されています。
    ➡️ 参考文献: ARTAS Robotic Hair Transplant

植毛が向いている人・向いていない人

✅ 植毛が向いている人

  • AGA(男性型脱毛症)が進行している
  • ミノキシジルやフィナステリドの効果が薄い
  • 頭皮に十分なドナー毛髪がある
  • 自然な生え際を再現したい

❌ 植毛が向いていない人

  • びまん性脱毛症(全体的に髪が薄くなるタイプ)
  • 頭皮に強い炎症や疾患がある
  • 十分なドナー毛髪が確保できない
  • 高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある

後悔しないためのポイント

  1. 信頼できるクリニックを選ぶ
  2. カウンセリングで不安を解消する
  3. 費用やアフターケアを確認する
  4. 自毛植毛を基本に考える(人工毛はリスクが高いため)

まとめ

植毛は、薄毛や脱毛の悩みを解消し、自信を取り戻す手段として有効な治療法です。ただし、適切な方法を選び、信頼できるクリニックで受けることが成功のカギとなります。
特に自毛植毛は長期的な効果が期待でき、定着後の維持も自然です。リスクやダウンタイムをしっかり理解した上で、後悔のない植毛治療を目指しましょう。

参考文献一覧

  1. International Society of Hair Restoration Surgery (ISHRS)
    ➡️ https://www.ishrs.org
  2. Hair Transplant Network
    ➡️ https://www.hairtransplantnetwork.com
  3. ARTAS Robotic Hair Transplant
    ➡️ https://www.artashair.com
  4. Kato AGA クリニック公式サイト
    ➡️ https://kato-aga-clinic.com/aga-lab/hair-implant
  5. 新宿AGAクリニック公式サイト
    ➡️ https://shinwa-shinjuku.jp/drcolumn/27

Hiro Clinic 植毛専門ページ
➡️ https://www.hiro-clinic.or.jp/hair-transplantation/latest-hair-transplant-technologies-evolved-methods-and-differences

記事の監修者


監修医師

岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医

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