女性の薄毛「女性型AGA」とは?──その正体と治療法をやさしく解説

毛包再生による発毛治療の効果を実感するように、あごのラインをなぞる女性。ゆるやかにカールした長い髪が肩にかかり、健康的な髪の美しさと再生医療による薄毛対策の可能性を表現しているイメージ。

この記事の概要

「最近、髪のボリュームが減ってきた気がする…」そんな悩みを抱える女性が増えています。その原因のひとつが、女性にも起こる脱毛症「女性型AGA(エージーエー)」です。この記事では、女性型AGAの特徴や原因、そして最新の治療法までを、専門知識がない方にもわかりやすく解説します。

鏡の前でふと気づく、「あれ?なんだか最近、髪のボリュームが減った気がする…」そんな不安を感じたことはありませんか?
実は、女性にも進行性の脱毛症があるのをご存じでしょうか?しかも、それは年齢や生活習慣だけが原因ではなく、体内のホルモンや遺伝的な要素とも深く関係しているのです。

今回は、女性に多い薄毛の原因「女性型AGA(エージーエー)」について、医学的な視点からわかりやすく解説しつつ、その治療法やセルフケアの選択肢まで、じっくり丁寧にご紹介します。

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AGA(エージーエー)ってなに?──ホルモンと遺伝が関係する脱毛症

術後の痛みに対する不安から頭を抱える女性|植毛手術は本当に痛いのかをテーマにしたコラム内のイメージカット

まず、「AGA」とは何の略でしょうか?

AGAは英語で「Androgenetic Alopecia(アンドロジェネティック・アロペシア)」と呼ばれ、日本語では「男性型脱毛症」という意味になります。ただし、「男性型」とはいっても、女性にも起こることがある脱毛症であり、医学的には「女性型AGA」と呼ばれています。

この病気は、体内の男性ホルモン(アンドロゲン)と遺伝的な体質が影響して、毛髪が徐々に細くなり、最終的には抜け落ちてしまうという特徴を持っています。

AGAは加齢とともに増える症状ではありますが、20代や30代の若い女性でも発症することがあり、決して年配女性だけの問題ではありません。

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女性のAGAは、男性とどう違うの?

AGAというと、髪がM字型に後退していく「典型的な男性のはげ方」を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、女性のAGAはその見た目や進行パターンが大きく異なるのです。

● 女性のAGAの特徴

  • 生え際がはっきり後退することは少ない
  • 頭頂部(つむじのあたり)から1〜2cm後ろの地帯が薄くなるのが最初の兆候
  • その後、生え際に近い部分まで全体的に髪の密度が減っていく
  • 左右の側頭部(耳の上のあたり)も薄くなることが多い
  • 男性のように完全に禿げ上がることは少なく、全体的に髪が細く薄くなるのが特徴

つまり、「地肌が透けて見えるようになるけど、生え際は残っている」というのが女性型AGAの典型です。

特に厄介なのは、髪の毛1本1本が細くなっていくため、「抜け毛の量が増えた」とは感じにくい点です。気づいたときにはかなりボリュームダウンしていた…というケースも珍しくありません。

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なぜAGAになるの?──女性ホルモンのバランスと遺伝の影響

女性のAGAはなぜ起こるのでしょうか?

最も大きな要因は、ホルモンバランスの変化です。特に、女性ホルモン(エストロゲン)と男性ホルモン(アンドロゲン)のバランスが崩れると、毛髪に悪影響を及ぼします。

エストロゲンは、髪を成長させる毛周期(ヘアサイクル)を正常に保つ働きがあります。しかし、加齢やストレス、産後、更年期などをきっかけに、女性ホルモンが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強くなるのです。

また、遺伝的な体質も重要な要素です。家族にAGAの人がいる場合、遺伝的に髪が薄くなりやすい体質を受け継いでいる可能性があります。

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医学的な治療法は?──外用薬、内服薬、レーザー治療など

では、実際にAGAが進行してしまった場合、どのような治療法があるのでしょうか?ここからは、医学的に認められている治療法をわかりやすく解説します。

1. ミノキシジル外用薬(Minoxidil)

ミノキシジルとは、血管を拡張して頭皮の血流を促進し、毛包に栄養を届けやすくする薬です。毛包とは、髪の根っこを包んでいる皮膚の組織のことで、髪の成長に欠かせない存在です。

このミノキシジルを頭皮に直接塗ることで、髪の成長期を延ばし、毛を太く・長く育てる効果が期待されます。女性には、2%濃度のものが推奨されており、1日2回の継続使用が基本です。

効果が現れるまでには数ヶ月かかるため、最低でも4〜6ヶ月の使用継続が必要です。

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2. フィナステリド(Finasteride)内服薬

フィナステリドは、男性型脱毛症の内服薬としてよく知られていますが、女性でも一部の患者に限って使用されることがあります。これは「オフラベル使用(=本来の適応外での使用)」と呼ばれるもので、閉経後の女性など、妊娠の心配がない人に限られて処方されるケースがあります。

フィナステリドは、男性ホルモンの一種「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑制することで、脱毛を防ぐ働きがあります。

ただし、妊娠中の女性が服用すると胎児に悪影響を与える可能性があるため、一般の女性には原則として推奨されていません。

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3. 低出力レーザー治療(Low-Level Laser Therapy:LLLT)

これは、可視光レベルの弱いレーザーを頭皮に照射することで、毛根の細胞を活性化し、髪の成長を促す治療法です。

医療機関だけでなく、家庭用のレーザー機器(ヘルメット型やブラシ型)も普及しており、副作用が少なく、気軽に続けやすい方法として人気があります。

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手軽に見た目を改善する工夫も

治療と並行して、「今すぐに髪を増やしたように見せたい」という人には、カモフラージュ製品の活用もおすすめです。

たとえば、ケラチン(髪と同じ成分)でできた微細なパウダーを頭皮にふりかける「ヘアファイバー」は、地肌の透けを隠し、ふんわりとしたボリューム感を演出することができます。シャンプーで簡単に落とせるので、外出時などに重宝します。

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外科的な治療法──女性にも効果がある植毛手術

医学的な治療だけではカバーしきれない場合、外科的治療、つまり植毛手術という選択肢もあります。

植毛とは、後頭部など脱毛の影響を受けにくい部位から、自分自身の健康な毛包を採取し、それを薄くなった部位に移植する手術です。これを「自毛植毛(じもうしょくもう)」と呼びます。

男性向けのイメージが強いですが、条件が整っていれば女性でも非常に有効な治療法です。

術後のダウンタイム(回復期間)は短く、腫れやかゆみが一時的に出る程度で、日常生活への影響は少なめです。ただし、植毛の成功率や仕上がりの自然さは、医師の技術力や患者の頭皮状態に大きく左右されるため、信頼できる専門医に相談することが重要です。

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薄毛治療は「一時的な対処」ではなく「長期的なケア」がカギ

ここで大切なのは、AGAは進行性の症状であるということです。
つまり、「一度治療して終わり」ではなく、再発を防ぐための維持療法や定期的なケアが必要不可欠です。

特に植毛を受けた場合も、残っている自分の髪が将来また薄くなる可能性があるため、ミノキシジルの継続使用や、必要に応じた内服薬・レーザー療法の併用が推奨されます。

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まとめ:女性型AGAは適切に向き合えば改善できる

女性の薄毛は、決して恥ずかしいものではありません。
ホルモンや遺伝が原因であることが多く、自分ではコントロールできない側面もあるからです。

ですが、早めに気づいて正しい対策をとれば、進行を抑えたり、髪の状態を改善したりすることは十分に可能です。

  • 鏡の前で「最近、髪がペタッとしてきたな…」と感じたら要注意
  • 医学的治療(ミノキシジル・内服薬・レーザー)が有効
  • カモフラージュ製品や植毛手術も選択肢に
  • 継続的なケアこそが成功のカギ

薄毛の悩みは一人で抱え込まず、専門クリニックや皮膚科で気軽に相談することが、第一歩です。

ご希望であれば、治療の費用感や選び方についても詳しくご案内できます。お気軽にお声がけください。

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記事の監修者


監修医師

岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医

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