薄毛診察ってこわくない?初めての脱毛外来で受ける検査と髪の未来の守り方

薄毛や抜け毛の診察に対応する医師と看護師が笑顔で立つ、安心感のある専門クリニックのイメージ写真

この記事の概要

抜け毛が気になりはじめたけれど、病院に行くのはちょっと不安…。そんなあなたへ。「どんな診察を受けるの?」「検査って痛くないの?」といった素朴な疑問に、専門クリニックの診療内容をわかりやすくご紹介します。初めてでも安心して受診できるよう、診察の流れから検査方法、髪の未来を守るコツまで、やさしく丁寧に解説します。

はじめての薄毛診察って、どんなことをするの?~脱毛診断と毛髪分析の世界へようこそ~

薄毛や抜け毛の相談に応じる女性医師が、笑顔で問診を行うクリニックの診察室イメージ

「最近、シャンプーのたびに抜け毛が気になる…」「あれ?前髪が前より薄くなってない?」そんなふうに思い始めたら、それはもしかすると、毛髪からの“静かなサイン”かもしれません。

でもご安心を。現代の医療は、毛髪の状態を的確に見極める技術をしっかりと備えています。この記事では、初めて薄毛治療のために専門クリニックを訪れたとき、どんな診察や検査が行われるのかを、まるで一緒に診察室にいるかのような気持ちでご紹介していきます。

「髪の毛って、そんなふうに調べるの?」と驚くかもしれません。でも、読めば読むほど、「知っておいてよかった!」と思えるはずです。

自信を取り戻す、最適な植毛

髪の悩みの第一歩は「原因を知ること」から

リラックスした姿勢で椅子に座りながら上を指さす男性。穏やかな表情の中に前向きな意志を感じさせ、若年性薄毛(AGA)に悩みながらもポジティブな視点で将来の選択肢を模索する男性像を象徴している。

髪が抜ける原因は、人によって本当にさまざま。単に年齢のせい?それともホルモン?はたまたストレス?——そんな疑問を解決するには、まず医師があなたの頭皮(scalp)と毛髪(hair)の状態をじっくり観察して、どんな種類の脱毛なのかを判断することから始まります。

特に多いのが、「男性型脱毛症(androgenetic alopecia、略してAGA)」や「女性型脱毛症(female pattern hair loss)」と呼ばれるタイプ。これらは、遺伝とホルモンの影響によって毛が徐々に細く、短くなり、最終的には生えにくくなる進行性の脱毛症です。

実はアメリカでは、約8,000万人の男女がこのタイプの薄毛に悩んでいるとされています。これらは診断が比較的簡単で、治療方法も豊富。ですから、もしあなたがこのタイプであれば、治療の第一歩はスムーズに進むことでしょう。

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でも、もし違う原因だったら?――隠れた病気を見つけるための検査たち

もし診察の結果、「AGAとはちょっと違うようだぞ…」と医師が判断した場合、さらに詳しい検査を行うことになります。これは、「毛が抜ける」という症状の裏に、甲状腺の異常、栄養失調、貧血、薬の副作用、ストレスなど、別の病気が隠れている可能性があるからです。

そうした見逃せないリスクをチェックするために、専門医は実に多彩な診断法を使いこなします。ここからは、そんな検査たちを一つずつ、わかりやすくご紹介しましょう。

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毛をやさしく引っ張ってチェック?「ヘアプル検査(Hair Pull Test)」ってなに?

まず登場するのが、ちょっとユニークな「ヘアプル検査(Hair Pull Test)」。これは、文字どおり髪の毛を優しく引っ張るだけで、抜け毛の状態をチェックするシンプルな方法です。

やり方はこうです。頭皮の一部から25~50本ほどの毛を選び、軽く指でつまんでそっと引っ張ります。通常なら1~3本くらいしか抜けません。でも、もし10本以上抜けるような場合は、毛の成長サイクルに何らかの異常があると判断されます。

さらに、抜けた毛を顕微鏡で詳しく観察することで、毛根の形や、毛の質、病原菌の有無なども調べることができます。

この検査はとても簡単なのに、意外と多くの情報がわかる優秀な方法なんですよ。

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観察のプロ版:フォトトリコグラムとヘアウィンドウ検査

より専門的に毛の成長スピードを見たい場合、次のような検査が行われることもあります。

フォトトリコグラム(Phototrichogram)

これは、頭皮の一部の毛をカットして、3~5日間、毎日写真を撮影するという観察方法。時間を追って毛がどのくらい伸びるか、どれくらい密集しているかを観察します。

いわば、毛の「成長記録ムービー」をつくるようなものですね。

ヘアウィンドウ(Hair Window)

こちらもカットした後に観察を続ける検査ですが、観察期間は最大30日間とやや長め。その分、より細かい変化まで確認することができます。

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なぜ毛の「成長サイクル」はそんなに大事なの?

髪の毛は、「成長期(anagen)→退行期(catagen)→休止期(telogen)」という3段階のサイクルを繰り返しています。

でも、栄養不足やホルモンの乱れ、ストレスなどが原因で、このサイクルが乱れると、髪は成長する前に抜けてしまうことがあります。つまり、「作られたはずの髪が、育たないうちに消えてしまう」というわけです。

このような異常は、あらゆる年齢層に起こりうるため、特に女性や若年層でも油断は禁物です。

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頭皮の一部を採取?「頭皮生検(Scalp Biopsy)」とは

ちょっと構えてしまう名前かもしれませんが、「頭皮生検(scalp biopsy)」は、毛の根本をもっと詳しく調べたいときに行われる検査です。

局所麻酔をして頭皮から数ミリほどの皮膚を採取し、その中の毛包や皮脂腺、炎症の有無などを顕微鏡で分析します。

特に、「円形脱毛症」や「瘢痕性脱毛症」など、自己免疫や皮膚病が疑われる場合に行われます。すべての人に必要なわけではなく、あくまで専門医が必要と判断したときに実施されます。

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毛そのものの構造異常?「毛幹評価(Hair Shaft Evaluation)」

ときには、「そもそも毛自体の質がおかしいのでは?」と医師が考えることもあります。そんなときは、抜けた毛を顕微鏡でじっくり観察して、毛の構造や状態を評価します。

たとえば——

  • 先天的に髪がねじれている
  • 毛がすぐに切れてしまう
  • 毛先が枝毛のようになっている
  • 真菌(カビ)や細菌の感染がある

など、さまざまな毛幹の異常が確認されることがあります。

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「毛髪分析(Hair Analysis)」はあくまで補助的

テレビやネットなどで、「毛を調べれば体の中の状態がわかる!」という宣伝を見たことがあるかもしれません。でも、それは誤解です。

医師の世界では、「毛髪分析(hair analysis)」はあくまで毛の構造異常を調べるための検査であり、栄養状態や病気の診断には基本的に使いません。

ただし、例外的に以下のようなケースでは使われることもあります:

  • 遺伝性の毛タンパク異常が疑われるとき
  • 薬物摂取や重金属汚染を確認したいとき

ですから、「毛を調べるだけで健康診断ができる」といった広告には、注意が必要です。

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最も多い薄毛タイプは「男性型・女性型脱毛症」

繰り返しになりますが、多くの方が悩む薄毛の原因は、比較的診断しやすく、治療もしやすい「男性型・女性型脱毛症」です。

これらは、医師が頭皮を見たり問診したりするだけで診断できることが多く、投薬や育毛治療、さらには最新の自毛植毛など、多様な選択肢があります。

そのため、むやみに高額な検査や治療を受ける前に、まずは信頼できる専門医の診察を受けることが大切です。

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あなたの髪に、もう一度“はじまり”を

髪の毛は、あなたの人生の印象を大きく左右する大切なパートナー。薄毛に悩んだとき、すぐに諦めてしまうのはもったいないことです。

まずは原因を正しく知ること。そして、その原因に合った正しい治療を選ぶこと。それが「未来の自分を救う第一歩」になるのです。

世界中には、毛髪治療の専門家がたくさんいます。もし信頼できる医師を探しているなら、米国毛髪外科学会(ISHRS)の「ヘアドクター検索」などを活用してみるのも良いでしょう。

あなたの髪の未来は、ここからきっと変わります。

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脱毛かも?と思ったときにできる5つの実践アドバイス

さて、ここまで読んでくださったあなたは、もしかすると「自分も何かの脱毛症なのでは…?」と少し不安になってきたかもしれません。でも大丈夫。大切なのは、「気づいた今この瞬間」から、できることを少しずつ始めてみることです。

ここでは、脱毛が気になる方、もしくはすでに「薄くなってきたかも…」と感じている方のために、今からすぐに実践できるアドバイスを5つご紹介します。専門用語は使わず、日常に寄り添った内容にしています。

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① シャンプー中やドライヤー後の“抜け毛観察”を習慣にしよう

まずは「気づくこと」がすべての出発点。シャンプーのとき、排水口に溜まった毛の量は毎回チェックしていますか?ドライヤー後、床に落ちている髪の本数を見ていますか?

1日に抜ける髪の本数は、平均50〜100本前後が正常とされています。少しくらい多くても、季節や体調による一時的な変動ということもあります。

でも、「明らかに増えてきた」「毛が細くなってきた」「頭皮が透けて見える」など、変化が続く場合は、記録をつけるだけでも立派な自己観察になります。できればスマホのカレンダーやメモアプリを使って、日々の“毛の様子”を残しておくのもおすすめです。

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② ドラッグストアの育毛剤を買う前に、「自分の脱毛タイプ」を知ろう

市販の育毛剤やサプリメントを使うのは簡単ですが、自分の脱毛タイプを知らずに使っても効果が出にくいことがあります。

たとえば、男性型脱毛症(AGA)にはフィナステリド(Finasteride)などのホルモン作用のある治療薬が必要になることもありますし、女性の場合はホルモンバランスや甲状腺機能の異常など、育毛剤だけではどうにもならない原因が隠れていることもあります。

ですから、自己判断で「これはきっとストレス性の抜け毛だな」などと決めつけず、一度は専門のクリニックで診断を受けてみることを強くおすすめします。

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③ 頭皮マッサージや生活習慣の見直しも効果的

「え、そんなことでいいの?」と思うかもしれませんが、頭皮マッサージや十分な睡眠、バランスのよい食事などは、髪にとって確かな“土台作り”になります。

具体的には:

  • 夜は23時までに寝る(成長ホルモンが髪の成長をサポート)
  • タンパク質と鉄分を意識して摂る(髪はほとんどがケラチン=タンパク質でできています)
  • スマホを見ながらうつむき姿勢を続けない(血行不良を防ぐ)

こういった小さな積み重ねが、髪を育てる大きな環境改善につながっていきます。

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④ 鏡の前で「自分の髪に話しかける」ような気持ちで向き合ってみよう

これはちょっと変わったアドバイスかもしれません。でも、意外に大事なのが、「自分の髪に目を向け、肯定的に接すること」。

髪の毛が少し減ってきたからといって、自分自身を責めたり、鏡を見るのが嫌になったりしていませんか?でも、そんなときこそ大切なのは、「まだ髪がある今」の状態にやさしく気づいてあげること。

鏡の前で「今日もよく頑張ってるね」と声をかけるような気持ちで、自分の髪と丁寧に向き合う習慣は、心のケアにもなり、ストレス性の抜け毛予防にもつながるんです。

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⑤ 「恥ずかしくない」脱毛外来を選ぼう。医師に会うのは勇気じゃない

薄毛の悩みを誰かに相談するのは、最初はとても勇気がいることですよね。でも、最近では美容皮膚科や毛髪専門のクリニックが増え、男女問わず通いやすい環境が整ってきています。

「個室完備」「女性医師在籍」「オンライン診療あり」など、自分に合ったクリニックを探すこともできます。特に、日本国内でも信頼できる医師が登録されている国際的な医師団体(ISHRSなど)の検索システムを使えば、質の高い診療を受けることができます。

恥ずかしがらず、「髪のことで病院に行くなんて…」ではなく、「髪も健康の一部」だと考えて、気軽に一歩踏み出してみましょう。

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まとめ:髪は「失うもの」ではなく「守るもの」。あなたの一歩が未来を変える

髪の毛は、ただの見た目の一部ではありません。私たちの自信や人生の質、毎日の気分にまで影響する、大切な存在です。

脱毛に気づいたとき、「もう手遅れかも…」と諦めるのではなく、「ここからがスタートなんだ」と思えたなら、それだけで大きな前進です。

髪の悩みは、ひとりで抱え込まず、信頼できる医師と一緒に解決していく時代。あなたの髪と心にやさしい未来が訪れるように、今日からできる小さなアクションを始めてみませんか?

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記事の監修者


監修医師

岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医

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