この記事の概要
鏡の前で「最近、髪が細くなってきたかも?」と感じたことはありませんか?実はそれ、髪からの小さなSOSかもしれません。 本記事では、若い女性が見逃しやすい「薄毛の3つの兆候」と、その背景にある意外な原因をわかりやすく解説します。 今のうちに気づいて対策すれば、髪も心ももっと前向きに。あなたの髪の声に耳を傾けてみませんか?
髪があなたに語りかけている?若い女性が見逃してはいけない3つのサイン

あなたは、髪にまつわるちょっとした「違和感」に気づいたことはありませんか?
たとえば、朝の洗面所で「最近、髪が細くなってきたかも」と思ったり、
鏡を見て「なんだかポニーテールが前よりも細くなったような……」と感じたり。
実はそれ、あなたの髪が「何か変だよ」と教えてくれているのかもしれません。
女性の髪は、ただの見た目の一部ではありません。
それは「自信」や「その人らしさ」を形づくる大切な存在です。
ふんわりとしたボリューム、ツヤのある毛先、それがあるだけで1日が少し明るくなる──
そんな経験、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。
でもその一方で、髪はとても繊細で、心や体のちょっとした変化にも敏感に反応します。
そして今、20代・30代の若い女性の間でも、髪にまつわるトラブルが急増しているのです。
「若いから関係ない」なんて思っていませんか?

「薄毛っておじさんの話でしょ?」
「自分はまだ若いから大丈夫」
──そう思っている方ほど、実は要注意です。
カナダ・トロントの毛髪再生医師であり、国際毛髪外科学会(International Society of Hair Restoration Surgery:ISHRS)の元会長でもあるポール・コッテリル医師(Dr. Paul C. Cotterill)は言います。
「実は、薄毛や髪の変化の兆候は“若い女性”にも静かに現れ始めています。
しかも、そのサインはとても小さくて見落としやすいんです。」
それでは、どんなサインに注意すればいいのでしょうか?
ここでは、若い女性が特に見逃しやすい「髪からの3つの警告」をご紹介します。
サイン①:抜け毛の量がいつもより多い
まず最初に注目すべきは「抜け毛の本数」です。
実は、私たちの髪は、何もしていなくても1日に100〜150本ほど自然に抜け落ちるものなんです。
これは「ヘアサイクル(毛周期)」といって、髪が生まれて成長し、そして抜けていく一連のサイクルの一部。
たとえば「春に桜が咲き、やがて散ってまた芽吹くように」、髪も一定の周期で生え変わっているのです。
でも、もしこの抜け毛の量が200本以上になっていたら要注意。
体に強いストレスがかかっていたり、急激なダイエットをしていたり、ホルモンバランスが乱れていたりすると、自然なサイクルが狂い、抜け毛が一気に増えることがあります。
シャワーの排水口に髪がたくさん溜まっていたり、枕にいつもより多く髪が落ちていたり……。
そんな小さな変化に、まずは気づくことが大切です。
サイン②:髪のボリュームが減ってきた気がする
「最近、ポニーテールが細くなってきた気がする」
「髪をかき上げると地肌が透けて見える」
──そんな感覚があるなら、それは毛の密度や本数が減っているサインかもしれません。
髪が抜けるだけでなく、新しく生えてくる髪が細く弱くなっている可能性もあります。
この状態をそのまま放っておくと、全体のボリューム感が失われ、見た目の印象にも大きく影響します。
特に女性の場合は、「びまん性脱毛症(diffuse hair loss)」といって、特定の部分だけでなく、髪全体がじわじわと薄くなるタイプの脱毛が多いとされています。
だからこそ、「目立たないうちに」気づくことが大切なんですね。
サイン③:髪質が変わってきた?
髪のボリュームだけでなく、「髪そのものの質感」にも変化が現れることがあります。
たとえば──
・以前よりも髪が細くなったり柔らかくなったり
・髪の伸びるスピードが遅くなった
・枝毛や切れ毛が増えてきた
こうした変化は、髪を生み出す「毛包(もうほう:hair follicle)」という器官が弱ってきているサイン。
毛包は、皮膚の下にある小さな工場のようなもので、ここから髪が育っていきます。
でもこの工場が栄養不足だったり、ホルモンの影響を受けたりすると、出てくる製品(=髪)が細くなったり、もろくなったりするのです。
何が原因?若い女性に多い“意外な犯人たち”
では、なぜこんな髪のトラブルが起きるのでしょうか?
実は、「えっ、それが原因だったの?」という意外な落とし穴がたくさんあるのです。
・過度なダイエットや激しい運動
短期間での減量や無理な糖質制限は、髪に必要な栄養素(たとえば鉄分やタンパク質)が不足する大きな原因です。
髪は「後回しにされやすい臓器」なので、栄養が足りないと真っ先に影響を受けるのです。
・慢性的なストレス
心配ごと、不安、緊張──そうした心のストレスも、髪にとっては大敵です。
自律神経やホルモンバランスが乱れ、ヘアサイクルが停止してしまうこともあります。
・鉄分不足(貧血)
特に月経のある女性では、鉄分不足が目立ちます。
鉄分は毛包が元気に働くための燃料のようなもの。足りないと元気な髪が育ちません。
・ホルモンの影響
女性でも、男性ホルモン(アンドロゲン)が過剰になると、脱毛が進むことがあります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの病気が隠れている場合もあるため、注意が必要です。
・遺伝的要因
「お母さんやおばあちゃんも髪が細かった」
そんな家族歴がある場合は、遺伝的に髪が薄くなるリスクも高まります。
もし異変に気づいたら、どうすればいい?
「抜け毛が増えたかも」
「髪が細くなったような……」
そんなときは、自己流でケアする前に、専門医に相談することをおすすめします。
毛髪を専門とする医師(毛髪再生外科医)は、
・生活習慣やストレス状況のヒアリング
・頭皮の状態チェック(マイクロスコープなど)
・血液検査による栄養・ホルモンバランスの確認
などを行い、本当に必要な治療を導き出してくれます。
誤ったシャンプー選びや、流行りのサプリだけでは解決しないことも多いため、専門的な判断が大切です。
世界中で増える「女性の薄毛治療」ニーズ
実はこの数年、薄毛の悩みを抱える女性の受診数は世界的に増えています。
国際毛髪外科学会(ISHRS)の調査によれば、
外科的な自毛植毛を受けた女性の割合は、2012年の13.7%から2014年には15.3%へ。
非外科的治療(育毛剤や内服薬、PRPなど)を選ぶ女性は、同期間で33.2%から40.1%へ増加しています。
つまり、「薄毛=男性の悩み」というイメージは、すでに過去のもの。
女性にとっても、「髪のトラブルは“治せる時代”になっている」のです。
もっと知りたい人は動画もチェック!
ISHRSでは、髪の悩みに関する教育用の動画も公開しています。
- 「Why Do Women Lose Their Hair?(なぜ女性は髪を失うのか?)」
- 「Why Do Guys Lose Their Hair?(なぜ男性は髪を失うのか?)」
動画では、性別による原因の違いや、治療の考え方がわかりやすく紹介されていて、髪のトラブルを客観的に理解するきっかけになります。
髪はあなたの“体の声”かもしれない
髪は、あなたの見た目だけでなく、心や体の状態を知らせてくれる“バロメーター”です。
その小さなサインに気づき、しっかり向き合うことで、
髪も心も、そして人生も、少しずつ明るく変えていけるかもしれません。
あなたの髪が、今日もそっと何かを伝えているかもしれませんよ。







