この記事の概要
髪が抜けるのは年齢のせい?それとも遺伝?——実は、男性ホルモンが深く関係していることをご存じですか?この記事では、「テストステロン」や「DHT」といったホルモンがどのように薄毛に影響するのかを、専門知識がなくても理解できるようにやさしく解説。中学生でもスラスラ読める、エンタメ感覚の読みやすい解説で、髪を守る第一歩を一緒に踏み出しましょう。
男性ホルモンと薄毛の関係をやさしく解説:テストステロン・DHT・DHT阻害薬ってなに?

「最近、おでこの生え際が気になる……」「髪が前より細くなったような気がする……」そんな悩みを抱えている方、実はとても多いのです。特に男性にとって、髪の毛の変化は見た目だけでなく、自信にも大きく関わってくるもの。
そんな“髪の毛の減少”に深く関わっているのが、男性ホルモンのひとつである「テストステロン(Testosterone)」、そしてそこから作られる「DHT(ジヒドロテストステロン:Dihydrotestosterone)」というホルモンです。
この記事では、「ホルモンってよくわからない……」「専門用語が難しくて頭がこんがらがる……」という方にも読みやすく、そして興味を持ってもらえるように、ストーリー仕立てで解説していきます。理系じゃなくても大丈夫。中学生でも「なるほど!」と思えるよう、じっくりやさしくご案内します。
そもそもテストステロンってなに?~男らしさをつくるホルモン~

まずは「テストステロン(Testosterone)」から紹介しましょう。これは、男性ホルモン(アンドロゲン:Androgen)の一種で、「男らしさを形づくるホルモン」と言われることもあります。
思春期にこのホルモンが急激に増えることで、体にさまざまな変化が起きます。
たとえば——
- ヒゲや体毛が生えてくる
- 声が低く、渋くなる
- 筋肉がつきやすくなる
- 性的な欲求が芽生える
などなど、まさに「大人の男性」へと成長していくために必要な変化ですね。
でも、ここからがポイント。このテストステロンは、大人になると体内で一部が「DHT(ジヒドロテストステロン)」という別のホルモンに変身するのです。そして、このDHTこそが、薄毛の“黒幕”として知られています。
DHT(ジヒドロテストステロン)とは?成長の助っ人から薄毛の犯人へ
DHTという名前を初めて聞いた方も多いかもしれません。DHT(ジヒドロテストステロン)は、テストステロンが5αリダクターゼ(5-alpha reductase)という酵素の力を借りて変換されてできるホルモンです。
このDHT、実は悪者ではありません。むしろ、胎児期や思春期にはとっても重要な存在なんです。
たとえば——
- 男性器(外性器)の発達
- 前立腺の成長
- 思春期の体毛の増加
など、男子の成長にはなくてはならないホルモン。
でも、思春期を過ぎて大人になったあと、DHTは急に厄介な存在に変わります。
なんとこのDHTが、毛根(毛包)に悪影響を与えてしまうんです。
DHTが髪の毛を攻撃する?薄毛が始まるメカニズム
ここからが本題。なぜDHTが薄毛を引き起こすのか——それは「毛包(Hair follicle)」の縮小が関係しています。
私たちの髪の毛は、頭皮の中にある「毛包(もうほう)」という袋のような組織から生えてきます。この毛包が元気だと、太くてしっかりした髪の毛がすくすく伸びてきます。
でも、DHTがこの毛包に作用すると、毛包が少しずつ小さく縮んでいくのです。この現象は「毛包のミニチュア化(Miniaturization)」と呼ばれています。
するとどうなるか?
- 髪の毛が細く、短くなる
- 成長のスピードが遅くなる
- 抜けやすくなる
最終的には、新しい髪の毛が生えてこなくなり、頭皮が露出してしまう=薄毛・ハゲという状態になってしまうのです。
しかもこの影響は、特に前頭部や頭頂部の毛包に集中します。だから、生え際がM字型に後退したり、つむじ周辺が薄くなったりするのですね。
DHTを減らせば薄毛を止められる?救世主「DHT阻害薬」の登場!
「そんなに悪さをするDHTなら、どうにかして減らせないの?」
そう思ったあなた、正解です。実は、DHTの働きをブロックするための薬が存在します。それが、「DHT阻害薬(DHT Blockers)」と呼ばれるお薬です。
このお薬は、DHTの原料となるテストステロンがDHTに変換されるのを邪魔してくれる、まさに髪の守護神とも言える存在!
どんな風に作用するかというと——
- 5αリダクターゼという酵素の働きを抑える
- 結果的に、テストステロンがDHTに変わるのを防ぐ
- 頭皮のDHT濃度が下がる
- 毛包への悪影響が減る
- 脱毛のスピードが緩やかになる
というステップを踏んで、髪の毛の寿命を延ばすことができるのです。
どんな種類があるの?DHT阻害薬のタイプを知ろう
DHT阻害薬には大きく分けて2種類あります。
① 医薬品タイプ(処方薬)
- フィナステリド(Finasteride):日本では「プロペシア」という商品名で有名。5αリダクターゼのうち「Ⅱ型」に特化して働きます。1日1錠(1mg)でOK。
- デュタステリド(Dutasteride):日本では「ザガーロ」として知られています。「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の両方の酵素をブロックできるため、より強力です。
これらは医師の処方が必要な薬で、効果が高い反面、副作用のリスクもあるため、使用には十分な説明と相談が必要です。
② 天然由来タイプ(ハーブ・サプリ)
- ノコギリヤシ(Saw Palmetto)エキス:アメリカで人気の天然ハーブ。軽度のDHT抑制作用が期待されています。
- カボチャ種子油(Pumpkin Seed Oil)エキス:抗アンドロゲン効果があるとされ、DHTの自然な減少をサポートします。
こうしたサプリ系は薬ほどの強い効果はありませんが、副作用が少なく、気軽に始められる点で人気です。
実際に効果はあるの?DHT阻害薬の成果と注意点
DHT阻害薬を飲み始めたからといって、すぐにフサフサになるわけではありません。効果が出るまでには、少なくとも3か月〜半年はかかるとされています。
でも、継続していくと——
- 抜け毛が明らかに減る
- 髪にコシやボリュームが戻る
- 「薄くなった気がする…」という感覚が改善される
といった変化を感じる人が増えてきます。
ただし、忘れてはいけないのは、DHT阻害薬は“延命措置”であって、永久的な解決策ではないということ。薬をやめてしまうと、DHTの影響が再び強まり、脱毛が再開することもあります。
さらに、ごくまれに以下のような副作用が報告されています:
- 性欲の低下
- 勃起障害
- 精子数の減少
心配な方は、必ず専門医と相談のうえ、納得して使用することが大切です。
薄毛と戦うには、知識が最大の武器になる!
薄毛というのは、とてもデリケートな悩みです。「誰にも相談できない…」「まだ年齢的に早すぎる気がする…」と抱え込んでしまう方も多いでしょう。
でも、髪の毛の変化は早期対処がカギ!
DHT阻害薬は、そんなあなたの強い味方になってくれる存在です。薬に頼るかどうかは人それぞれですが、少なくとも「なぜ髪が抜けるのか」「DHTとはなにか」を知っているだけでも、心の安心感はまったく違ってきます。
まとめ:髪を守る第一歩は、「知ること」から始まる
テストステロンとDHT、そしてそれが髪に与える影響。ちょっとややこしい話ですが、仕組みがわかれば、怖いものではありません。むしろ、知ることで対策が打てるという点で、非常に前向きな話です。
薄毛が気になり始めたら——
まずは「自分の体の中で何が起きているのか」を知ってみましょう。
そして、DHT阻害薬という選択肢があることも、ぜひ覚えておいてください。
あなたの髪の未来は、今日から変わるかもしれません。








