パートナーとの時間が減り、いつのまにか関係がすれ違う。セックスレスの悩みは、多くのご家庭で静かに抱えられています。その背景には、気持ちの問題だけでなく、男性の身体的な変化がかくれていることもあります。この記事では、泌尿器科の視点から、セックスレスと男性の性機能やホルモンの関わり、受診で相談できることをお伝えします。
- セックスレスの一般的な捉え方と、抱え込みやすい理由
- 背景にあるED・射精の悩み・男性更年期など身体的な要因
- 泌尿器科で相談・検査できることの具体的な内容
- パートナーとの向き合い方と、受診という選択肢
セックスレスとは(一般的な捉え方)
セックスレスとは、特別な事情がないのに性的な触れ合いが長く途絶えている状態を指すのが一般的です。医学的にきっちり線引きされた言葉ではありません。
目安として、月に一度程度の性交渉がない状態が続くケースを指して語られることが多いようです。ただし何が適切かは、ご夫婦やカップルによって大きく異なります。
大切なのは、回数そのものよりも、当事者が悩みや距離を感じているかどうか。数字だけで良し悪しを決められるものではありません。
悩みを打ち明けにくいまま、時間だけが過ぎてしまう。そうした声も少なくありません。だからこそ、まず相談できる場所を知っておくことが、心の負担を軽くします。
本記事では、どちらか一方に原因を求める立場はとりません。関係の問題は繊細で、離婚や不和といったテーマは専門外です。ここでは身体的な要因という角度から、泌尿器科ができることをお伝えします。
男性側に身体的要因があることも
セックスレスの背景には、男性の身体的な変化がかくれていることがあります。気持ちの問題と思われがちな悩みが、実は体のサインであるケースも見られます。
代表的な身体的要因を整理しました。いずれも泌尿器科で相談できるテーマです。
| 要因 | 主な内容 |
|---|---|
| ED(勃起の悩み) | 十分な勃起が得られない・維持しにくいことへの不安 |
| 射精に関する悩み | 早い・遅い・出にくいなど、射精のタイミングや感覚の変化 |
| 男性更年期(ホルモン低下) | 加齢に伴うテストステロン低下による性欲や意欲の変化 |
ED(勃起の悩み)
EDは、性交に十分な勃起が得られない、または維持しにくい状態を指します。加齢だけでなく、生活習慣病やストレスなど、さまざまな要因が関わるとされています。
一度うまくいかなかった経験が不安につながり、その不安がさらに勃起を妨げることもあります。心と体が影響し合うのが、この悩みの特徴です。ED治療の考え方は泌尿器科のED診療のページでも解説しています。
EDは、血流や神経、生活習慣など複数の要素が関わるとされています。年齢のせいと決めつけず、背景を確認することが対処の第一歩。放置せずに向き合う姿勢が、選択肢を広げます。
射精に関する悩み
射精が早い、あるいは思うように射精できない。こうした悩みも、性生活のすれ違いにつながることがあります。
早漏や遅漏は珍しいものではなく、体調や年齢、緊張の度合いによっても変わります。一人で抱え込みやすいテーマですが、相談できる悩みだと知っていただきたいところです。
男性更年期(テストステロン低下)
40代以降は、男性ホルモンであるテストステロンがゆるやかに低下しやすくなります。性欲の低下や意欲の減退として現れることがあります。
この状態は男性更年期障害(LOH症候群)と呼ばれ、泌尿器科で相談できます。詳しくは男性更年期障害の解説ページもご覧ください。加齢のせいと片づけず、背景を確認することが安心につながります。
心理・ストレスの要素も重なります
セックスレスの背景では、身体的な要因と心理的な要素が重なり合うことが少なくありません。どちらか片方だけとは限らないのが実情です。
仕事の疲れや睡眠不足、慢性的なストレスは、性欲や勃起にも影響すると考えられています。心身がすり減ると、性生活まで手が回らなくなるのは自然なことです。
また、一度の失敗が不安を生み、その不安がさらに体をこわばらせる悪循環もあります。プレッシャーが積み重なるほど、悩みは深まりやすくなります。
心理面が大きいと感じる場合でも、まず身体的な要因を確認しておくと、次の一歩を考えやすくなります。体の状態がはっきりすれば、気持ちの整理も進みやすいものです。
泌尿器科で相談・検査できること
泌尿器科では、男性の性機能に関わる悩みを、身体面から確認できます。ED・射精・ホルモンの状態を、まとめて相談できる窓口です。
主に相談・検査できる内容を整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問診 | 症状の経過・生活習慣・気になる点をていねいに確認 |
| 血液検査 | テストステロン値など、ホルモンの状態を調べる |
| 生活習慣の見直し | 睡眠・運動・飲酒などの改善点を一緒に整理 |
| 治療の相談 | 症状に応じて、薬物療法などの選択肢を検討 |
受診にあたって、特別な準備は要りません。いつからどんな変化があるかをメモしておくと、問診がスムーズです。服用中の薬や持病があれば、あわせて伝えてください。
秘匿性への配慮を大切にしている医療機関も増えています。人に知られたくないという不安がある方は、オンライン診療という方法もあります。ED治療薬について詳しく知りたい方はED治療の専門ページも参考になります。
言い出しにくい悩みも、まずはオンラインで相談できます
オンライン診療はこちら お電話: 06-6226-8631
パートナーとの向き合い方
身体面を確認することは、パートナーとの向き合い方を考えるうえでの一つの選択肢になります。原因を相手や自分に決めつけないことが、対話の土台です。
セックスレスは、どちらか一方が悪いという話ではありません。すれ違いの背景に体の変化があれば、責め合いではなく協力へと視点を移せます。
とはいえ、性の話題は言い出しにくいもの。無理に切り出そうとせず、まず自分の体調を確認するところから始めるのも一つの方法です。受診という具体的な行動が、会話のきっかけになることもあります。
関係そのものの悩みが深い場合は、カウンセリングなど別の専門家の力を借りる選択肢もあります。泌尿器科が担うのは、あくまで身体面のサポート。役割を分けて考えると、抱え込みが少し軽くなります。
すぐに答えが出なくても、焦る必要はありません。まず一歩を踏み出すことが、状況を動かします。体の状態を確かめる行動そのものが、パートナーへの誠実な姿勢として伝わることもあります。
当院には「相手が応じてくれず、どこに相談すればよいのか分からなかった」という声が寄せられます。「加齢のせいと思っていたが、体の状態を調べて気持ちの整理がついた」という感想を伺うこともあります。言い出しにくいテーマだからこそ、まず身体面を確認できたことで前向きになれたと話される方は少なくありません。反対に、抱え込んだまま関係が冷えてしまったと悔やむ声もあり、早めの相談を考える方が増えている印象です。
診療にあたる立場からは、セックスレスの相談は体からのサインであることも多く、どうか一人で抱え込まずに話してほしいと感じています。
よくある質問
Q1. セックスレスは何回以上ないと当てはまりますか?
明確な回数の基準はありません。月に一度程度の性交渉がない状態が目安として語られることはありますが、当事者が悩みを感じているかどうかが大切です。
Q2. 相手が応じてくれない場合、どうすればよいですか?
無理に迫る必要はありません。まずはご自身の体調を確認する方法もあります。背景に身体的な要因があれば、対話の糸口が見つかることもあります。
Q3. EDや射精の悩みは泌尿器科で相談できますか?
相談できます。泌尿器科は男性の性機能に関わる悩みを身体面から確認できる窓口です。ED・射精・ホルモンの状態をまとめて相談してください。
Q4. 恥ずかしくて受診に踏み出せません。
言い出しにくいと感じる方は少なくありません。秘匿性に配慮した診療やオンライン診療という方法もあります。自宅から相談できる場合もあるため、まず問い合わせてください。
Q5. 加齢だから仕方ないのでしょうか?
加齢は要因の一つですが、それだけで諦める必要はありません。男性更年期など背景を調べることで、対処の選択肢が見えることがあります。
Q6. パートナーと一緒に相談してもよいですか?
差し支えありません。おふたりで状況を共有すると、向き合い方を考えやすくなります。ご本人お一人での相談も、もちろん受け付けています。
まとめ
セックスレスの悩みは、気持ちの問題だけでなく、男性の身体的な変化が関わっていることもあります。ED・射精・ホルモンの状態は、泌尿器科で確認できるテーマです。
どちらか一方を責めるのではなく、まず体の状態を知る。その一歩が、パートナーとの向き合い方を考えるきっかけになります。一人で抱え込まず、気になることがあればお気軽にご相談ください。
身体面のことから、まず相談してみませんか
オンライン診療はこちら お電話: 06-6226-8631
畠中 聡(ヒロクリニックなんば心斎橋院 院長/日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医)
参考情報
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療を保証するものではありません。症状の程度や適切な治療は個人差があります。気になる症状がある場合は、必ず医療機関で医師の診察を受けてください。