Posted on 2025年 9月 1日

子宮がんは女性特有の病気の中でも発症率が高く、早期発見によって予後が大きく変わる疾患の一つです。婦人科検診では、定期的に子宮がん検査（子宮頸がん・子宮体がん）が行われ、将来の健康を守る大切な役割を担っています。しかし「検査は痛いのでは？」「どのように行われるのか分からない」と不安を抱く方も少なくありません。本記事では、婦人科検診における子宮がん検査の手順を、実際の流れに沿って詳しく解説します。さらに、検査の目的や受診の適切なタイミング、費用や注意点についても整理し、安心して検査を受けられるよう専門的な知識を提供します。

1. 子宮がん検査とは？その目的と重要性

子宮がん検査とは、子宮頸部や子宮体部に発生するがん、あるいはその前段階の異常細胞を早期に発見するための検査です。近年、がん治療の分野では「早期発見・早期治療」が生存率を大きく左右することが明らかになっており、特に子宮がんは検診によって防げる可能性が非常に高い疾患とされています。

子宮頸がんと子宮体がんの発症の仕組み

子宮頸がん
子宮の入り口部分である「子宮頸部」に発生するがんです。主な原因はヒトパピローマウイルス（HPV）感染であり、性交経験のある女性の80％以上が一度は感染すると言われています。ほとんどは自然に排除されますが、一部が持続感染すると細胞が異常化し、数年から十数年かけて前がん病変から子宮頸がんへと進行します。
- 発症年齢は20〜40代にも多く、妊娠や出産を控えた世代でも発生するため社会的影響が大きいのが特徴です。
- 初期段階では自覚症状がほとんどなく、進行すると不正出血や性交時の出血がみられるようになります。
子宮体がん
子宮の内側にある「子宮内膜」に発生するがんです。発症リスクは閉経後の女性に高く、近年は生活習慣病の増加に伴って患者数が増加しています。
- 肥満、糖尿病、高血圧、未経産婦、エストロゲン過多（排卵障害やホルモン補充療法の影響）などがリスク要因です。
- 主な症状は不正出血や閉経後の出血で、早期に気づかれることもあります。

子宮がん検査の目的

無症状の段階で異常を発見する
子宮がんの初期は症状が出にくいため、症状が現れたときにはすでに進行していることも少なくありません。検診により「異形成（前がん病変）」や初期がんを発見できれば、治療の選択肢が広がり、子宮や妊孕性（妊娠能力）を温存できる可能性も高くなります。
死亡率を下げる
厚生労働省の統計によると、日本では毎年約1万人以上の女性が子宮頸がんにかかり、約2,800人が命を落としています。しかし、子宮頸がん検診を定期的に受けている女性では、死亡率が大幅に低下することが明らかになっています。
将来の安心感を得る
異常がないことを確認できるだけでも大きな安心感につながり、心理的なストレスを軽減します。

子宮がん検査が推奨される理由

子宮頸がんは予防可能ながんといわれています。定期的な検診とHPVワクチンの接種で発症率を大きく下げられることが科学的に証明されています。
子宮体がんは生活習慣と関連が強いため、閉経後の女性やリスク因子を持つ方にとっては検査が重要です。

2. 婦人科検診における子宮がん検査の流れ

婦人科で行われる子宮がん検査は、比較的短時間で終了するものの、初めて受ける方にとっては「何をされるのか分からない」という不安が大きい検査の一つです。ここでは、受診から検査終了までの流れを具体的に紹介します。

(1) 受付・問診

来院後、まず受付で保険証を提示し、問診票に必要事項を記入します。問診票は医師が検査内容を判断するための重要な資料であり、以下のような項目が含まれます。

最終月経日：検査の正確性に関わるため、いつ月経が始まったかを正確に記入します。
月経周期や不正出血の有無：不正出血は子宮体がんやその他疾患のサインになることもあります。
性経験の有無：子宮頸がん検査は性経験のある方を対象とするため重要です。
妊娠・出産歴：頸部の状態やホルモンバランスに影響するため参考になります。
既往歴や内服薬：特にホルモン治療や免疫抑制剤を使用している場合はリスクに関わる情報です。

医師は問診票をもとに、追加で「出血のタイミング」「痛みの有無」「家族歴（母や姉妹に子宮がんの既往があるか）」なども確認します。

(2) 内診台での診察準備

診察は専用の内診台で行われます。内診台は足を開いた姿勢をとる構造になっており、医師が膣内や子宮頸部を観察しやすくするために設計されています。

初めて受診する方は緊張して体がこわばることがありますが、できるだけリラックスし、力を抜くことがポイントです。
看護師が横について声をかけたり、体勢を整えるサポートをしてくれることも多いため安心できます。
検査自体は数分で終わるため、心配以上にあっけなく終わると感じる方も少なくありません。

(3) 子宮頸がん検査（細胞診）

最も一般的に行われる検査が「子宮頸部細胞診」です。

医師が膣鏡（クスコ）という器具を挿入し、膣の壁を広げて子宮頸部を露出させます。
その後、小さなブラシや綿棒を使って子宮頸部の表面を軽くこすり、細胞を採取します。
採取した細胞はスライドガラスや保存液に入れ、病理検査に回されます。

痛みはほとんどなく、「ちょっと違和感がある」「こすられる感覚がある」程度で済む方が多いです。検査時間は1〜2分程度です。

(4) 子宮体がん検査（必要時）

子宮体がん検査は、全員に行うわけではなく、以下の場合に追加されることが多いです。

閉経後に出血があった場合
月経不順や大量出血が続く場合
超音波検査で子宮内膜が厚くなっていると指摘された場合

この検査では、細い管状の器具を子宮内に挿入し、子宮内膜の細胞を採取します。

一瞬「チクッ」とした痛みや、生理痛に似た下腹部の鈍痛を感じることがあります。
採取は数十秒程度で終わり、検査後は軽い出血が数日続く場合もあります。

(5) HPV検査（オプション）

近年注目されているのが、HPV（ヒトパピローマウイルス）検査です。

子宮頸がんの最大の原因がHPV感染であるため、感染の有無を調べることで将来のリスクを把握できます。
細胞診と同じタイミングで行えるため、追加で器具を入れる必要はなく、身体的負担はほとんどありません。
HPV検査を併用することで、がん検出率が向上し、異常を見逃すリスクを減らせると報告されています。

検査時間と全体の流れの目安

受付・問診：5〜10分
内診・細胞採取：5〜10分
全体所要時間：20分程度

検査後はすぐに日常生活に戻ることができ、長時間の安静は不要です。

3. 検査結果の通知とその解釈

婦人科で子宮がん検査を受けた後、採取した細胞は病理検査室に送られ、専門の細胞検査士や病理医によって顕微鏡で精査されます。通常、結果は数日から2週間程度で判明し、その後クリニックから電話や郵送、または再診の場で説明を受ける流れとなります。

結果の種類と意味

検査結果は大きく「正常」「異常あり（程度に応じて分類）」に分かれます。以下に代表的な分類を解説します。

① 正常（異常なし）

採取された細胞にがんや異形成の兆候が見られない状態。
この場合、特別な治療や追加検査は不要で、自治体や医療機関が推奨する間隔（2年に1回など）で定期的に検診を継続すれば十分です。
HPV検査も陰性であれば、さらに安心して経過を見守れます。

② 軽度異形成（前がん病変の可能性）

細胞の一部に異常があるが、自然に改善する可能性も高い状態です。
20〜30代の若年層に多く見られ、免疫力によってHPVが排除されると異常細胞も消失することがあります。
多くの場合は「経過観察」となり、半年〜1年ごとの再検査を行って進行の有無を確認します。

③ 中等度〜高度異形成・上皮内がんの疑い

細胞の異常がより強く、放置すると数年で子宮頸がんに進行するリスクが高い段階です。
この場合は精密検査が必要となり、以下の検査が実施されます。

精密検査の内容

コルポスコピー検査
- 特殊な拡大鏡を用いて子宮頸部を詳しく観察し、異常部分を直接確認します。
- 酢酸やヨウ素液を塗布して異常細胞を浮き上がらせる方法も行われます。
組織生検
- コルポスコピーで異常が疑われる部分を小さく切り取り、顕微鏡で組織を精査します。
- 痛みは軽度で、外来で実施可能。採取後は数日間軽い出血が続くことがあります。
円錐切除術（必要時）
- 高度異形成や上皮内がんと診断された場合、子宮頸部を円錐状に切除する手術が行われることがあります。
- 子宮を温存しつつ病変を取り除くことが可能で、妊娠希望の女性にも選択されます。

医師による説明と次のステップ

検査結果が出た後は、医師が患者に専門用語をかみ砕いて分かりやすく説明します。

「がんではなく、がんになる一歩手前の段階です」
「すぐに治療が必要な状態ではないため、定期的に経過を見ていきましょう」
「精密検査を行うことで、より確実に状態を確認できます」

このように、患者の不安を軽減しつつ、必要な検査や治療の選択肢を提示してくれるのが一般的です。

4. 検査を受ける適切なタイミング

子宮がん検査は「症状があるときだけ」受けるものではなく、無症状の段階から定期的に受けることが重要です。子宮頸がんも子宮体がんも、初期には自覚症状が乏しいため、検診を習慣化することが早期発見の最大の鍵となります。

① 初めて受けるタイミング

20歳以上の性経験がある女性は、子宮頸がん検診の受診が推奨されています。
理由は、子宮頸がんの主な原因であるHPVが性交を通じて感染することが多いためです。
若い世代でも異形成が見つかるケースは珍しくなく、「若いから安心」という考えは危険です。

② 定期的な受診の目安

子宮頸がん検査：原則 2年に1回。自治体によっては1年に1回の助成制度もあります。
子宮体がん検査：定期的に行うものではなく、以下のような症状や条件がある場合に実施されます。
- 閉経後の不正出血
- 月経異常（周期が極端に短い／長い、大量出血など）
- 超音波検査で子宮内膜の肥厚を指摘された場合
- 肥満やホルモン異常などリスク因子を持つ場合

③ 年齢別の注意点

20〜30代
- 性活動が活発な世代であり、HPV感染率も高いため定期的な頸がん検診が必須。
- 将来の妊娠を考える年代でもあるため、早期に異常を見つけることで子宮温存の可能性が高まります。
40代
- 子宮頸がん・子宮体がんの両方の発症リスクが徐々に上昇。
- この年代からは不正出血や月経異常に敏感になることが重要です。
閉経前後〜50代以降
- 子宮体がんのリスクが顕著に増加する年代。特に閉経後出血があった場合は早急な受診が必要です。
- 頸がん検査も引き続き定期的に行うことが望まれます。

④ 月経周期との関係

検査は月経中を避け、出血のない時期に受けることが推奨されます。
月経直後（終わって数日後〜10日目頃）が最も適しており、子宮頸部の状態が確認しやすく、検査精度も高まります。
出血があると正確な細胞採取ができず、検査結果が不明瞭になる可能性があるため注意が必要です。

⑤ 特別なケースでの検査時期

妊娠中：妊婦健診の一環として子宮頸がん検査を実施することがあります。妊娠中でも細胞診は安全に行えます。
出産後：産後検診のタイミングで実施できる場合もあります。ホルモン変化に伴い頸部の状態が変わるため、出産後も継続して検診を受けることが大切です。
ワクチン接種者：HPVワクチンを接種していても100％予防できるわけではないため、検診は必要です。

5. 子宮がん検査の費用と公的助成

子宮がん検査は多くの女性にとって定期的に受けたい検査ですが、気になるのが「費用」です。費用は検査内容や受診する医療機関、自治体の助成制度の有無によって異なります。ここでは、自費診療の場合と公的助成がある場合の違いを詳しく紹介します。

① 自費診療の場合の費用目安

子宮頸がん検査（細胞診）
一般的に 3,000〜7,000円程度。医療機関によっては初診料や再診料が別途必要です。
子宮体がん検査（内膜細胞診）
約 5,000〜10,000円程度。体がん検査は頸がん検査よりやや高額になる傾向があります。
HPV検査（オプション）
細胞診に加えて行う場合、5,000円前後が追加されます。特に40歳以上や不正出血がある方では推奨されることが多い検査です。
超音波検査（併用時）
子宮内膜や卵巣の状態を確認するために行われることもあり、2,000〜5,000円が目安です。

👉 つまり、子宮頸がん検査とHPV検査をセットで行うと 1万円前後 になることもあります。

② 保険診療が適用される場合

通常の「がん検診」は予防目的のため 健康保険の適用外（自費扱い） となりますが、以下のようなケースでは保険診療が適用される場合があります。

不正出血、性交時出血などの症状がある
子宮頸がんや体がんの既往歴がある
他の検査で異常を指摘され、精密検査が必要になった場合

この場合、保険証を使用できるため自己負担は3割（例：頸がん細胞診で1,500〜2,000円程度）に軽減されます。

③ 公的助成・自治体の制度

日本では多くの自治体が子宮頸がん検診を対象に公費助成を行っています。

20歳以上の女性を対象に、2年に1回程度の受診費用を補助。
一部自治体では無料クーポンが配布されることもあり、費用負担なしで受けられるケースもあります。
40歳以上の女性に対しては、乳がん検診と同時に子宮がん検診を勧める自治体も多いです。

※具体的な対象年齢や自己負担額は地域ごとに異なるため、市区町村の保健センターや役所での確認が必要です。

④ 費用を抑える工夫

自治体検診を活用：無料または1,000〜2,000円程度で受けられる場合が多く、最も経済的です。
会社の健康診断で追加：企業健診や人間ドックでオプションとして子宮がん検査を追加できることがあります。
医療保険・がん保険の特典：女性特有のがん検診費用を補助する特典が付いている場合もあるため確認がおすすめです。

⑤ HPVワクチンと検診の併用

HPVワクチンを接種していても子宮頸がんを100％予防できるわけではないため、検診は必要です。自治体によってはワクチン接種と検診をパッケージ化して助成している地域もあります。

6. 検査前後の注意点

子宮がん検査は比較的安全で負担の少ない検査ですが、正確な結果を得るためには検査前の準備が必要であり、また検査後の軽い体調変化に適切に対応することが大切です。以下に、検査前後で注意すべきポイントを整理します。

① 検査前の注意点

子宮頸がん・子宮体がん検査は、採取した細胞の状態によって診断が行われるため、正確な検査結果を得るための準備が必要です。

性交渉は24時間以内に避ける
性交後の精液や潤滑液が細胞に付着すると、結果が正しく判定できない場合があります。
膣内洗浄や膣錠の使用は控える
膣内を洗浄することで細胞が流れてしまったり、薬剤が検査結果に影響を及ぼす可能性があります。
月経期間を避ける
出血中は細胞が採取しにくく、結果が不明瞭になりやすいため、月経が終わった直後（数日後〜10日目頃）が最も適したタイミングです。
体調に不安がある場合は事前相談を
発熱や体調不良があると検査が難しい場合もあるため、予約変更を検討しても構いません。

② 検査後の注意点

検査後はほとんどの場合、日常生活に支障はありませんが、細胞を採取した部位から軽い出血が起こることがあります。

軽い出血や下腹部の違和感
生理の終わりかけのような少量の出血や、鈍い下腹部痛を感じることがありますが、多くは1〜2日で自然に治まります。
出血が長引く場合
出血が3日以上続いたり、大量出血がある場合は感染や粘膜損傷の可能性もあるため、早めの再受診が必要です。
体調の変化に注意
強い腹痛、発熱、悪臭を伴うおりものが出た場合は、検査による感染の可能性があるため、速やかに医師へ連絡してください。

③ 検査後の日常生活での注意点

検査後すぐに普段通りの生活が可能ですが、以下の点に気をつけると安心です。

入浴
当日は湯船につかるのを避け、シャワー程度にとどめるのが望ましいです。翌日以降は出血がなければ通常通り入浴できます。
運動・激しい動作
軽い運動や日常動作は問題ありませんが、検査当日はランニングや激しいトレーニングなどは避けた方が安心です。
性交渉
採取部位が軽く出血しやすいため、検査当日〜翌日までは控えるのが望ましいです。医師から特別な制限を受けた場合は指示に従ってください。

④ 安心して検査を受けるために

不安が強い場合は、検査後に起こり得る体の反応について事前に医師や看護師に確認しておくと安心です。
出血や痛みが長引いた場合は「よくあることだろう」と自己判断せず、必ず受診しましょう。

7. 子宮がん検査を受けることで得られる安心

子宮がんは女性にとって身近な疾患のひとつですが、検診によって「予防可能ながん」とも言われています。実際に、早期発見・早期治療によって治癒率は飛躍的に高まり、多くの場合で生活の質（QOL）を維持することができます。検査を受けることで得られる安心には、医学的な側面だけでなく、心理的・社会的なメリットも含まれています。

① 医学的メリット：早期発見の強み

治癒率が高い
子宮頸がんは、異形成（前がん病変）の段階で発見できれば、簡単な処置でがん化を防ぐことができます。上皮内がんの段階であれば、治癒率はほぼ100％に近いと報告されています。
治療の選択肢が広がる
初期段階で見つかれば、子宮を温存する治療法を選択できる可能性が高くなります。妊娠を希望する女性にとっても大きなメリットです。
合併症や再発リスクの軽減
進行がんの治療では手術や放射線、抗がん剤が必要になることがありますが、早期に見つかれば身体的負担が少なく済みます。

② 心理的メリット：「異常なし」の安心感

定期的に検査を受けて「異常なし」と確認できることは、日常生活において大きな安心材料となります。
「検診を受けている」という自己管理の意識が、健康への自信や生活習慣の改善につながるケースもあります。
異常が見つかった場合でも、「早期に見つかったから大丈夫」という前向きな受け止め方ができることが多いです。

③ ライフステージごとの意義

若い世代（20〜30代）
仕事や妊娠・出産を控えた大切な時期に、がんを早期に予防できることは人生設計に直結する安心です。
子育て世代（30〜40代）
家族を支える立場であるため、健康を守ることは家族の安心にもつながります。
閉経前後〜高齢世代（50代以降）
子宮体がんのリスクが高まる時期に検診を継続することは、老後の健康維持に不可欠です。

④ 社会的・家族的なメリット

家族の安心につながる
母や妻として健康を維持することは、家族全体の安心感にもつながります。
社会的役割の継続
仕事や地域活動など、社会的な活動を継続するためにも病気を早期に防ぐことが重要です。
経済的負担の軽減
進行がんの治療には高額な医療費や長期入院が伴いますが、早期発見での治療は費用も少なく済む傾向があります。

⑤ 「検査を受けて良かった」と思える瞬間

実際に検診を受けた方からは、以下のような声が多く聞かれます。

「不安だったけど、異常なしと言われて心が軽くなった」
「軽度異形成が見つかって不安だったけど、定期的に観察するだけで済んだ」
「早期発見できたおかげで、子宮を残せた」

まとめ

婦人科検診における子宮がん検査は、女性の健康を長期的に守るために欠かせない大切な予防医療です。
検査の流れは「受付・問診 → 内診台での診察 → 細胞採取 → 検査結果の通知」というシンプルなものですが、事前に流れを理解しておくことで不安を大きく軽減し、安心して受けられるようになります。

特に、従来の子宮頸がん細胞診に加えて HPV検査を併用することで診断の精度は大きく高まり、異常の早期発見につながります。万が一、異形成や前がん病変が見つかった場合でも、早期に対応できれば子宮を温存できる可能性が高く、将来の妊娠・出産の選択肢を守ることもできます。

また、定期的に検診を受けることは単に病気を見つけるだけでなく、「自分は健康である」という安心感を得られる点でも大きな意義があります。結果が「異常なし」であれば日常生活に自信を持つことができ、異常が見つかった場合も「早く見つけられたからこそ対処できる」と前向きに捉えられるのです。

行動への呼びかけ

20歳以上の性経験がある方は、必ず定期的な検診を
自治体の無料クーポンや助成制度を積極的に活用する
月経周期を意識して、出血のない時期に予約を入れる
不正出血など気になる症状があれば、予定外でも早めに受診する

最後に

「子宮がんは早期発見が命を救う」――これは医学的にも証明されている事実です。定期的な検診を怠らず、自分の体と向き合うことこそが、未来の健康と人生の質を守るための第一歩です。

👉 あなたの安心と健康のために、次回の子宮がん検診をカレンダーに書き込み、確実に受けることから始めましょう。

婦人科検診で実施される子宮がん検査の手順