妊娠初期、多くの女性が直面する体の変化のひとつが「つわり(悪阻)」です。人によっては「少しムカムカする程度」から「ほとんど食事も水も摂れないほど辛い」と感じるまで、その症状はさまざま。吐き気や嘔吐、食欲不振、倦怠感などにより、日常生活がつらく感じられることも少なくありません。さらに、症状が重くなれば「妊娠悪阻」という診断が下され、入院や点滴治療が必要になる場合もあります。
本記事では、つわりの原因やメカニズム、代表的な症状のタイプ別特徴、生活の中で取り入れられるセルフケアの工夫から、医療機関で行われる治療内容まで、幅広く解説しています。つわり治療の選択肢のひとつである「プレグボム」についても、専門的な視点から、妊婦さんにも理解しやすいよう丁寧に解説しています。体調に不安を抱える妊娠中の方や、そのご家族の皆さまに向けて、安心と選択肢を提供する一助となることを目指しています。
「つらいけれど、どうしたらいいのかわからない…」という方も、まずはこの記事で基本的な知識を身につけ、適切な対応に結びつけていただければ幸いです。
1. つわりとは何か?原因と発症時期
1-1. つわり(悪阻)の定義と有病率
つわりとは、妊娠初期に見られる吐き気・嘔吐・食欲不振・倦怠感などの症状を総称したもので、医学的には「妊娠悪阻(にんしんおそ)」の軽症から中等度の段階に位置づけられます。妊婦の約50〜80%が経験するとされ、その症状の強弱や持続期間には個人差があります。
1-2. 発症の時期と経過
つわりは通常、妊娠5〜6週ごろに始まり、8〜10週でピークに達し、12〜16週には軽快することが多いです。ただし妊娠後期まで続くケースもあり、長引く場合や重症化した場合には適切な医療的対応が求められます。
1-3. つわりの原因
つわりの明確な原因は不明ですが、以下のような因子が関係していると考えられています。
- ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の増加
- 胃腸機能の低下
- 自律神経の乱れ
- 妊娠に伴うホルモンバランスの変化
- 精神的ストレスや睡眠不足
これらが複合的に作用し、吐き気や嘔吐などの症状を引き起こすとされています。
2. つわりのタイプとリスク
つわりにはいくつかのタイプがあり、症状に応じた対応が必要です。
2-1. 代表的なつわりの種類
- 吐きつわり:食べてもすぐに吐いてしまう。水分も摂れない場合は注意が必要。
- 食べつわり:空腹になると気持ち悪くなる。少量を頻回に食べることで症状が緩和される。
- においつわり:匂いに敏感になり、調理中の臭いや香水で吐き気を催す。
- 眠りつわり:強い眠気やだるさが続くタイプ。休息を取ることが重要。
2-2. 妊娠悪阻(にんしんおそ)への移行リスク
重症化すると「妊娠悪阻」と診断され、医療的管理が必要になります。以下のような症状が現れた場合はすぐに受診しましょう。
- 体重が急激に減少する
- 水分が摂れず、尿の量が減る
- めまいやふらつき、脱水症状
- 生活に支障をきたすほどの吐き気や疲労
3. 日常でできるつわり対策
つわりは個人差が大きく、完全に防ぐことは難しいものの、日々の食生活や生活習慣を少し見直すことで、症状が軽減されるケースも少なくありません。妊婦さん自身が「自分に合う方法」を見つけることがとても大切です。ここでは、日常生活の中で無理なく取り入れられる実践的な対処法を、食事・環境・身体ケアの3つの視点からご紹介します。
3-1. 食事の工夫
少量をこまめに摂る
1日3食にこだわらず、空腹を避けるように心がけることがポイントです。空腹時の胃酸が刺激となり、吐き気が悪化することもあるため、クッキーやクラッカーなど軽食を持ち歩くのも有効です。
消化にやさしい食品を選ぶ
刺激の強いものや脂っこいものは避け、おかゆ、うどん、豆腐、蒸し野菜、バナナなど、胃腸に負担の少ない食材を中心に摂りましょう。体調の良い時間帯に、少しずつ栄養のあるものを補う工夫が求められます。
調理時のにおい対策
においに敏感になる「においつわり」には、電子レンジを活用した調理や、冷たい食事の導入もおすすめです。特に炊きたてのご飯や油のにおいが辛い場合は、家族の協力を得ることも検討しましょう。
ビタミンB6の摂取
ビタミンB6は、吐き気の軽減に関与するとされる栄養素です。バナナ、鶏ささみ、ナッツ、玄米、魚類などに多く含まれており、意識して取り入れてみてください。ビタミンサプリで補うのも一つの方法ですが、医師と相談しながら進めるのが安心です。
水分補給を忘れずに
脱水症状はつわりの悪化を招くため、こまめな水分補給が必要です。一度に大量に飲まず、氷を口に含む・経口補水液を活用するなどの工夫を取り入れましょう。

3-2. 生活環境の整備
空気を清潔に保つ
こまめな換気や空気清浄機の使用は、においへの敏感さを和らげるのに効果的です。洗剤や柔軟剤も無香料のものを選ぶと良いでしょう。
十分な睡眠と休息の確保
つわりの時期は、普段よりも体が疲れやすくなっています。長時間働きすぎないよう調整し、昼寝や横になる時間を確保することも大切です。
気分転換を取り入れる
アロマ(妊婦に安全とされるもの)やヒーリング音楽、軽いストレッチなど、気分が落ち着く習慣を日常に取り入れてください。ゆったりした服装も、締めつけを防ぐ意味で効果があります。
周囲の理解を得る
家族や職場への相談も忘れずに。「つわりは病気ではない」という風潮に悩む方もいますが、サポートを得ることで心身の負担を軽減できます。
3-3. ツボ刺激や体のケア
内関(ないかん)のツボ刺激
手首の内側、指3本分ほど肘寄りの位置にある「内関(ないかん)」は、吐き気や乗り物酔いにも効果があるとされるツボです。軽く押す、専用のリストバンドを使うなどの方法で、症状が軽減する人もいます。
リラクゼーション系のケア
鍼灸院での妊婦向け施術や、妊娠期に対応したマッサージなど、信頼できるプロのケアも有効です。自己流での強い刺激は避けましょう。
4. 医療機関での対応と治療薬
日常の工夫だけではどうしても改善が難しい、あるいは日常生活に支障をきたすレベルで症状が出ている場合には、医療機関での相談が必要です。「つわりで受診するのは大げさかも…」と遠慮せず、少しでも不安を感じたら、早めに医師へ相談しましょう。
4-1. 病院で処方される主な薬剤
制吐剤(吐き気止め)
妊婦にも使用実績のある制吐薬(例:プリンペランなど)は、強い吐き気がある場合に処方されることがあります。医師の判断のもと、安全性を確認しながら投与されます。
ビタミンB6製剤
ビタミンB6は、つわり軽減に対する効果が広く認められており、内服や注射、点滴で補うケースがあります。サプリメントでは不十分な場合に有効です。
漢方薬
体質に合わせて、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)などが用いられます。西洋薬が合わない方にも選ばれやすい治療手段の一つです。
点滴療法
吐き気で水分や栄養が摂れず、脱水や体重減少が著しい場合には、点滴による輸液療法が必要になります。ビタミンや電解質も補うことで、身体のバランスを整えます。
4-2. より専門的な治療薬の選択肢
つわりの治療といえば、これまではビタミン剤や制吐剤、漢方薬などが中心でしたが、近年は「つわり専用薬」として開発された医薬品が、海外を中心に広く使われるようになっています。これらは、妊婦さんのつわり症状に特化して設計されており、効果の確実性や安全性に関するデータが積み重ねられている点が大きな特徴です。
とくに米国などでは、つわり治療の第一選択肢として推奨されることもあり、妊婦と胎児の健康を総合的に考えた設計が高く評価されています。主な成分には、従来から使われてきたビタミンB6と、鎮静効果のある成分を組み合わせたものが多く、持続的かつ安定した効果が期待されています。
こうした薬剤は、症状が長引く方や、食事や点滴でも十分な改善が見られないケースにおいて、有効な選択肢となる場合があります。日本ではまだ選択肢が限られていますが、医師の判断のもとで導入を検討することができるようになってきました。
ヒロクリニックでも、こうした海外の治療実績をもとに開発された専用薬を導入しており、重度のつわりに悩む方へ新たな選択肢として提案しています。つわりの悩みが深刻な場合には、このような新しいアプローチを知っておくことも、ひとつの安心材料になるでしょう。
5. つわりがつらいときの新しい選択肢「プレグボム」
つわりが長引いて生活に支障が出てきた場合、「もう少しラクになれたら」と思うのは当然のことです。ヒロクリニックでは、そうした妊婦さんの声に応えるために、つわりの症状をやわらげるお薬「プレグボム(Pregvom)」をご用意しています。
5-1. プレグボムとは?
プレグボムは、つわりによる吐き気や嘔吐といった症状を軽減するために開発された薬剤で、海外ではすでに広く使われている実績があります。特に、妊娠初期のつわりに悩む方々に向けて、安全性にも配慮された設計になっているのが特徴です。
5-2. プレグボムのメリット
- 夜1回の服用でOK:就寝前に服用することで、朝のつらい吐き気にも対応しやすくなっています。
- 妊婦さんに配慮した処方:過去の臨床データに基づいた、安心感のある成分バランスです。
- オンラインで診療・処方が完結:ご自宅からスマートフォンなどで診療を受けることができ、最短で当日発送も可能。
「通院が難しい」「外出がつらい」という妊婦さんにも利用しやすいサービス体制が整っています。
5-3. 服用にあたっての注意点
プレグボムは医師の診察のうえで処方されるお薬です。そのため、自己判断での服用は避け、診療を通して安全性を確認した上での使用が推奨されます。副作用の有無や、他のお薬との兼ね合いも含めて、医師が丁寧に説明を行いますので、安心して相談していただけます。
つわりのつらさを一人で抱えず、こうした選択肢もあることを知っていただくことで、少しでも心と体が軽くなる手助けになればと考えています。
5-4. プレグボムの処方と料金について
ヒロクリニックでは、プレグボムはオンライン診療で処方可能です。体調が不安定で通院が難しい時期でも、スマートフォンやPCから受診でき、診察後は最短で当日発送にも対応。全国から安心してご相談いただけます。
服用は1日1回(就寝前)が基本で、症状に応じて最大1日2回まで調整可能です(医師判断)。
料金(すべて税込)
- 診察料:無料
- プレグボム錠
- 1錠:¥1,980
- 5錠:¥9,900
- 10錠:¥18,480(1錠あたり¥1,848)
- 30錠:¥54,780(1錠あたり¥1,826)
- 1錠:¥1,980
必要な期間や症状の強さ、服用回数の調整(1日2回まで)によって適切な錠数は異なります。診察では、妊娠週数・既往歴・併用薬・生活リズム(通勤、育児、夜勤など)を丁寧に確認し、必要最小限の用量で最大の効果をめざす処方設計を行います。外出がつらい方、急ぎでの導入を希望される方にもご利用いただきやすい体制です。
6. まとめ
つわりは、妊娠初期に起こる身体の自然な変化のひとつですが、そのつらさは決して「我慢するもの」ではありません。症状の現れ方は個人差が大きく、軽い吐き気程度の方もいれば、水分さえ摂れず日常生活が困難になる方もいます。体調の変化に戸惑い、精神的な不安や孤独を感じる方も少なくないでしょう。
つわりの原因には、妊娠に伴うホルモンの急激な変化や自律神経の乱れ、胃腸の機能低下など、複数の要因が関与しています。セルフケアや食事の工夫で症状が軽減することもありますが、場合によっては医療的な支援が必要になるケースもあります。特に重度の症状が続く場合は、妊娠悪阻として専門的な対応が求められます。
そうした中で、ヒロクリニックが提供する「プレグボム」は、妊婦さんの生活の質を守るための新しい選択肢となり得る治療法です。オンライン診療を通じて安全に処方され、通院の負担を減らしながら、つわりによる吐き気や嘔吐の軽減を目指します。
「つわりは誰にでもあるから」と我慢せず、信頼できる情報と専門医のサポートを受けながら、穏やかな妊娠生活を目指していきましょう。どんな小さな不安でも、それは放っておかずに向き合うべきサインです。あなたの体と心を守るために、正しい知識と選択肢を持つことが、何より大切です。







