みずぼうそう(水痘)

みずぼうそう(水痘)とは

直径4㎜程度の赤く少し盛り上がったようなかゆみの強い発疹が全身にできる病気です。
他の水疱と異なり、左右非対称にランダムに全身にくまなく発疹が広がるところが特徴です。とくにお腹と背中には必ず発疹ができます。一か所に集まるとか露出部分だけとかという特徴はありません。
この発疹は2日ぐらいすると小さな水ぶくれ(水疱)になり、その後かさぶた(痂疲)になります。
病原体は水痘・帯状疱疹ウイルスです。空気感染、接触感染でとても移りやすいです。一度感染すると水痘帯状疱疹ウイルスは神経節に潜伏感染し終生体内に残ります。二度目の感染は起こりません。
帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスの潜伏感染の再活性化で起こるもので、露出している帯状疱疹からは水痘にかかったことがないヒトに感染します。
予防接種の感染阻止率は80%程度ですので予防接種していても帯状疱疹の成人との接触には注意が必要です。

症状

  • 潜伏期間2~3週間程度
  • 感染経路飛沫、接触、空気感染
  • 経過頭皮からの赤い発疹が1~3日で水ぶくれになり、全身に拡大ピークを過ぎると1週間ほどでかさぶたになる。

発疹は全身に認められます。診断にはお腹と背中の発疹が重要になります。まれに口の中や陰部にもできます。
経過中、同時期に赤い発疹、水ぶくれ(水疱)、かさぶたが混在します。すべてかさぶたになる(痂皮化)と感染力がなくなると言われています。ごく少数、発疹にさきがけて発熱や倦怠感といった風邪症状が出ることもあります。
日本では小児水痘ワクチンが定期接種化されて以降、5歳未満の感染報告数が減少しましたが、定期予防接種をうけていない世代は流行を起こすので年長児は要注意です。
潜伏期間が10日~21日と長いので1人目の患児がでたら3週間程度は注意して皮膚を見ていくことが大事です。

治療

抗ウイルス薬やかゆみ止めの塗り薬、飲み薬が処方されます。抗ウイルス薬により症状の悪化がおさえられます。
予防は、予防接種(定期接種(無料)の1~3歳で2回)です。1回目で免疫ができ、時間を開けて2度目の接種をすることで確実性が増します。
また、妊娠中のお母さんは重症化しやすいので、妊娠中にお子様が発症した場合は相談にいらしてください。みずぼうそうにかかったことのないお母さまは自費ですが予防接種がオススメです。
全ての発疹がかさぶたになれば、登校、登園が可能になります。

ご家庭では

  • ひっかくとかさぶたがとれて長引くので、爪を短く切りそろえる
  • かゆみが強いときには患部を冷やすことが有効
  • 食べてはいけないものはありませんが、口の中に発疹ができたときには配慮します