ほくろ・いぼ除去は形成外科と皮膚科どちらがいい?違いを解説

この記事の概要
この記事は、ほくろやいぼの除去を検討する際に、皮膚科・形成外科・美容外科の違いや選び方を目的別にわかりやすく解説しています。皮膚科は診断や薬物治療が中心で、早期の対応や悪性の判断に向いています。一方、形成外科は見た目や傷跡への配慮を重視した外科的処置が得意で、美しい仕上がりを求める人に適しています。

1. 皮膚科と形成外科、それぞれの専門性と違い

まず、皮膚科と形成外科の違いを以下の表にまとめました。

項目皮膚科形成外科
主な治療目的疾患の診断と治療(医学的)美容面も考慮した外科的治療
得意分野良性・悪性の皮膚病変全般、薬物治療傷跡を目立たせない外科手術、縫合技術
治療方法の傾向液体窒素・レーザー・塗り薬などメスによる切除&きれいな縫合、再建技術
美容的配慮必要最低限の場合も美容面を重視した仕上がりに配慮
保険適用医学的に必要なら保険適用同様(美容目的のみは適用外)

皮膚科は皮膚疾患全般の治療が中心で、液体窒素やレーザーといった簡易的な治療が得意です。一方、形成外科は美容面や見た目への配慮に長けており、縫合技術や傷跡の目立たない手術に強みがあります。

身近な例でいうと、「小さいけれど盛り上がったほくろが顔にあるのが気になる…」という場合には、形成外科での切除が選ばれやすいです。一方、「手のひらにいぼができて痛い」「どんどん広がっている」といった場合には、皮膚科でのウイルス性いぼの治療が第一選択となるでしょう。

また、皮膚科は一般的に予約なしで気軽に受診しやすい傾向がありますが、形成外科は事前予約が必要な場合が多く、専門的な設備を備えている病院で行われることが多いです。

2. 目的別に見るおすすめ診療科の選び方

「とにかく早く取りたい!」「傷跡を残したくない…」「これって悪いもの?」など、人によって求めることはさまざま。以下の目的別に考えてみましょう。

傷跡を目立たせたくない →「形成外科」

  • 顔・首・手など、目立つ部位の除去は形成外科がおすすめ。
  • 形成外科は、保険診療の範囲内での美容的配慮にも対応してくれることが多いです。
  • 「職業柄、できるだけ跡を残したくない」という方には特に相性の良い選択です。

実際、芸能人や接客業の方が選ぶことが多いのも形成外科です。縫合技術に優れた医師のもとで施術を受けると、術後の仕上がりが格段に違います。

とにかく早く取りたい、悪性か不安 →「皮膚科」

  • 病変の性質(良性・悪性)の判断が最優先で、診断や検査に強みがあります。
  • 液体窒素やレーザーによる迅速な治療が可能です。
  • 皮膚科から形成外科へ紹介されるケースもよくあります。

特に、急に大きくなった、色が変わってきたなどの異常がある場合は、まず皮膚科でチェックを受けましょう。ダーモスコピーという拡大鏡を使って、がんの可能性があるかどうかを判断してもらえます。

3. ほくろ・いぼの種類別の最適な治療先

いぼ(ウイルス性)

いぼはウイルス感染(主にヒトパピローマウイルス)によって発症するため、液体窒素による凍結療法が基本です。これは皮膚科が得意とする領域で、継続的な通院が必要な場合もあります。痛みを感じることもありますが、冷却するだけなので麻酔不要なことがほとんどです。

また、子どもにできるいぼ(尋常性疣贅)は学校やプールなどで感染することが多く、家族内感染もあるため、早期治療が望ましいです。

盛り上がった大きなほくろ・できもの

「いつの間にか大きくなってきた」「見た目が気になる」という場合には、切除して検査することが推奨されます。形成外科での丁寧な縫合により、術後の見た目を美しく仕上げることが可能です。

また、形成外科では局所麻酔を使用しての日帰り手術が一般的で、抜糸のタイミングも明確に決められています。術後ケアや傷跡のケア方法も細かく指導してもらえるのが特徴です。

良性か悪性かわからない皮膚病変

「なんだか変な色をしている」「大きさや形が左右非対称」などの気になる特徴がある場合は、まず皮膚科でダーモスコピー(拡大鏡)検査や**組織検査(生検)**を受けましょう。必要に応じて、形成外科や皮膚腫瘍専門医への紹介がされます。

4. 保険適用と自由診療のポイント

医学的必要性があるかが判断基準

保険診療の対象になるかどうかは、医師の診断により「医学的必要性がある」と判断された場合です。

  • 悪性が疑われる場合 → 保険適用
  • 出血・かゆみ・引っかかりなど日常生活に支障がある → 保険適用
  • 美容目的(見た目が気になるだけ) → 自由診療

自由診療を選ぶ場合の注意点

自由診療は保険が使えない分、クリニックによって料金やアフターケアが大きく異なります

  • レーザー治療:約5,000〜30,000円
  • メスによる切除:約10,000〜50,000円

クリニック選びの際は、症例写真を見せてもらったり、医師の経験年数や口コミなども参考にすると安心です。初回カウンセリングが無料のところもあるので、気軽に相談してみましょう。

5. 美容目的なら「美容皮膚科」や「美容外科」も検討

見た目を重視する完全な美容目的での除去は、一般の皮膚科・形成外科ではなく「美容皮膚科」「美容外科」で行われることが多いです。

これらの施設は自由診療のみの対応ですが、最新のレーザー機器や美肌治療との併用など、美容に特化したサービスが受けられる点がメリットです。

「結婚式前にきれいにしたい」「写真撮影の予定がある」といったシーンでは、美容面に特化したクリニックの活用も視野に入れるとよいでしょう。

また、美容外科では形成外科出身の医師が在籍していることもあり、技術面でも安心感があります。費用が高めな分、希望に合わせたオーダーメイド治療が受けられる点も魅力です。

6. 迷ったときの選び方まとめ

最後に、どの診療科に行けばいいかを簡潔にまとめます:

状況診療科
見た目を優先したい形成外科
診断が必要、悪性が心配皮膚科
美容目的で確実にきれいにしたい美容皮膚科・美容外科(自由診療)
判断に迷う皮膚科で相談→形成外科を紹介してもらう

まとめ

ほくろやいぼの除去を検討する際は、まず「目的」を明確にしましょう。疾患の治療を優先するなら皮膚科、美しい仕上がりを重視するなら形成外科、美容目的であれば美容皮膚科や美容外科も選択肢になります。

皮膚科と形成外科はそれぞれ専門性が異なり、治療内容やアプローチにも違いがあります。診察を通して医師としっかり相談し、自分に合った診療科を選ぶことが満足のいく治療結果につながります。

「これくらいのもの、放っておいてもいいかな…」と思っているうちに、大きくなったり変化したりすることもあります。気になる症状があれば、ぜひ早めに専門医へ相談してみてください。

最終的にどこを受診するにしても、信頼できる医師との出会いが何より大切です。治療前にしっかり話を聞き、不安や疑問を残さずに進めていきましょう。

関連記事

  1. 女性顔

    皮膚科で受けるヒアルロン酸注射のメリット

  2. 子ども 皮膚科

    子どもの肌トラブルに皮膚科ができること:原因・治療法・予防策…

  3. 医者

    成長とともに変化する先天性血管腫とは

  4. 医療

    ダウンタイム短縮で選ぶ刺青切除法ガイド

  5. 脂漏性皮膚炎

    脂漏性皮膚炎:原因と治療法を徹底解説

  6. 目を抑える女性

    眼瞼下垂とは?その症状と原因