10p11.21-p12.31 microdeletion syndrome

Posted on 2026年 1月 15日

別名・関連疾患名

  • 10p11-p12欠失症候群(10p11-p12 deletion syndrome)
  • 部分モノソミー10p(Partial monosomy 10p)
  • 関連:ディジョージ症候群 2型(DiGeorge syndrome 2)※欠失領域が10p13-14に近い場合、類似した表現型をとることがあるため。

対象染色体領域

  • 10番染色体 短腕 p11.21-p12.31
    この領域の欠失に関連する重要遺伝子には、心臓発生や免疫系に関与する遺伝子群が含まれると考えられていますが、22q11.2欠失症候群ほど明確な責任遺伝子は特定されていません。GATA3(10p14)やCUBN(10p13)などの近傍遺伝子の影響を受ける可能性があります。

発生頻度

  • 極めて稀(Very rare)。
  • 世界で数十例〜百例程度の報告にとどまる可能性があり、正確な統計データはありません。

臨床的特徴(症状)

10p11-p12領域の欠失は、領域の大きさにより症状が多様ですが、主に以下の特徴が報告されています。22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)と表現型が重複することがあります。

  • 頭蓋顔面の特徴:
    広い額、短い眼瞼裂、耳介低位、口蓋裂または口蓋帆咽頭閉鎖不全(鼻声など)。
  • 心血管系異常:
    心室中隔欠損症(VSD)、大動脈弓離断、ファロー四徴症などの先天性心疾患。
  • 免疫・内分泌異常:
    胸腺低形成によるT細胞機能不全(免疫低下)。
    副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症(けいれん等の原因)。
  • 発達・神経:
    精神運動発達遅滞、軽度〜中度の知的障害。
    難聴(感音性または伝音性)。
  • その他:
    尿路奇形(水腎症など)。

原因

  • 染色体微細欠失:
    10番染色体短腕(p11.21-p12.31)の遺伝物質の欠失。
  • 発生機序:
    多くは突然変異(de novo)で発生します。
    一部の症例では、親の均衡型転座に由来して発生します。

治療方法

根治療法はなく、症状に対する対症療法が行われます。

  • 心臓手術:
    先天性心疾患がある場合、外科的修復を行います。
  • 内分泌・免疫管理:
    低カルシウム血症に対してカルシウムやビタミンDの投与。
    免疫不全がある場合、感染予防、生ワクチンの接種制限などの管理、重症例では胸腺移植などを検討(極めて稀)。
  • 形成外科・耳鼻科的対応:
    口蓋裂の手術、言語聴覚療法。
    難聴に対する補聴器の使用。
  • 療育:
    発達遅滞に対する理学療法、作業療法、特別支援教育によるサポート。

参考文献

  1. OMIM (Online Mendelian Inheritance in Man)
    Entry: Chromosome 10p deletion syndrome (関連: #146255 DIGEORGE SYNDROME 2; DGS2)
  2. GeneReviews (NCBI)
    Chromosome 10p Deletions (General overview of 10p deletions)
  3. PubMed / Medical Literature
    Yatsenko, S. A., et al. (2004). “10p13/14 deletion syndrome.” (10p11-12領域は近接しており、臨床像が重複するため参照されることが多い)
  4. Unique (Rare Chromosome Disorder Support Group)
    “10p deletions” Guide.

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