性感染症(STD、性病)
- 泌尿器科で扱う主な性感染症(7疾患)の原因・潜伏期間・検査・治療の違い
- 男性に出やすい症状と、症状から考えられる病気の目安
- 症状がなくても検査を考えたいケースと、パートナーと一緒に受診する理由
性感染症(STD、性病)とは
性感染症は、性的な接触によって細菌・ウイルス・原虫などがうつる病気の総称です。性器どうしの接触だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスによって、のど(咽頭)や直腸に感染することもあります。
多くの性感染症は症状が軽いか、まったく出ないまま進みます。本人が気づかないうちにパートナーへうつしたり、治療後に再びうつし合ったりすることがあるため、症状の有無よりも「心当たりのある接触があったかどうか」で検査を考えることが大切です。
また、性感染症は一度に複数がうつることもあります。ひとつが見つかったときは、ほかの性感染症の検査もあわせて検討します。
主な性感染症の比較
ヒロクリニック泌尿器科で扱う主な性感染症を、原因・潜伏期間・検査・治療で比べると次のとおりです。詳しくは各疾患のページをご覧ください。
| 病名 | 原因 | 潜伏期間の目安 | 主な検査 | 主な治療 |
|---|---|---|---|---|
| 性器クラミジア感染症 | 細菌(クラミジア・トラコマティス) | 1〜3週間 | 尿・分泌物のPCR法 | 抗菌薬の内服 |
| 淋菌感染症(淋病) | 細菌(淋菌) | 2〜7日 | 尿・分泌物・のど・直腸の核酸増幅法(PCR法など) | 抗菌薬の注射(点滴)の単回投与 |
| 梅毒 | 細菌(梅毒トレポネーマ) | およそ3週間(数日〜3か月) | 血液検査(抗体) | ペニシリン系抗菌薬(内服または注射) |
| 性器ヘルペス | ウイルス(単純ヘルペスウイルス) | 初感染は2〜10日 | 病変部のウイルス抗原検査 | 抗ウイルス薬 |
| 尖圭コンジローマ | ウイルス(HPV、多くは6型・11型) | 約3週間〜8か月 | 視診(必要に応じて病理検査) | 塗り薬・凍結療法・外科的処置 |
| マイコプラズマ/ウレアプラズマ | 細菌 | 3日〜5週間 | 尿・分泌物のPCR検査・培養検査 | 抗菌薬の内服(効く薬が限られる) |
| トリコモナス | 原虫(膣トリコモナス原虫) | 10日前後 | 尿・分泌物の顕微鏡検査・培養・核酸増幅検査 | 抗原虫薬 |
潜伏期間には個人差があり、症状が出ないまま経過することもあります。
男性に出やすい症状と考えられる病気
症状だけで病名を決めることはできませんが、受診の目安として、男性に多い症状と関係する病気をまとめます。
| 症状 | 考えられる主な病気 |
|---|---|
| 尿道から膿が出る、排尿時に強い痛みがある | 淋菌感染症 |
| 排尿時の軽い痛み・違和感、透明〜白っぽい分泌物 | クラミジア、マイコプラズマ/ウレアプラズマ、トリコモナス |
| 陰茎・亀頭に水疱やただれができて痛む | 性器ヘルペス |
| 亀頭・冠状溝・包皮などにイボができる | 尖圭コンジローマ |
| 性器のしこりや潰瘍、その後に体の発疹 | 梅毒 |
クラミジアやトリコモナスは、男性でも症状が出ないことが多い病気です。症状がないことは、感染していないことを意味しません。
検査を受けるタイミング
感染してすぐは病原体や抗体の量が少なく、感染していても検査で陰性になることがあります。心当たりの接触から日が浅い場合は、検査の時期や再検査について医師にご相談ください。
- クラミジア:接触からおおよそ1〜2週間後が目安
- 淋菌:接触から数日以上あけて
- 梅毒:感染直後は血液検査に出にくく、2〜4週間ほどあけて再検査することがあります
不安が強いときは、時期にこだわらず早めにご相談いただいてかまいません。
治療とパートナーの検査
細菌や原虫による性感染症は、薬で治療します。ウイルスによる性器ヘルペスは、抗ウイルス薬で症状と再発をコントロールします。症状が消えても自己判断で薬をやめず、必要に応じて再検査で治ったことを確認します。
片方だけが治療しても、パートナーが感染していれば再びうつし合います(ピンポン感染)。性感染症が見つかったときは、症状の有無にかかわらず、パートナーも同じ時期に検査・治療を受けてください。
予防のために
- コンドームを最初から最後まで正しく使う(ただし、覆えない部分の接触は防ぎきれません)
- 不特定多数との性的接触を避け、定期的に検査を受ける
- パートナーと同時に検査・治療を行う
関連サイト(検査・女性の視点)
性感染症の検査や女性向けの解説は、専門サイトでもご覧いただけます。
- 検査・疾患の一覧:性感染症の検査・一覧(性感染症検査)
- 女性の視点:女性の性病予防(婦人科)
畠山 聡先生 (はたやま さとし)
医師・医学博士 / ヒロクリニック医師
略歴
- 2016年 大阪市立大学(現:大阪公立大学)卒業
- 2016年 育和会記念病院
- 2019年 大阪鉄道病院
- 2021年 大阪公立大学附属病院
- 2022年 大阪鉄道病院医長
- 2023年 ヒロクリニックなんば心斎橋院院長
資格・所属
- 日本泌尿器科学会認定の泌尿器科専門医
この記事は、ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。