皮膚切開術とは?

皮膚にメスで切開を加え、膿や血のたまり・異物などを外に出すための処置です。
外科の基本的な小手術のひとつで、感染や炎症を鎮める目的で行われます。

主に行われるケース

  • 膿瘍(のうよう):細菌感染で皮膚や皮下に膿がたまった状態
  • **粉瘤(アテローム)**の感染:しこりの中に膿がたまって腫れた場合
  • 外傷後の血腫:皮下に血がたまり痛みや腫れを伴う場合
  • 異物混入:皮膚や皮下に異物が入って炎症を起こした場合

手術の目的

  • 膿や血を外に出して圧力を下げ、痛みや腫れを軽減
  • 炎症を抑え、治りを早める
  • 感染が広がるのを防ぐ

手術の流れ

  1. 局所麻酔を行い、痛みを抑える
  2. 腫れのある部分に小切開を加える
  3. 膿や血を排出する
  4. 必要に応じて**ドレーン(管やガーゼ)**を入れて排膿を続ける
  5. 傷口は閉じずに開放することが多く、自然に治癒する

手術時間と入院

  • 数分〜15分程度で終了
  • 多くは外来・日帰りで可能
  • 広範囲の感染や基礎疾患がある場合は入院管理もある

メリット

  • 痛みや腫れがすぐに軽快する
  • 感染の拡大を防げる
  • 比較的簡単で短時間の処置

デメリット・リスク

  • 傷あとが残ることがある
  • 一時的に膿や血が出続ける
  • 再発することがある(根本原因が残っている場合)
  • 感染や出血のリスク

術後の注意

  • 傷は縫い合わせず、ガーゼ交換や洗浄で清潔を保つ
  • 数日〜1週間で膿の排出が治まることが多い
  • 完全に治すためには、後日「原因の除去(例:粉瘤の袋の切除)」が必要な場合もある
  • 発熱や腫れが続く場合は早めに再診

まとめ

皮膚切開術は、膿や血のたまりを外に出して炎症を抑えるための小手術です。
痛みや腫れをすぐに改善できる一方、再発を防ぐには原因治療を追加で行う必要があることもあります。