血管腫とは？
血管腫（けっかんしゅ）は、血管が異常に増えてできる良性の腫瘍です。皮膚や皮下、口の中などの粘膜下にも生じます。赤色〜紫色のふくらみとして見えることが多く、場所によっては出血したり、見た目の問題につながることもあります。
「露出部」とは？
顔や首、手、腕、下腿など、衣服で隠れにくく人から見えやすい部分を指します。露出部の血管腫は、見た目への影響（整容面）や出血のしやすさのため、摘出手術が行われることがあります。
手術の目的
- 出血や感染のリスクを減らす
- 腫瘍が大きくなるのを防ぐ
- 整容的な改善（見た目をきれいに整える）
- 悪性腫瘍との鑑別（摘出後に病理検査で確認）
手術の流れ
- 局所麻酔または全身麻酔
小さな血管腫なら局所麻酔で処置可能ですが、子どもや大きな病変では全身麻酔が選ばれることもあります。 - 皮膚切開
腫瘍の位置に合わせて皮膚を切開します。できるだけしわのラインに沿って切るなど、傷あとが目立たないように工夫されます。 - 血管腫の摘出
皮下や粘膜下にある血管腫を、出血に注意しながら取り除きます。血管が多く含まれるため、電気メスや止血操作を併用します。 - 止血と縫合
出血をしっかり止めたあと、皮膚を縫って閉じます。露出部では美容的な縫合法（真皮縫合や細かい縫合）が使われます。 - ドレーンやガーゼ保護
大きな血管腫の場合、血がたまらないように小さな管（ドレーン）を入れることもあります。
手術時間と入院
- 小さい血管腫 → 30分〜1時間程度、日帰りも可能
- 大きい血管腫や出血リスクが高い場合 → 数時間かかることもあり、入院が必要になることがあります
メリット
- 腫瘍を完全に取り除ける
- 出血や再発のリスクを減らせる
- 見た目の改善につながる
デメリット・リスク
- 出血しやすい（血管が集まった腫瘍のため）
- 傷あとが残る可能性（露出部なので目立つこともある）
- 再発することがある
- 感染や縫合不全（縫ったところが開く）
術後の注意
- 傷口は清潔に保ち、医師の指示通りにガーゼ交換を行う
- 数日は強い運動や患部への刺激を避ける
- 抜糸は通常1〜2週間後
- 赤みや腫れ、膿などがあれば早めに受診
まとめると、皮膚・皮下・粘膜下血管腫摘出術（露出部）は、顔や手足など人目につきやすい部位の血管腫を出血に注意しながら取り除き、見た目と安全性を改善する手術です。
