
頬腫瘍とは?
- 頬(ほっぺた)にできる腫瘍の総称で、皮膚、皮下脂肪、唾液腺(小唾液腺)、筋肉などさまざまな組織から発生します。
- 良性腫瘍(脂肪腫、線維腫、血管腫、唾液腺由来の多形腺腫など)と悪性腫瘍(扁平上皮がん、粘表皮がんなど)があり、見た目や触った感じだけでは判断できません。
手術が必要な理由
- 腫瘍が大きくなると見た目の変化や違和感を生じる
- 痛みやしこり、口の動きの障害を起こすことがある
- 良性でも放置で再発や悪性化のリスクがある
- 病理検査によって良性か悪性かを確定診断するため
手術の目的
- 腫瘍を完全に取り除く
- 正確な診断のために腫瘍を病理検査に提出する
- 機能(咀嚼、発音など)と整容性(見た目)をできるだけ保つ
手術の流れ
- 麻酔
多くは全身麻酔。小さな皮下腫瘍なら局所麻酔で可能なこともある。 - 切開
腫瘍の位置により、口の中(粘膜側)から切開するか、皮膚側から切開するかを選択。
- 口の中からのアプローチ → 傷あとが目立ちにくい
- 皮膚からのアプローチ → 大きい腫瘍や深部にある場合
- 口の中からのアプローチ → 傷あとが目立ちにくい
- 腫瘍の摘出
周囲組織を傷つけないように腫瘍を取り出す。唾液腺や顔面神経に近い場合は特に注意が必要。 - 止血と縫合
出血を止め、切開部を縫い合わせる。 - 病理検査
摘出した腫瘍は顕微鏡で調べ、最終的な診断を行う。
手術時間と入院
- 小さい腫瘍 → 30分〜1時間程度、日帰りまたは1泊入院
- 大きい腫瘍や深部の腫瘍 → 数時間かかり、数日の入院が必要
メリット
- 腫瘍を根本的に取り除ける
- 良性・悪性の確定診断が可能
- 症状や見た目の改善
デメリット・リスク
- 出血や感染のリスク
- 顔面神経損傷による一時的な口角の動きの障害(まれに後遺症)
- 傷あとが残る可能性(口内切開なら目立ちにくい)
- 再発の可能性
術後の注意
- 数日間は腫れや痛みが出る
- 柔らかい食事から開始し、刺激物は控える
- 口内切開の場合はうがいをして清潔に保つ
- 傷あとや腫れは数週間で落ち着く
- 悪性だった場合は追加治療(再切除・放射線・化学療法)が必要になることもある
まとめ
頬腫瘍摘出術は、頬にできた腫瘍を取り除き、病理検査で確定診断するための手術です。
小さい場合は日帰りで可能ですが、大きな腫瘍や深部のものでは入院が必要です。整容性と機能を保ちながら、安全に腫瘍を摘出することが大切になります。













