
軟部腫瘍とは?
- 「軟部」とは、筋肉・脂肪・血管・神経・皮下組織など骨以外の組織のことです。
- ここにできる腫瘍を軟部腫瘍といい、**良性(脂肪腫・神経鞘腫・血管腫など)と悪性(軟部肉腫など)**があります。
- 腕や脚(四肢)、胸や背中・腹部(躯幹)に発生します。
手術が必要な理由
- 腫瘍が大きくなり、圧迫感や痛みを起こす
- 動作や生活の妨げになる
- 見た目の問題
- 良性に見えても一部は悪性の可能性があり、病理検査で確定診断する必要がある
手術の目的
- 腫瘍を安全に取り除く
- 良性・悪性を診断する
- 再発や転移のリスクを最小限にする
- 機能(歩行・運動・手足の動き)と整容性(見た目)をできるだけ保つ
手術の流れ
- 麻酔
多くは全身麻酔。小さな皮下腫瘍なら局所麻酔で可能な場合もある。 - 切開
腫瘍の位置に合わせて皮膚を切開。腫瘍よりやや広めに切り取る(特に悪性の可能性がある場合)。 - 腫瘍の摘出
腫瘍を周囲組織ごと剥離して摘出。
- 良性 → 腫瘍だけを切除することが多い
- 悪性の疑い → 周囲の正常組織も含めて広めに切除
- 良性 → 腫瘍だけを切除することが多い
- 止血と縫合
出血を止め、必要に応じて皮膚や筋肉を再建。大きな欠損がある場合は皮弁(皮膚をずらして覆う)や植皮術を併用する。 - 病理検査
摘出した腫瘍を顕微鏡で調べ、良性か悪性かを確定診断。
手術時間と入院
- 小さい腫瘍(脂肪腫など) → 30分〜1時間、日帰り可能
- 大きい腫瘍や悪性が疑われる場合 → 2〜3時間以上、数日〜1週間程度の入院が必要
メリット
- 腫瘍を根本的に取り除ける
- 良性・悪性の確定診断が可能
- 症状や見た目の改善
デメリット・リスク
- 出血や感染のリスク
- 神経損傷によりしびれや筋力低下が残ることがある
- 傷あとが残る可能性
- 悪性腫瘍の場合は再発や転移のリスク
術後の注意
- 数日〜数週間は安静が必要
- 傷口を清潔に保ち、ガーゼ交換や消毒を行う
- 腫瘍が大きかった場合はリハビリを行い、手足の機能回復をサポート
- 病理診断で悪性とわかった場合は、再手術・放射線治療・化学療法など追加治療を検討
まとめ
四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術は、手足や体幹にできた軟部腫瘍を摘出して診断と治療を行う手術です。













