
耳介形成手術とは?
耳介形成手術は、生まれつき耳の形が十分に発育しない「小耳症」や、事故・切除で耳を失った場合に、耳の形を再建する手術です。
手術が必要な理由
- 見た目(整容性)の改善
- メガネやマスクがかけられるなどの機能面の改善
- 心理的負担の軽減(特にお子さんの場合、学校生活や社会生活での影響が大きいため)
手術方法の種類
- 自家肋軟骨移植法
- 自分のあばら骨の軟骨を取り、耳の形に削って組み立てる
- 皮膚の下に移植して耳の形を作る
- 長期的に安定するが、数回の手術が必要
- 自分のあばら骨の軟骨を取り、耳の形に削って組み立てる
- 人工耳介フレーム法(MEDPOR など)
- 多孔質ポリエチレン製の人工フレームを埋め込み、耳を作る
- 手術回数が少なくて済むが、感染リスクがやや高い
- 多孔質ポリエチレン製の人工フレームを埋め込み、耳を作る
- 義耳装着
- 手術が難しい場合や希望しない場合に、シリコン製の義耳を接着またはインプラントで固定する方法
- 手術が難しい場合や希望しない場合に、シリコン製の義耳を接着またはインプラントで固定する方法
手術の流れ(肋軟骨法の場合)
- 第1段階:肋軟骨を採取し、耳の土台を作り皮膚の下に埋め込む
- 第2段階(数か月後):耳の輪郭を浮き上がらせて、自然な立体感を作る
- 必要に応じて小修正を行う
手術時期
- 自家肋軟骨を使う場合 → 胸郭が十分に成長する 10歳前後以降に行うことが多い
- 低年齢で整容性を重視する場合 → 人工フレーム法を選ぶこともある
メリット
- 耳の形が再建され、見た目や機能が改善
- 精神的な自信回復につながる
デメリット・リスク
- 感染や出血のリスク
- 肋軟骨を採取した部位に傷あとが残る
- 移植組織の吸収や変形
- 再手術の可能性
術後の注意
- 耳への強い刺激や外傷を避ける
- 感染予防のため清潔を保つ
- 成長や時間の経過で修正が必要になる場合もある
まとめ
耳介形成手術は、先天的あるいは外傷によって耳の形が不完全な場合に、機能と見た目を再建するための形成外科手術です。方法には自家肋軟骨移植、人工フレーム法、義耳などがあり、年齢や希望に応じて選択されます。













