
瘢痕拘縮とは?
- 瘢痕(=きずあと)が硬く縮んでしまい、皮膚や筋肉の動きを制限する状態をいいます。
- 原因:熱傷(やけど)、外傷、手術後のきずあとなど
- 例:
- 指が伸ばせない
- 首が曲がらない
- 口が大きく開かない
- 指が伸ばせない
- 見た目の問題だけでなく、関節の動きや日常生活の動作に支障をきたします。
瘢痕拘縮形成手術の目的
- 拘縮を取り除き、関節や皮膚の可動域を回復する
- 再び拘縮が起きにくいように皮膚や組織を再建する
- 整容的にも自然な見た目に近づける
手術方法の種類
- Z形成術(Z-plasty)
- きずあとにZ字型の切開を加え、皮膚の向きを変えて延ばす方法
- 小〜中程度の拘縮に有効
- きずあとにZ字型の切開を加え、皮膚の向きを変えて延ばす方法
- W形成術
- ギザギザに切開して縫い直すことで、瘢痕を短く見せ目立たなくする方法
- ギザギザに切開して縫い直すことで、瘢痕を短く見せ目立たなくする方法
- 皮弁術(ひべんじゅつ)
- 周囲の健康な皮膚をずらして、拘縮部を置き換える方法
- 中〜大きな拘縮に適用
- 周囲の健康な皮膚をずらして、拘縮部を置き換える方法
- 植皮術
- 拘縮を切除した後、他の部位から採取した皮膚を移植する方法
- 広範囲のやけど後などに用いられる
- 全層植皮や分層植皮が選択される
- 拘縮を切除した後、他の部位から採取した皮膚を移植する方法
手術の流れ
- 拘縮部位を切開して瘢痕を取り除く
- 必要な再建方法(Z形成、皮弁、植皮など)を選んで再建
- 縫合または移植皮膚を固定
- 術後に関節や皮膚の動きを保つために固定やリハビリを実施
手術時間と入院
- 小範囲:1〜2時間程度、日帰りまたは短期入院
- 広範囲:数時間かかり、1〜2週間程度の入院
メリット
- 関節や皮膚の動きが改善
- 見た目の改善
- 日常生活や運動機能の回復
デメリット・リスク
- 出血や感染
- 再び瘢痕拘縮が起こる可能性
- 植皮部や皮弁部に新たなきずあとが残る
- 色や質感の違いが出ることもある
術後の注意
- 術後は**リハビリ(ストレッチ・運動療法)**が非常に重要
- 圧迫療法やシリコンジェルシートで瘢痕の盛り上がりを防ぐ
- 紫外線対策をして瘢痕が濃くならないようにする
- 定期的に通院し、再発や機能障害がないか確認
まとめ
瘢痕拘縮形成手術は、硬く縮んで動きを制限している瘢痕を切除または修正し、皮膚や関節の動きを改善する手術です。Z形成術や皮弁術、植皮術など症状に応じた方法を組み合わせ、機能と見た目を両立させることを目的としています。













