
異物摘出術とは?
体の中に入ってしまった「異物」を取り除く手術のことです。
異物は 皮膚・皮下、耳、鼻、喉、消化管、気道 など様々な場所に入り込みます。
例:ガラス片、木片、金属片、魚の骨、ピアスのキャッチ、薬や食べ物が詰まった場合など。
なぜ必要か?
- 感染や炎症の原因になる
- 痛みや腫れを引き起こす
- 出血や組織損傷につながる
- 放置すると膿瘍(うみの袋)や瘢痕を形成することもある
- 特に呼吸や飲み込みに関わる部位(気道・食道)では、命に関わる緊急事態になる
手術・処置の方法
異物の部位や性状によって方法が異なります。
- 皮膚や皮下の異物(ガラス片・木片など)
- 局所麻酔をして小切開し、ピンセットや鉗子で摘出
- 消毒・縫合を行う場合もある
- 局所麻酔をして小切開し、ピンセットや鉗子で摘出
- 耳の異物(ビーズ、虫など)
- 顕微鏡下で鉗子や吸引器具を用いて摘出
- 外耳道を傷つけないように注意
- 顕微鏡下で鉗子や吸引器具を用いて摘出
- 鼻の異物(子供に多い)
- 鉗子や吸引器で除去
- 両側に詰まっている場合は呼吸困難に注意
- 鉗子や吸引器で除去
- 咽頭・気道の異物(魚骨、ピーナッツなど)
- 喉頭鏡や気管支鏡で摘出
- 呼吸ができない場合は緊急で気道確保が必要
- 喉頭鏡や気管支鏡で摘出
- 消化管の異物(硬貨、釘など)
- 内視鏡で摘出
- 腸まで進んでしまった場合は自然排出を待つか、手術になることもある
- 内視鏡で摘出
手術時間と入院
- 表在の異物:10〜30分程度、日帰り可能
- 内視鏡を使う場合:30分〜1時間程度、短期入院
- 全身麻酔が必要な場合は1〜数日の入院
メリット
- 異物を取り除くことで症状が改善
- 感染や合併症を予防できる
- 安心して日常生活に戻れる
デメリット・リスク
- 出血や感染
- 神経や血管を傷つけるリスク
- 異物の取り残しがあると再発する可能性
- 全身麻酔のリスク(小児や呼吸器系の場合)
術後の注意
- 傷口を清潔に保つ
- 赤み・腫れ・発熱があれば早めに受診
- 異物を誤って飲み込む・吸い込むリスクがあるため小児は特に注意
まとめ
異物摘出術は、体内に入り込んだ異物を安全に取り除き、感染や合併症を防ぐための処置です。
場所によって方法や緊急度が大きく異なり、皮膚や耳・鼻の異物は比較的簡単に除去できますが、気道や消化管の異物は命に関わることもあるため迅速な対応が必要です。













