
皮膚悪性腫瘍とは?
皮膚にできる「がん」のことです。代表的なものに
- 基底細胞がん
- 有棘細胞がん
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
などがあります。
これらは進行すると周囲の組織を壊したり、リンパ節や内臓に転移する可能性があるため、早期に手術で取り除くことが最も基本的かつ有効な治療です。
手術の目的
- がん細胞を完全に取り切ること
- 取り残しを防ぎ、再発や転移のリスクを下げること
- 同時に病理検査を行い、がんの種類や広がりを確認すること
手術の流れ
- 切除範囲の決定
腫瘍の種類・大きさ・場所によって「どこまで皮膚を切るか」が決まります。
- 基底細胞がん → 周囲 5mm 程度
- 有棘細胞がん → 周囲 10mm 程度
- 悪性黒色腫 → 腫瘍の厚みに応じて 1〜2cm 以上
- 基底細胞がん → 周囲 5mm 程度
- 局所麻酔または全身麻酔
小さい腫瘍は局所麻酔で済みますが、大きなものや特殊な部位(顔面など)は全身麻酔で行うこともあります。 - 腫瘍と周囲組織の切除
腫瘍本体と周囲の皮膚・皮下組織を含めて切り取ります。 - 欠損部の修復
腫瘍を取った後の皮膚の穴をどう閉じるかが大事です。
- 小さい場合 → 縫合のみで閉じられる
- 中程度の場合 → 皮膚をずらして寄せる(皮弁術)
- 大きい場合 → 他の部位から皮膚を移植(植皮術)
- 小さい場合 → 縫合のみで閉じられる
- 病理検査
切除した組織を顕微鏡で確認し、がんが取り切れているかを確認します。
手術時間と入院
- 小さい腫瘍 → 30分〜1時間、日帰りも可能
- 大きい腫瘍や再建を伴う場合 → 数時間かかり、数日〜1週間程度の入院が必要
メリット
- がんを根本的に取り除ける
- 再発や転移のリスクを下げられる
- 病理で正確な診断がつく
デメリット・リスク
- 傷あとが残る(顔など露出部では整容的な配慮が重要)
- 大きな腫瘍では皮膚移植が必要になる
- 出血や感染のリスク
- まれに再発の可能性
術後の注意
- 傷口は清潔に保ち、医師の指示どおりガーゼ交換
- 抜糸は通常1〜2週間後
- 悪性黒色腫などの場合はリンパ節転移チェックのため定期的な検査が必要
- 日焼け止めや保湿で新しい皮膚を保護すると傷あとがきれいに治りやすい
まとめ
皮膚悪性腫瘍切除術は、皮膚がんを早期に完全に取り除き、再発や転移を防ぐための最も基本的かつ有効な治療法です。













