小児の創傷とは?

子どもは転倒や遊びの中でのケガが多く、擦り傷や切り傷など「皮膚や皮下組織だけの浅い傷」がよく見られます。これを処置するのが「小児創傷処理(筋肉・臓器に達しない)」です。つまり、筋肉や内臓まで達していない浅めのケガに対する治療です。

なぜ処置が必要?

子どもは皮膚が薄く、傷口からばい菌が入りやすい特徴があります。適切に処置しないと化膿したり、傷あとが残りやすくなったりします。早めに処置を行うことで、感染予防・きれいな治癒・安心した生活につながります。

処置の流れ

  1. 洗浄(きれいにする)
    傷口を水や消毒液でしっかり洗い、砂や小石などの異物を取り除きます。
    子どもの場合、怖がったり動いたりするので、やさしく声かけをしながら行います。
  2. 止血(血を止める)
    出血がある場合はガーゼで圧迫し止血します。小さな傷は自然に止まることも多いです。
  3. 縫合や閉鎖
    • 傷が浅く小さい → テープ( Steri-Strip )や医療用ボンドで閉じる
    • 少し深い・長い → 吸収糸(自然に溶ける糸)や普通の糸で縫う
  4. ※顔など目立つ部位では、できるだけ傷あとが残らないように細かく丁寧に縫合します。
  5. 保護
    ガーゼや絆創膏で覆い、外からのばい菌や刺激を防ぎます。

かかる時間

処置は15〜30分程度で終わることが多く、日帰りで対応できます。

メリット

  • 感染を防げる
  • 治りが早い
  • きれいに治りやすい(傷あとが残りにくい)

デメリット・リスク

  • 傷あとが残る可能性はゼロではない
  • 縫合した場合、抜糸が必要(ただし溶ける糸なら不要)
  • 赤みや腫れが出ることがある

術後の注意

  • 傷口は清潔に保ち、ガーゼ交換を定期的に行う
  • 数日は濡らさないように注意(医師の指示に従ってシャワー可)
  • 腫れや膿、強い痛みが出た場合は早めに受診
  • 顔などの場合は日焼けを避けると傷あとが目立ちにくくなります

まとめると、小児創傷処理(筋肉・臓器に達しない)は、子どもの浅いケガに対して洗浄・止血・縫合やテープ処置を行い、感染を防いできれいに治すための治療です。子どもの体に合わせて、できるだけ痛みや不安が少なくなるように配慮して行われます