心理検査(WAIS-IV) 知能と認知機能の評価

ウェクスラー式知能検査(WAISーⅣ)とは
当院では、ウェクスラー式知能検査(WAIS-Ⅳ)を実施することができます。この検査は、16歳以上の方に適応される知能検査です。
主に知能指数(いわゆるIQ)を測定する検査ですが、それだけではなく、認知機能や情報処理機能の特徴を捉え、何が得意なのか、苦手なのかということを知ることができます。
得意不得意を知ることで、勉強・仕事・家事といった日常生活にどのように影響をしているかを知るヒントとなり、困難がある場合はその困難への対処法を考えるための材料を得ることができます。
WAIS-IVで測定できる4つの指標
WAIS-IVでは、全体的な知能を示す「全検査IQ」に加えて、以下の4つの指標得点が算出されます。それぞれの得点差を見ることで、単一のIQ値だけでは分からない「認知の特性」が具体的に見えてきます。
言語理解指標(VCI)
言葉の意味を理解したり、言葉で説明したりする力を測ります。語彙力や、言語を使った思考・推論の力が反映されます。
知覚推理指標(PRI)
絵や図形など、言葉に頼らずに物事を認識し、推理する力を測ります。空間認知やパターン把握の力が反映されます。
ワーキングメモリー指標(WMI)
一時的に情報を記憶にとどめながら、頭の中で処理する力を測ります。「聞いたことをすぐに忘れてしまう」「複数の指示を一度に処理できない」といった悩みに関連します。
処理速度指標(PSI)
単純な作業を素早く正確にこなす力を測ります。事務作業のスピードや、視覚的な情報を素早く処理する力に関連します。
これら4指標の間に大きな差(ディスクレパンシー)がある場合、日常生活での「得意・不得意の差」として現れやすいことが分かっています。例えば、言語理解は高いのに処理速度が低いタイプの方は、会議での発言は得意でも、書類作成のスピードに苦手意識を持ちやすい傾向があります。
このような方にお勧めいたします
・主治医からその必要性を説明された方
・ご自身の得意不得意を知って困りごとの対応法を知りたい方
(例:見落とし・聞き逃しが多いのはどうしたら良いか?
言われれたことの理解が難しいのはどうしたら良いか?など)
・学校の勉強や仕事についていけないと感じている方
・どんな職種が向いているか知りたい方
(例:営業職が良いか、事務職が良いか)
・仕事にとりかかる上で、どのような取り組み方が向いているか知りたい方
上記に該当しなくても、ご希望のある方は診察時に主治医にご相談ください。
【注意事項】
・本検査は、発達障害(その傾向含む)かどうかを調べるためのものではありません。
・得意不得意やその差の大小は千差万別です。検査は日常の環境とは異なる環境で実施されます
ので、日常生活での困りごとを完全に反映できるわけではありません。
・ご希望をいただいても必ずしも実施できるとはかぎりません。現在の症状によっては実施の
見合わせが必要な場合がございます。
・必要に応じて、本検査だけでは測定しきれないことに関して、継続面接や他の検査をお受けい
ただくこともご提案させていただくことがございます。
・検査結果お伝えまで約1~2週間ほどのお時間をいただきます。結果は診察にて主治医から
ご説明いたします。
その他の心理検査について
当院では、WAIS-Ⅳ以外にも各種心理検査を実施しております。
よくある質問(FAQ)
Q:検査当日はどのくらい時間がかかりますか?
A:検査自体はおおよそ60〜90分程度です。集中力を要する検査のため、体調の良い日程での受診をおすすめします。
Q:検査を受けるのに紹介状は必要ですか?
A:当院に通院中の方は、診察の中で主治医にご相談いただければ検査の可否をご案内します。詳しくはヒロクリニック心療内科までお問い合わせください。
Q:検査を受けると発達障害の診断が確定しますか?
A:いいえ。本検査は発達障害の傾向の有無を直接診断するものではなく、あくまで知能・認知機能の特性を把握するためのものです。診断は医師が総合的に判断します。
Q:結果はどのように活用できますか?
A:職場での業務の進め方の工夫や、学習方法の見直しなど、日常生活の困りごとへの対処法を考えるヒントとして活用いただけます。
Q:適応障害や休職と関連して検査を受けることはできますか?
A:はい。休職・復職に際してご自身の特性を把握したいという理由でご希望される方もいらっしゃいます。詳しくは休職すべき?適応障害の判断基準とはもあわせてご覧ください。
<性格検査(SCT、バウムテスト、P-Fスタディなど)>
ものごとの捉え方や考え方のパターンなどの性格傾向を把握しようとするものです。
<認知機能検査(長谷川式簡易知能評価スケール、MMSEなど)>
記憶力などの認知機能を測定し、もの忘れの問題など認知症の疑いがないかをチェックします。診断書が必要な場合の申請方法は診断書の申請ガイドもあわせてご覧ください。
<発達障害に関する検査(CAADID、AQ、A-ADHDなど)>
ADHDや自閉スペクトラム症(ASD)の傾向があるかどうか、その傾向がどれくらいあるかをチェックします。
