出生後の親子鑑定(遺伝子鑑定)

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出生後の親子鑑定は、子供と親候補のDNAを比較し、生物学的な親子関係の有無を科学的に確認する検査です。口腔内の粘膜を綿棒で採取するだけで検査でき、赤ちゃんから大人まで身体的な負担が少なく受けられます。この記事では、出生後の親子鑑定の仕組みから検査の流れ、私的鑑定・法的鑑定の違いと費用、そして検査を検討する際に知っておきたい注意点までを、順を追って解説します。

この記事でわかること

  • 出生後の親子鑑定(遺伝子鑑定)の基本的な仕組み
  • 検体採取から結果報告までの検査プロセス
  • 私的鑑定と法的鑑定の違いと費用の目安
  • 検査が利用される代表的なケース
  • 検査を受ける前に知っておきたい注意点と検査機関選びのポイント

バレずにこっそり検査できる
出産後でも鑑定できます

出生後の親子鑑定は子供と親候補のDNAを比較する検査です

出生後の親子鑑定は、子供のDNAと親(多くの場合は父親)候補のDNAを比較し、遺伝的なつながりの有無を科学的に確認する検査です。DNAは生物の遺伝情報を担う物質で、子供はその半分を母親から、もう半分を父親から受け継ぎます。この仕組みを利用し、子供と親候補で特定の遺伝マーカーがどの程度一致するかを調べることで、高い精度で親子関係を判定できます。

DNA解析にはSTR型解析と次世代シーケンサーが使われています

親子鑑定の解析では、STR(Short Tandem Repeat:短鎖反復配列)と呼ばれる遺伝マーカーを複数箇所調べる手法が広く使われています。STRはDNAの特定の場所にある短い繰り返し配列で、繰り返し回数が人によって異なるという性質を利用して個人を識別します。

なぜ複数のマーカーを調べるのか

1つのマーカーだけでは、偶然に型が一致してしまう可能性を否定できません。複数のマーカーを組み合わせて解析することで、偶然の一致による誤判定のリスクを抑え、統計的に高い信頼性を持つ判定が可能になります。ヒロクリニックの自社ラボ「東京衛生検査所」では、次世代シーケンサーを用いてSTR型を解析しています。

STR法とSNP法の違い

親子鑑定に使われる遺伝マーカーには、STR(短鎖反復配列)のほかにSNP(一塩基多型)もあります。STR法はSNP法に比べて1座位あたりの個人識別力・多型性が高く、少ない座位数でも高い判定精度を得やすいという特徴があります。この特性から、STR法は法医学分野における標準的な手法として広く採用されています。

STR法SNP法
調べる対象短い繰り返し配列の回数1塩基の違い(多型)
1座位あたりの識別力高いSTR法より低い
必要な座位数の目安比較的少ない座位数で高精度多数の座位が必要になりやすい
法医学分野での位置づけ標準的な手法として広く採用STR法と組み合わせて補助的に使われることがある

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検査は検体採取・解析・結果報告の3段階で進みます

出生後の親子鑑定は、検体採取・ラボでの解析・結果報告という3つの工程で進みます。

  1. お申し込み:私的鑑定か法的鑑定かを選び、検査キットの購入または来院予約を行います。
  2. 検体採取:口腔内の粘膜を綿棒でこすって採取します。私的鑑定は自宅でのセルフ採取が中心で、法的鑑定はクリニックでの医師採取が必要です。
  3. ラボでの解析:採取した検体を検査所に提出し、STR型による解析を行います。
  4. 結果報告:解析完了後、結果が報告されます。法的鑑定では医師の直筆サインが入った書類が別途郵送されます。

採取自体は痛みを伴わず、数分程度で終わるため、赤ちゃんや小さなお子さまでも負担なく受けられます。血液や毛髪など、口腔内粘膜以外の検体で検査できる場合もあります。

口腔内粘膜以外の検体について

対象者本人からの直接採取が難しい事情がある場合、歯ブラシ・毛髪・精液・紙コップ・ストロー・チューインガムといった特殊検体でも検査を検討できることがあります。頬粘膜以外の検体を使用する場合はオプション料金(税込33,000円)が加算され、法的鑑定では特殊検体は使用できず、来院のうえ専用綿棒での採取が必須となります。特殊検体はDNAの抽出が難しい場合があり、判定不能となるリスクもあるため、検体の種類に迷う場合は事前に検査機関へ相談することをおすすめします。

結果報告までの日数

結果報告までの日数は、検体が検査所に到着した後の解析状況によって変動します。お急ぎの場合は、対象となるスワブ検体が日曜日の朝までに検査所へ到着していれば、火曜日までの結果報告を確約する「確約便」というオプション(税込44,000円)も用意されています。

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私的鑑定と法的鑑定では費用と手続きが異なります

出生後の親子鑑定には、ご本人・ご家族が結果を知るための私的鑑定と、裁判所への提出など法的な手続きに用いる法的鑑定の2種類があります。ヒロクリニックでは、私的鑑定24,800円(税込)、法的鑑定68,800円(税込)からご案内しています(2026年7月時点の税込価格。検体の種類や被検者数によりオプション料金が加算されます)。

私的鑑定法的鑑定
目的ご本人・ご家族が結果を知るため裁判所・行政手続きへの提出
価格(税込)24,800円〜68,800円〜
採取方法自宅でのセルフ採取が中心クリニックでの医師採取が必要
頬粘膜以外の検体+33,000円+33,000円
被検者1名追加ごと+24,800円+33,000円

兄弟姉妹・半血兄弟姉妹の関係を確認したい場合も、同様にDNA鑑定で調べることができます。ヒロクリニックの出生後兄弟姉妹鑑定は、私的鑑定99,000円(税込・被検者3人)、法的鑑定143,000円(税込・被検者3人)からご案内しています。

こんな場合に利用されます

出生後の親子鑑定は、法的な手続きのための確認から、個人的な安心のための確認まで、さまざまな場面で利用されています。

  • 法的な親子関係の確認:婚姻関係にない場合や、認知・親権・養育費に関わる法的な手続きで親子関係を証明するために利用されます。
  • 個人的な確認:家族内で遺伝的なつながりを確認したい場合や、気持ちを整理するために行われることがあります。
  • 兄弟姉妹関係の確認:父親が不明な場合などに、きょうだい同士の血縁関係を調べるために利用されます。
  • 相続に関わる確認:不動産や遺産の相続手続きで、親族関係の証明が必要になるケースがあります。

相続をめぐる親族関係の確認では、法的鑑定として結果を用いるケースが多く、手続きに必要な書類や採取方法が私的鑑定とは異なります。婚姻関係にない場合の認知や養育費の請求といった法的手続きでも同様に、事前にどの制度でどのような要件が求められるかを確認しておくことが重要です。個人的な確認として利用される場合も、結果を将来どのように使う可能性があるかを考えたうえで、私的鑑定と法的鑑定のどちらを選ぶか判断することをおすすめします。

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検査を受ける前に知っておきたい注意点

DNA鑑定は高い精度を持つ検査ですが、精度の表し方や結果の使い道について、事前に理解しておくべき点がいくつかあります。

精度の考え方

鑑定結果は、親子関係が認められる場合は99.9%以上の確率、認められない場合は0%として報告されるのが一般的です。この数値は統計的な確率計算にもとづくものであり、検体の状態や解析条件によって影響を受ける場合があります。

私的鑑定と法的鑑定の使い分け

私的鑑定の結果は、そのままでは裁判所などへの提出に使えないことがあります。法的な手続きへの利用を予定している場合は、本人確認や採取方法の要件を満たす法的鑑定を最初から選んでおく必要があります。

同意と心のケア

検査対象者本人(または親権者)の同意を得たうえで検査を行うことが前提となります。結果が想定と異なる場合、心理的な影響を伴うこともあるため、必要に応じてカウンセリングなど専門的なサポートを利用することも選択肢のひとつです。また、検体からのDNA抽出量が不足するなどの理由で判定不能となった場合、再検査に追加の検査費用がかからない取り扱いになっているため、検体の状態に不安がある場合でも、まずは提出してみるという判断がしやすくなっています。

検査機関を選ぶときは精度管理体制を確認してください

検査機関を選ぶ際は、精度管理体制・検体の取り扱い・医師の関与の有無を確認しておくと安心です。

  • 第三者認証(CAP認証・ISO9001など)を取得しているか
  • 検体をバーコードなどで管理し、取り違えを防ぐ体制があるか
  • 結果について医師に相談できる体制があるか

ヒロクリニックの自社ラボ「東京衛生検査所」は、CAP認証・ISO9001を取得し、次世代シーケンサーを5台保有する遺伝子専門検査所です。検体はバーコードで管理し、医療機関からの直接配送によって取り違えのリスクを抑えています。検体を外部に委託せず、採取から解析までを自社の管理下で完結できる体制も特徴のひとつです。

統括院長の岡博史は「出生後の親子鑑定は、法的な手続きのためだけでなく、ご本人やご家族が気持ちに区切りをつけるために選ばれることも少なくありません。どちらの目的であっても、正確な結果を丁寧にお伝えすることを大切にしています。検体の採取方法や検査の種類に迷われた際は、遠慮なくスタッフにご相談ください」と話しています。

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よくある質問

出生後の親子鑑定はどのように検体を採取しますか。

口腔内の粘膜を綿棒でこすって採取する方法が中心です。痛みを伴わず、赤ちゃんから大人まで負担が少なく行えます。

私的鑑定と法的鑑定はどちらを選べばよいですか。

ご本人・ご家族が結果を知りたいだけであれば私的鑑定で十分です。裁判所への提出など法的な手続きに使う予定がある場合は、最初から法的鑑定を選んでください。

結果はどのくらいの精度で報告されますか。

親子関係が認められる場合は99.9%以上の確率、認められない場合は0%として報告されるのが一般的です。検体の状態や解析条件によって影響を受けることがあります。

兄弟姉妹の関係も調べられますか。

調べられます。ヒロクリニックの出生後兄弟姉妹鑑定は、私的鑑定99,000円(税込・被検者3人)、法的鑑定143,000円(税込・被検者3人)からご案内しています。

費用はどのくらいかかりますか。

出生後の親子鑑定は、私的鑑定24,800円(税込)、法的鑑定68,800円(税込)からご案内しています。検体の種類や被検者数によってオプション料金が加算されます。

本人の同意なく検査してもよいですか。

検査対象者本人(未成年の場合は親権者)の同意を得たうえで行うことが前提です。とくに法的な手続きに使う予定がある場合は、要件を満たさないことがあるため事前にご相談ください。

検査機関はどのように選べばよいですか。

CAP認証・ISO9001など第三者認証の有無、検体管理の方法、医師に相談できる体制があるかを確認しておくと安心です。

検査が判定不能になることはありますか。

検体からのDNA抽出量が不足するなどの理由で、まれに判定不能となることがあります。その場合の再検査には追加の検査費用はかかりません。

結果はどのくらいの日数で報告されますか。

検体が検査所に到着した後の解析状況によって変動します。お急ぎの場合は、条件を満たせば火曜日までの結果報告を確約する「確約便」オプション(税込44,000円)もご利用いただけます。

まとめ

出生後の親子鑑定は、STR型解析にもとづき、子供と親候補のDNAを比較して生物学的な親子関係を科学的に確認できる検査です。検体採取の負担が少なく、赤ちゃんから大人まで受けられる点も特徴です。私的鑑定と法的鑑定では費用や手続きが異なるため、検査結果をどのように使う予定なのかを事前に整理してから申し込むことが大切です。

結果の受け止め方は人それぞれです。不安な点があれば、申し込み前の相談だけでも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。検体の種類や検査機関選びに迷う場合も、無理に一人で判断せず、専門のスタッフに相談しながら進めていただければと思います。関連する内容として、毛髪からのDNA抽出による出生後の親子鑑定DNA鑑定の費用(私的・法的鑑定の比較)子供が自分と似ていないと感じたらもあわせてご覧ください。

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医師監修 監修日:2024年9月14日

岡 博史 (おか ひろし)

医師・医学博士 ヒロクリニック統括院長

YouTubeチャンネルなどを通じて、遺伝子やNIPT(新型出生前診断)についてわかりやすく発信しています。

略歴

  • 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
  • 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
  • 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
  • 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
  • 2009年 医療法人社団福美会 理事長
  • 2015年 医療法人社団福美会 理事

資格・所属

  • CAPラボディレクター
  • 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 日本医師会 産業医
  • 東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年9月14日

堤 修一 (つつみ しゅういち)

医師・医学博士 ヒロクリニック博多駅前院 院長

略歴

  • 1993年 東京大学医学部医学科 卒業
  • 2016〜2019年 東京大学先端科学技術研究センター 准教授

発信・関連リンク

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

参考文献

  1. American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Practice Bulletin No. 162: Prenatal Diagnostic Testing for Genetic Disorders. Obstet Gynecol. 2016;127(5):e137-e150.
  2. Gregg AR, Aaronson S, Gekas J, et al. Screening for fetal aneuploidy: a position statement of the American College of Medical Genetics and Genomics. Genet Med. 2016;18(10):1056-1065.
  3. American Society of Human Genetics Social Issues Committee. Professional disclosure of familial genetic information. Am J Hum Genet. 1998;62(2):474-483.
  4. 日本医学会. 医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン. 2011.
  5. 日本産科婦人科学会. 母体血を用いた出生前遺伝学的検査に関する指針. 2013.

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