出生前親子鑑定は、日本国内では検体を採取して自宅や医療機関から検査所に送るだけで受けられますが、海外では国によって法規制が大きく異なり、私的な目的でのDNA鑑定そのものが禁止されている国もあります。海外在住の方や、将来的に海外への渡航・移住を予定している方にとっては、事前に知っておきたいポイントです。ここでは主要国の法規制の違いを解説します。
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周りにバレずにこっそり判定
この記事でわかること
私的なDNA鑑定を禁止・制限している国がある
アメリカ・イギリスなど比較的自由な国の実情
日本国内で受ける場合に注意したいこと
私的なDNA鑑定を禁止・制限している国がある
日本では私的なDNA鑑定を規制する法律はありませんが、ヨーロッパの一部の国では、家庭内の確認目的であっても無許可のDNA鑑定を禁止しています。
フランス:裁判所の許可がない私的鑑定は違法
フランスでは、民法16条の11により、遺伝的特徴の識別は裁判手続き・医学研究・身元確認など限られた目的でのみ認められています。裁判所の命令なく私的にDNA鑑定を行うことは違法とされ、違反した場合は最大1年の禁錮と1万5,000ユーロの罰金が科される可能性があります。フランス在住の方や、フランス国内の検査機関を利用しようと考えている方は、この規制を必ず確認してください。
ドイツ:本人同意のない検査を禁止、出生前鑑定にも制限
ドイツでは、遺伝子診断法(GenDG)により、検査対象者全員の同意なく行う秘密のDNA鑑定が禁止されています。未成年の場合は法定代理人の同意が必要です。さらに、出生前の親子鑑定は原則として禁止されており、犯罪行為による妊娠が疑われるなど限られた例外を除き実施できません。違反した場合は最大5,000ユーロの罰金が科される可能性があります。
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アメリカ・イギリスなど比較的自由な国の実情
一方で、私的なDNA鑑定そのものは合法だが、法的な証明力を持たせるには一定の手続きが必要という国もあります。
アメリカ:州ごとに規制が異なる
アメリカには私的なDNA鑑定を一律に禁止する連邦法はありませんが、州によって扱いが異なります。例えばニューヨーク州では、裁判所の命令がない限り親子鑑定の実施を制限する規定があります。裁判で使える検査は、AABB(米国血液銀行協会)の認定を受けた検査機関で行うことが一般的です。
イギリス:本人確認と同意の取得が必須
イギリスでは、人体組織法(Human Tissue Act 2004)により、正当な同意なくDNAを解析することは刑事罰の対象です。出生前親子鑑定の場合、母体の血液採取には母親本人の同意、比較対象となる父親候補の検体には本人の同意書が必要です。裁判で使う結果には、司法省(Ministry of Justice)の認定を受けた検査機関での実施が求められます。
中国:胎児の性別判定は厳しく規制
中国では、人口・計画出産法第35条により、医学的必要性がない胎児の性別判定が禁止されています。違反した機関には罰金や営業許可の取り消し、刑事責任が科される場合があります。出生前親子鑑定は胎児のDNAを扱う性質上、この規制と関連づけて扱われることがあるため、検体を海外の検査機関に送る場合は注意が必要です。
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各国の規制をひと目で比較
ここまでの内容を一覧表にまとめました。法制度は改正される可能性があるため、あくまで目安としてご覧ください。
| 国・地域 | 私的なDNA鑑定 | 主な留意点 |
|---|---|---|
| 日本 | 規制する法律なし | 裁判・行政手続きには本人確認を伴う法的鑑定が必要 |
| フランス | 原則禁止 | 裁判所の命令がある場合のみ実施可能 |
| ドイツ | 本人同意があれば可能 | 出生前鑑定は原則禁止(例外あり) |
| アメリカ | 州により異なる | 州法・利用目的により手続きが変わる |
| イギリス | 同意があれば可能 | 法的利用には司法省認定機関が必要 |
| 中国 | 胎児の性別判定は規制対象 | 医学的必要性のない性別判定は禁止 |
日本国内で受ける場合に注意したいこと
日本国内で受ける出生前親子鑑定そのものには、私的鑑定を禁止する法律はありません。ただし、結果をどう使うかによって注意点が変わります。
- 裁判所や行政機関に提出する予定がある場合:本人確認や検体の受け渡し記録を伴う法的鑑定を選んでください。私的鑑定の結果は証拠として認められにくいためです。
- 海外に居住している、または今後移住する予定がある場合:現地の法規制によっては、日本で得た検査結果の扱いが制限されることがあります。現地の弁護士や専門家に確認してください。
法的鑑定と私的鑑定の違いについては、法的鑑定と私的鑑定の違いについての記事で詳しく解説しています。
よくある質問
海外在住でも日本の検査を利用できますか。
検体の国際輸送に関する規制は国によって異なるため、まずはお住まいの国の法規制をご確認ください。国によっては検体の持ち出し・輸送自体が制限されている場合があります。
フランスやドイツに住んでいると、出生前親子鑑定は一切受けられませんか。
フランス・ドイツともに、裁判所の関与や特定の要件のもとでは実施が認められる場合があります。個別の状況によって扱いが異なるため、現地の弁護士など専門家に相談してください。
日本で受けた検査結果を海外の裁判で使えますか。
国によって証拠として認められる要件が異なります。海外の手続きで使用する予定がある場合は、事前に現地の専門家に確認してください。
中国で胎児の性別が分かってしまうことはありますか。
ヒロクリニックの出生前親子鑑定は、無料オプションとして胎児の性別(Y染色体の有無による生物学的性別の推定)を報告できます。中国国内では非医学的な性別判定が規制されているため、中国在住の方は現地の法規制を確認してください。
法規制は今後変わる可能性がありますか。
各国の法制度は改正される可能性があります。この記事の内容は執筆時点の情報であり、最新の規制は各国の関連機関や専門家に確認してください。
まとめ
出生前親子鑑定に対する法規制は、国によって大きく異なります。フランスやドイツのように私的な検査を制限する国もあれば、アメリカやイギリスのように同意や認定機関の利用を条件に認めている国もあります。海外との関わりがある場合は、事前に現地の法規制を確認してから検査を検討してください。
日本国内での法的鑑定と私的鑑定の違いについては、法的鑑定と私的鑑定の違いについての記事もあわせてご確認ください。
妊娠6週からできる親子鑑定
周りにバレずにこっそり判定
略歴
- 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
- 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
- 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
- 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
- 2009年 医療法人社団福美会 理事長
- 2015年 医療法人社団福美会 理事
資格・所属
- CAPラボディレクター
- 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
- 日本医師会 産業医
- 東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
堤 修一 (つつみ しゅういち)
医師・医学博士 / ヒロクリニック博多駅前院 院長
略歴
- 1993年 東京大学医学部医学科 卒業
- 2016〜2019年 東京大学先端科学技術研究センター 准教授
発信・関連リンク
この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
参考文献
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