日本国内で出生前親子鑑定が実際にどれくらいの頻度で行われているかを示す公的な統計は、現時点で公表されていません。非侵襲性出生前親子鑑定(NIPPT)は世界的に普及が進んでいますが、日本ではまだ実施件数の全体像を把握できる調査がない状況です。この記事では、公的統計がない前提を明確にしたうえで、海外の状況とヒロクリニックの実感値を紹介します。
日本国内の実施件数に関する公的統計はない
出生前親子鑑定は自由診療の範囲であり、国や学会による全国統計の集計対象にはなっていません。そのため、「日本で年間何件実施されているか」を裏付ける公的なデータは存在しないというのが実情です。
出生前診断に関する統計としては、日本産科婦人科学会が羊水検査や絨毛検査など、医療機関が任意で報告する調査結果を公表しているものはありますが、これらは染色体異常などを調べる出生前遺伝学的検査に関する集計であり、親子関係を確認するための出生前親子鑑定とは調査の目的・対象が異なります。出生前親子鑑定は保険診療ではなく自由診療で行われるプライベートな検査であるため、こうした学会統計の対象にも含まれていません。また、検査を受けた事実自体をご本人が周囲に伝えないケースも多く、統計として集計しにくいという事情もあると考えられます。この記事で紹介する数値は、海外の民間機関の情報や当院の実感に基づくものであり、公的な統計ではない点をあらかじめご了承ください。
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海外でのNIPPT普及状況
非侵襲性出生前親子鑑定(NIPPT)は、母体の血液中に含まれる胎児のDNAを分析する検査で、欧米を中心に利用が広がっています。羊水穿刺や絨毛採取のような侵襲的な方法に比べて、母体への負担や流産リスクを伴わない点が普及の背景にあるとされています。
米国の親子鑑定機関ARCpoint Labsのブログでは、非侵襲的な方法による判定精度は99.9%と紹介されています。ただし、これは海外の一検査機関が示す数値であり、検査機関や解析手法によって差があります。実施可能な週数についても、機関によって「妊娠6週から」「妊娠8週から」など幅があるのが実情です。
米国では出生前親子鑑定を扱う民間ラボが複数存在し、州によって検査結果の法的な取り扱いに差があります。一方、欧州の一部の国では、DNA鑑定そのものに裁判所の許可を必要とするなど、法規制の強さが利用のしやすさに影響しているとされています。日本ではこうした形の法規制は現時点でなく、自由診療として利用できる点が特徴です。
ヒロクリニックの実感としての利用件数
公的統計はないものの、当院の窓口対応から見えている傾向として、ヒロクリニック全体でおよそ月300〜400件のお問い合わせ・お申し込みをいただいています。これはあくまで当院1社の実感値であり、日本全体の実施件数を示すものではありません。
私自身、日々の外来で「こんな検査があるとは知らなかった」という声を多くいただきます。認知度自体がまだ高くないことが、件数を推測しにくくしている一因だと感じています。お問い合わせをいただく方の年齢層や背景は幅広く、パートナー以外との関係で父親が誰か確信が持てないケースだけでなく、離婚や相続などの法的な手続きに関連して検討される方も一定数いらっしゃいます。お住まいの地域も全国にわたっており、都市部だけでなく地方にお住まいの方からのご相談も少なくありません。全国のクリニックで採血ができ、採血後は自社ラボでの解析に進む体制を整えていることが、こうした幅広い層からのご利用につながっていると考えています。

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ヒロクリニックの検査精度を支えるSTR分析の仕組み
ヒロクリニックでは、STR法(短鎖反復配列分析)を用いて52座位程度を解析することで、99.99%以上の判定精度を実現しています。STR法は、SNP法と比較して個人識別力・多型性が高いとされ、FBIのCODIS(統合DNA索引システム)などでも採用されている法医学的に標準的な手法です。
検査機器には、次世代シーケンサーを組み込んだQiagen社の「MiSeq FGx」(国内初導入)を採用しており、検体はバーコード管理によって取り違えを防止しています。自社ラボ「東京衛生検査所」は次世代シーケンサーを複数台保有する遺伝子専門検査所で、CAPおよびISO9001の認証を取得し、専属の医師の管理下で運用されています。座位数が多いほど、他人が偶然一致する確率は理論上低くなるため、解析する座位数は検査精度に直結する要素の一つです。
日本で普及が緩やかな理由として考えられること
日本で出生前親子鑑定の利用がまだ珍しいとされている背景には、費用・認知度・実施施設の少なさという3つの要因が考えられます。海外に比べて普及が緩やかな理由を、それぞれ詳しく見ていきます。
- 費用面:保険適用外の自由診療のため、費用が数万円〜十数万円と高額になりやすい点。妊娠・出産に伴う他の出費と重なる時期でもあり、費用面がハードルになりやすいと考えられます。
- 認知度:出生前に親子鑑定ができること自体が、まだ広く知られていない点。妊娠中に受けられる検査というと、出生前遺伝学的検査(NIPT等)を思い浮かべる方が多く、親子関係を調べる検査があること自体を知らないケースが少なくありません。
- 実施施設の少なさ:対応できるクリニック・検査機関が限られている点。母体からの採血だけで完結する非侵襲的な検査を、専用の検査体制とあわせて提供できる施設は、現時点では限られています。
地域による採用率や利用頻度の差には、医療体制や法的枠組み、文化的な背景も影響していると考えられます。出生前親子鑑定がどのような方に利用されているかは、出生前親子鑑定はどのような人が受けているかで詳しく紹介しています。検査を検討する理由については、なぜ出生前親子鑑定を行うのかもあわせてご覧ください。
今後、日本での実施件数が増えていく可能性
認知度の向上と検査体制の整備が進めば、日本国内での出生前親子鑑定の利用は今後緩やかに広がっていく可能性があります。ただし、これは確定的な予測ではなく、あくまで現時点で考えられる方向性です。
検査技術そのものは、非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)の普及とともに国内でも広く知られるようになりました。同じ非侵襲的な採血によるDNA解析という枠組みが、親子鑑定の分野でも今後さらに知られていくことで、検討する方が増える可能性はあると考えています。一方で、費用面や実施施設の少なさといった課題がすぐに解消されるわけではないため、当院としても情報発信や検査体制の整備を継続していく必要があると感じています。私自身、こうした検査の存在を必要とする方に正しく届けることも、医療機関としての重要な役割の一つだと考えています。
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よくある質問
まとめ
日本国内の出生前親子鑑定の実施件数について、公的な統計は存在しません。海外ではNIPPTの利用が広がっており、当院にも月300〜400件程度のお問い合わせ・お申し込みをいただいていますが、これはあくまで当院の実感値です。
費用や認知度の面から、日本での普及はまだ緩やかですが、早期に安全な方法で親子関係を確認したいというニーズは着実にあります。ヒロクリニックでは、STR法による52座位程度の解析で99.99%以上の精度を実現し、全国のクリニックで採血のみで検査を完結できる体制を整えています。検討されている方は、お気軽にヒロクリニックへご相談ください。
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ヒロクリニックでのDNA出生前親子鑑定
ヒロクリニックのDNA出生前親子鑑定(NIPPT)は、全国のヒロクリニック直営クリニックでご利用いただけます。この検査は妊娠6週0日から提供され、1回の来院で検査が完了するため、必要な時間と労力を最小限に抑えることができます。自社ラボ「東京衛生検査所」(CAP認定・ISO9001取得)による検査ですので、安心してお受けいただけます。ただし、ご夫婦そろっての受診をお願いしています。そうすることで、より正確な検査結果を得ることができます。ご興味のある方は、こちらをクリックしてご予約いただくか、お問い合わせください。※料金・再検査対応の詳細は公式料金ページでご確認ください。
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略歴
- 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
- 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
- 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
- 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
- 2009年 医療法人社団福美会 理事長
- 2015年 医療法人社団福美会 理事
資格・所属
- CAPラボディレクター
- 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
- 日本医師会 産業医
- 東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
堤 修一 (つつみ しゅういち)
医師・医学博士 / ヒロクリニック博多駅前院 院長
略歴
- 1993年 東京大学医学部医学科 卒業
- 2016〜2019年 東京大学先端科学技術研究センター 准教授
発信・関連リンク
この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
参考文献
- Ryan A, Baner J, Demko Z, Hill M, Sigurjonsson S, Wayham N, et al. Noninvasive prenatal paternity testing using dynamic truncation of sequencing reads. Genet Med. 2013 Dec;15(12):975-83.
- American Association of Blood Banks. Annual Report Summary for Relationship Testing Laboratories. Bethesda: AABB; 2020.





