ヒロクリニックのNIPPT検査項目

遺伝子

ヒロクリニックのNIPPT(出生前親子鑑定)では、常染色体STR27座位とY染色体STR25座位、合計52座位のSTR型を分析しています。法医学分野で標準的とされる52座位を大きく上回る座位数を検査することで、個人識別力を高めています。この記事では、実際に分析している座位の一覧と、その意味を解説します。

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この記事でわかること

ヒロクリニックが分析する52種類のSTR座位の一覧

常染色体STRとY染色体STRを併用する理由

座位数の多さが検査精度にどう影響するか

なぜ多数のSTR座位を分析するのか

STR(Short Tandem Repeat、短鎖反復配列)は、DNA上の特定の配列が繰り返される回数が人によって異なる領域です。分析する座位(遺伝子座)の数が多いほど、無関係な人物同士がすべての座位で偶然一致する確率は低くなり、個人識別力が高まります。STRが親子鑑定に適している理由は親子鑑定におけるSTRの重要性は?でも解説しています。

法医学分野の標準的な検査では52座位程度が分析対象となることが一般的ですが、ヒロクリニックでは日本初導入となるQIAGEN社の次世代シーケンサー「MiSeq FGx」を用いて、常染色体STR27座位とY染色体STR25座位の合計52座位を分析しています。座位数の多さは、そのまま結果の信頼性の高さにつながります。検査全体の精度についてはDNA鑑定の精度とは?方法と信頼性を解説で詳しく解説しています。

常染色体STR 27座位

常染色体(性染色体を除く1〜22番染色体)上のSTR座位です。父親・母親の両方から1つずつアリルを受け継ぐため、親子間のアリル一致を確認する基本のデータとして使用します。

遺伝子座 (Genetic Locus)染色体 (Chromosome)繰り返しモチーフ (Repeat Motif)
D1S16561TAGA
TPOX2GAAT
D2S4412TCTA
D2S13382TGAA
D3S13583TCTA
D4S24084TCTA
FGA4CTTT
D5S8185ATCT
CSF1PO5AGAT
D6S10436ATTT
D7S8207GATA
D8S11798TCTA
D9S11229TCTA
D10S124810TCTA
TH0111AATG
vWA12TCTA
D12S39112AGAT
D13S31713TATC
Penta E15AAAGA
D16S53916GATA
D17S130117TAGA
D18S5118AGAA
D19S43319AAGG
D20S48220ATCT
D21S1121TCTA
Penta D21AAAGA
D22S104522ATT
Y染色体を除く27種類のSTR部位

TPOXやCSF1POなど、この一覧に含まれる座位の多くは、米国FBIが運用するDNAデータベース「CODIS」でも採用されている国際的に標準化されたマーカーです。異なる検査機関同士でも結果を比較しやすいという利点があります。

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Y染色体STR 25座位

Y染色体は男性にのみ存在し、父親から息子へほぼそのままの形で受け継がれます。Y染色体STR(Y-STR)は、父系の血縁関係を確認する際に活用する補助データです。

遺伝子座 (Genetic Locus)染色体位置 (Chromosome Location)繰り返しモチーフ (Repeat Motif)
DYS393Yp11.2AGAT
DYS505Yp11.2GATA
DYS570Yp11.2TTTC
DYS576Yp11.2AAAG
DYS522Yp11.2ATT
DYS481Yp11.2TCTA
DYF387S1Yp11.2TCTG
DYS19Yp11.2TAGA
DYS391Yp11.2TCTA
DYS635Yp11.2TCCA
DYS437Yp11.2TCTA
DYS439Yp11.2GATA
DYS389IIYp11.2TCTG
DYS389IYp11.2TCTG
DYS438Yp11.2TCTA
DYS612Yp11.2CAGA
DYS390Yp11.2TCTA
DYS643Yp11.2TCTG
DYS533Yp11.2AAAG
Y-GATA-H4Yp11.2TAGA
DYS385a-bYp11.2GATA
DYS460Yp11.2GATA
DYS549Yp11.2GATA
DYS392Yp11.2TATC
DYS448Yp11.2AGAGAT
Y染色体上の25種類のSTR部位

Y-STRは、対象の子供が男児の場合や、父方の血縁関係を補助的に確認したい場合に特に有用です。ただし、Y染色体は父系で共有されるため、Y-STRの一致だけでは「特定の個人」までは絞り込めません。常染色体STRと組み合わせることで、初めて個人レベルでの親子関係を判定できます

解析には次世代シーケンサーMiSeq FGx Systemを使用

これら52座位の解析には、QIAGEN社の次世代シーケンサー「MiSeq FGx System」を使用しています。世界で10万件以上の実績を持つ機器で、ヒロクリニックが日本で初めて導入しました。全自動検査システムによってヒューマンエラーを防ぎながら、迅速な結果報告を実現しています。装置の特徴についてはMiSeq FGx Systemと出生前親子鑑定についてで詳しく解説しています。

統括院長の岡博史は、CAPラボディレクターとして自社ラボ「東京衛生検査所」の運用にも携わる立場から「座位数を増やすほど解析には手間がかかりますが、それでも精度を優先する検査体制を維持しています」と話しています。検体はバーコード管理によって取り違えを防止し、医療機関からの直接配送で紛失リスクも抑えています。

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よくある質問

なぜ52座位も分析するのですか。

分析する座位数が多いほど、無関係な人物同士がすべて偶然一致する確率が下がり、個人識別力が高まるためです。法医学の標準である52座位を大きく上回る座位数を分析することで、精度を高めています。

常染色体STRとY染色体STRは何が違いますか。

常染色体STRは父親・母親の両方から受け継がれ、個人識別に使う基本データです。Y染色体STRは男性にのみ存在し、父系の血縁関係を補助的に確認する際に用います。

MiSeq FGx Systemとはどんな機器ですか。

QIAGEN社の次世代シーケンサーで、世界で10万件以上の実績を持ちます。ヒロクリニックが日本で初めて導入した機器で、多数のSTR座位を一度に高精度で解析できます。

対象が女児の場合、Y染色体STRの結果はどうなりますか。

女児はY染色体を持たないため、Y染色体STRの比較は行われません。その場合は常染色体STR27座位を中心に判定します。

検査結果はどのくらいで受け取れますか。

全自動検査システムにより、迅速な結果報告を実現しています。具体的な日数は検査の種類によって異なるため、お申し込み時にご案内しています。

まとめ

ヒロクリニックのNIPPTでは、常染色体STR27座位とY染色体STR25座位、合計52座位を次世代シーケンサーMiSeq FGx Systemで分析しています。法医学の標準的な座位数を大きく上回る検査体制により、高い個人識別力を実現しています。

検査項目や解析の仕組みについてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。

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医師監修 監修日:2024年8月6日

岡 博史 (おか ひろし)

医師・医学博士 ヒロクリニック統括院長

YouTubeチャンネルなどを通じて、遺伝子やNIPT(新型出生前診断)についてわかりやすく発信しています。

略歴

  • 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
  • 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
  • 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
  • 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
  • 2009年 医療法人社団福美会 理事長
  • 2015年 医療法人社団福美会 理事

資格・所属

  • CAPラボディレクター
  • 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 日本医師会 産業医
  • 東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

記事の監修者