妊娠中の彼女から子供の認知を頼まれたら、まずは親子関係に心当たりがあるかどうかを冷静に整理してください。認知は法律上、父親としての義務と権利が生じる大切な手続きです。焦って結論を出す必要はありません。本記事では、認知の法的な意味と、判断に迷ったときに検討できる出生前親子鑑定という選択肢、拒否した場合の注意点までを解説します。
この記事でわかること
- 認知が持つ法的な意味と、認知後に生じる義務・権利
- 認知を頼まれたとき、判断の前に確認したいポイント
- 親子関係に確信が持てないときに検討できる出生前親子鑑定
- 認知を拒否した場合に起こりうる法的な流れ
出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる
認知とは何か。まず法的な意味を知る
認知とは、結婚していない男女の間に生まれた子について、父親が自分の子であることを法律上認める手続きです。認知が行われるまで、法律上の父子関係は成立していない状態にあります。
認知によって生じる義務と権利
認知が成立すると、父親には子への扶養義務が生じます。具体的には次のような変化があります。
- 養育費の支払い義務:子が経済的に自立するまで、収入に応じた養育費を負担します。
- 相続権の発生:子は法律上の子として、父親の相続人になります。
- 親権・面会交流に関する権利:話し合いにより、面会や養育への関与について取り決めができます。
一度認知した親子関係は、原則として一方的に取り消せません。だからこそ、認めるかどうかは事実関係を確認したうえで判断してください。診察の場では、認知後に「もっと早く相談していれば」と話す方にもお会いします。
認知届の提出方法
認知は、父親の本籍地または住所地の役所に認知届を提出して行います。子の出生前でも、母親の同意があれば胎児認知として届け出ることが可能です。届出が受理されると、戸籍に父親として記載されます。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる
認知を頼まれたとき、まず確認したいこと
認知の依頼を受けたら、返事を急ぐ前に自分の状況を整理しましょう。確認の視点は大きく2つに分かれます。
親子関係に心当たりがある場合
交際期間や関係性から、自分の子である可能性が高いと感じているなら、認知は父親としての責任を果たす第一歩になります。彼女と今後の養育方針や生活について、早めに話し合っておくと安心です。
親子関係に確信が持てない場合
交際時期の重なりなどから確信が持てない場合、疑念を抱えたまま認知届を出すと、後々まで不安を引きずることになります。出生前親子鑑定(DNA鑑定)は、出産を待たずに事実関係を確認できる方法の一つです。
ヒロクリニックのNIPPTは妊娠6週目から妊娠期間を通じて検査可能で、母体の血液と父親候補の口腔粘膜を採取して調べます。8週以降であれば、1回の採血でより正確な結果を得やすくなります。検査には、家庭内での確認を目的とした私的鑑定と、裁判所や役所への提出を想定した法的鑑定の2種類があり、目的によって選ぶ検査が異なります。違いを詳しく知りたい方はDNA鑑定の費用(私的、法的鑑定の比較)もあわせてご確認ください。
| 鑑定の種類 | 料金(税込) | 主な用途 |
|---|---|---|
| 出生前親子鑑定・私的鑑定 | 98,000円 | 家庭内での確認 |
| 出生前親子鑑定・法的鑑定 | 149,800円 | 裁判所・役所への提出 |
最新の料金や追加費用は変更される場合があるため、申し込み前に料金についてのページで確認してください。
認知しない場合、子の立場はどうなるか
認知が行われないまま出産に至ると、子の戸籍上の父親欄は空欄になります。母親の戸籍にのみ入り、法律上の父を持たない状態です。この状態が続くと、子自身が相続や各種手続きの場面で、父親との法的なつながりを証明できません。
認知するかどうかを決めかねている間も、子は生まれてきます。判断に時間がかかりそうな場合は、彼女にその旨を伝え、いつまでに結論を出すかの見通しだけでも共有しておくと、双方の不安を減らせます。
認知を拒否したいときに知っておきたいこと
親子関係に疑いがある場合、認知を急ぐ必要はありません。ただし、拒否したまま話し合いを避け続けると、法的な手続きに発展することがあります。
母親側が父子関係の確認を求めても、任意の認知に応じてもらえないことがあります。その場合、まず家庭裁判所での認知調停が行われます。合意に至らなければ認知の訴え(民法787条)という裁判手続きに進みます。裁判の中でDNA鑑定などにより父子関係が認められれば、認知が強制的に成立する場合があります。調停の一般的な流れは裁判所の公式ページ(認知調停)でも確認できます。
手続きの進み方や必要な対応は、個別の事情によって変わります。おおまかな流れを知ったうえで、具体的な判断は弁護士に相談してください。自己判断で放置すると、選べる選択肢が狭まることもあります。拒否した場合の法的な取り扱いをさらに詳しく知りたい方はDNA鑑定を拒否されたら?認知・否認訴訟への影響もご覧ください。

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法的鑑定もできる
一人で抱え込まず、まず相談する
認知の依頼は、突然のことで戸惑う方が少なくありません。私自身、来院された方から「彼女にどう切り出せばいいか分からない」という相談を受けることがあります。まずは事実関係を確認し、それから話し合う順番にすると、感情的な対立を避けやすくなります。
統括院長の岡博史は「認知は一度成立すると簡単には取り消せません。疑問がある状態のまま届出をするのではなく、まず事実を確認してから判断してほしい」と話しています。彼女自身にとっても、事実関係が明確になることは、今後の生活を考えるうえで安心材料になります。
感情的になりやすい話題だからこそ、家族や友人、弁護士や医療機関など、第三者に相談しながら進めてください。浮気を疑うケースとの違いについてはDNA鑑定でわかること|浮気と父親確認の違いでも解説しています。
よくある質問
認知を求められたら、必ず応じなければなりませんか。
必ず応じなければならないものではありません。親子関係に疑問がある場合は、出生前親子鑑定などで事実を確認したうえで判断する方法もあります。
出生前親子鑑定は妊娠中のいつから受けられますか。
ヒロクリニックのNIPPTは妊娠6週目から検査可能で、妊娠期間を通じて受けられます。8週以降であれば、1回の採血でより正確な結果を得やすくなります。
認知を拒否したら、罰則はありますか。
拒否そのものに直接の罰則はありません。ただし、認知調停や認知の訴えに発展し、DNA鑑定などで父子関係が認められれば、認知が強制的に成立することがあります。個別の状況によって手続きが異なるため、詳しくは弁護士にご確認ください。
出生前親子鑑定の結果は、そのまま認知の手続きに使えますか。
私的鑑定は家庭内での確認を目的とした検査で、法的な証明力を持ちません。認知届や裁判所への提出を想定する場合は、本人確認や採取の立ち会いを伴う法的鑑定を選んでください。
相手にも周囲にも知られずに検査できますか。
私的鑑定であれば、比較的静かに検査を進めることができます。状況によって適した進め方は異なるため、迷ったときは一度クリニックにご相談ください。
まとめ
認知は父親としての義務と権利が生じる、後戻りのしにくい手続きです。親子関係に心当たりがある場合は前向きに、確信が持てない場合は出生前親子鑑定で事実を確認してから、彼女と話し合ってください。拒否を考えている場合も、放置せず弁護士や医療機関に相談することが、双方にとって納得できる結論への近道です。
出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる
略歴
- 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
- 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
- 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
- 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
- 2009年 医療法人社団福美会 理事長
- 2015年 医療法人社団福美会 理事
資格・所属
- CAPラボディレクター
- 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
- 日本医師会 産業医
- 東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
参考文献
- デジタル庁. 民法(明治二十九年法律第八十九号) [Internet]. e-Gov法令検索; [cited 2023 Oct 24]. Available from: https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
- . 法務省. 認知届 [Internet]. 法務省ホームページ; [cited 2023 Oct 24]. Available from: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji15.html





