この記事の概要
DNA出生前親子鑑定(NIPPT: Non-Invasive Prenatal Paternity Testing)は、母体血液から抽出された胎児の遊離DNA(cfDNA: cell-free DNA)を用いて、生物学的父親との親子関係を確認する技術です。妊娠初期である6週目以降から検査が可能であり、胎児や母体にリスクを与えない非侵襲的検査として、国内外で広く普及しています。
しかし、DNA鑑定の結果は非常に専門的であり、検査を受けた方にとって「結果の見方が分からない」「どの程度の確率なら確定なのか」といった不安がつきまとうことも事実です。本記事では、出生前DNA鑑定の仕組み、検査結果の正しい読み解き方、結果に基づく行動指針について、専門的かつわかりやすく解説していきます。
出生前親子DNA鑑定の基本的な仕組み
非侵襲的出生前親子鑑定(NIPPT)の流れ
- 母体血液の採取:妊婦から採取した血液には、胎児由来のcfDNAが含まれています。
- cfDNAの抽出と解析:cfDNAを特殊な手法で抽出し、父親候補のDNAと照合します。
- マーカー比較(STR/SNP):特定の遺伝子マーカー(短鎖反復配列 STR、一塩基多型 SNP)を用いて一致率を評価します。
- 父性確率の算出:得られた一致データをもとに、統計学的手法で父性肯定確率または否定確率を算出します。
なぜ妊娠6週から可能なのか?
妊娠初期(6週目以降)になると、胎児のcfDNAが母体血中に十分に流入するため、解析に十分な量が確保できるとされています。ただし、週数が早いほどcfDNA量が少ないため、検出感度や正確性には多少の影響があります。
妊娠6週からできる親子鑑定
周りにバレずにこっそり判定
DNA鑑定結果の見方
2種類の結果パターン
出生前DNA親子鑑定では、以下のいずれかの形式で結果が返されます。
- 『A』は『B』の胎児の生物学的父親であると判定できる。
- 『A』は『B』の胎児の生物学的父親であると確認できませんでした。
この判定文がもっとも重要な結論部であり、以下の数値的情報はこの判定を裏付けるものです。
父性肯定確率と否定確率
- 肯定確率(Paternity Inclusion Probability):99.99%以上であれば、事実上の生物学的父親とみなされます。
- 否定確率(Paternity Exclusion Probability):99.99%以上であれば、その男性が父親でないことが統計的に証明された状態です。
尤度比(Likelihood Ratio: LR)とは?
尤度比は、ある男性が父親である可能性とそうでない可能性を比較した指標で、以下のように評価されます
- LR > 1000:父性肯定の強い証拠
- LR < 0.01:父性否定の強い証拠
例えばLR = 10,000であれば、「無作為に選ばれた男性が父親であるよりも、この男性が父親である確率は1万倍高い」といった意味になります。
DNAプロファイルの構成
- 使用されたマーカー(通常16〜25個以上)
- 父親候補と胎児とのマーカー一致率
- 一致したマーカー数と不一致の有無
妊娠6週からできる親子鑑定
周りにバレずにこっそり判定
検査結果を正しく理解するためのポイント
数値は「確率」ではなく「統計的推定値」
例として「99.9999%」と記載されていても、これは「絶対的な100%」ではなく、使用された遺伝マーカーの数と統計モデルに基づく推定値です。
鑑定の限界
- 妊娠週数が早いとcfDNA量が少なくなる → 検査失敗率がわずかに上昇
- 双胎妊娠(双子)の場合 → 解析が困難なケースあり
- 母親が造血幹細胞移植や臓器移植の経験がある場合 → 検査対象外

DNA鑑定結果を受け取ったあとの対応
心理的サポート
DNA鑑定結果は、人生を左右する重大な情報です。肯定・否定のいずれの結果であっても、精神的負担が大きい場合は、遺伝カウンセリングや心理士による支援を受けることが勧められます。
法的影響と活用
- 認知や養育費請求などの法的対応の基礎資料となる
- 裁判資料にする場合は、法的証拠能力のある検査を選択すべき
医療的な判断材料
胎児に関する遺伝疾患や家族歴が疑われる場合、DNA検査結果は今後の出産や育児方針の決定にも活用されます。
妊娠6週からできる親子鑑定
周りにバレずにこっそり判定
ヒロクリニックでのDNA出生前親子鑑定の特長
- 妊娠6週目から検査可能
- 一度の来院で完結
- 再検査無料
- 東京衛生研究所と連携:年間5000万件以上の検査実績
- 全国で受診可能な直営クリニック網
よくある質問(FAQ)
Q1. 鑑定は誰にも知られずにできますか?
A. はい。母体血液の採取のみで実施できるため、外見的に妊婦健診と区別されません。
Q2. 検査結果はいつ頃わかりますか?
A. 通常7~10営業日以内にお届けします。
Q3. 検査結果で父親確定できないこともありますか?
A. 妊娠初期でcfDNAが十分でない場合など、ごくまれに再検査が必要になることがあります。
妊娠6週からできる親子鑑定
周りにバレずにこっそり判定
まとめ
DNA出生前親子鑑定(NIPPT)は、科学的根拠に基づいた高精度な検査技術です。特に非侵襲的な方法は母体・胎児へのリスクを最小限に抑え、99.99%以上の確率で親子関係を特定できます。鑑定結果を正しく理解し、その後の法的・心理的対応を含めて適切に行動することが、すべての関係者にとっての最善の選択につながります。
ヒロクリニックでのDNA出生前親子鑑定
ヒロクリニックのDNA出生前親子鑑定(NIPPT)は、全国のヒロクリニック 直営クリニックで業界最安値でご利用いただけます。この検査は妊娠6週目から提供され、1回の来院で検査が完了するため、必要な時間と労力を最小限に抑えることができます。再検査が必要な場合は無料で実施される。また、5,000万件以上の出生前検査を実施している東京衛生研究所による検査ですので、安心してお受けいただけます。ただし、ご夫婦そろっての受診をお願いしています。そうすることで、最も正確な検査結果を得ることができます。ご興味のある方は、こちらをクリックしてご予約いただくか、お問い合わせください。
よくある質問
QDNA出生前親子鑑定(NIPPT)とは何ですか?
A妊婦の血液に含まれる胎児のcfDNAを分析し、父親候補のDNAと照合することで、生物学的親子関係を特定する非侵襲的検査です。
QNIPPTは妊娠何週目から受けられますか?
A妊娠6週目以降から可能です。ただし、cfDNAの量が少ないと再検査が必要になることもあります。
Q検査結果はどのように表示されますか?
A 「父親であると判定されました」または「父親でないと確認されました」と記載され、確率や尤度比などの数値情報が補足されます。
Q「99.99%以上の父性肯定確率」とはどういう意味ですか?
A統計的に見て、その男性が父親である可能性が極めて高いことを示します。科学的にはほぼ確定とみなされます。
Q尤度比(Likelihood Ratio:LR)とは何ですか?
Aある男性が父親である可能性と無関係な人である可能性を比較した値で、LR > 1000なら父性の強い証拠とされます。
Q「否定された」結果の信頼性は?
A父性否定確率が99.999%以上であれば、その男性が父親でないことが極めて確実であると証明されます。
Q結果が「曖昧」になることはありますか?
A妊娠初期でcfDNAが不十分な場合や双子妊娠、母体の特殊な医療歴がある場合は、検査が困難または再検査になることがあります。
Q検査結果はどのように受け取りますか?
Aメールや郵送で通知されます。ヒロクリニックの場合、通常7〜10営業日以内で受け取れます。
Q鑑定結果は法的に使えますか?
A法的証拠として使用するには、あらかじめ法的鑑定として申し込み、第三者立会いや本人確認が必要です。
Q 結果を受けての注意点は?
A結果は家庭や人生に大きな影響を与えるため、精神的サポートや法的アドバイスの検討も重要です。
参考文献
・日本産婦人科学会. (2020). NIPTに関するガイドライン
・WHO. (2021). Non-Invasive Prenatal Testing (NIPT): Overview
・国立成育医療研究センター. (2023). NIPTの臨床的意義と今後の展望
・American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). (2020). Committee Opinion on NIPT
・National Institute for Health and Care Excellence (NICE). (2021). NIPT Clinical Guidelines





