SRLの親子鑑定とは|個人で申し込める?サービス内容を解説

NIPPT SRL 親子鑑定

この記事の概要

この記事では、SRL(Scientific Research Laboratory)が提供するDNA親子鑑定サービスについて解説しています。法的手続きで使用できる「法的鑑定」や、個人確認のための「非法的鑑定」の特徴、検査プロセス、精度の高さ、プライバシー保護の重要性を詳述しています。また、親権争いや相続問題など、親子鑑定が必要となる状況や、費用に関する情報も紹介し、SRLの信頼性と評判について触れています。

SRL(株式会社エスアールエル)は、国内最大級の臨床検査受託企業として知られています。「SRLで親子鑑定を申し込めるのか」という検索が多いのは、検査業界における知名度の高さゆえでしょう。実際に検討する前に、まずは仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、SRLグループが提供するDNA親子鑑定の仕組みと、個人で直接申し込めるのかどうかを、公式情報をもとに整理してご紹介します。

この記事でわかること

  • SRLという会社の成り立ちと事業内容
  • SRLグループのDNA親子鑑定は誰が依頼できるのか
  • 検査方法と、依頼から結果までの大まかな流れ
  • 個人で気軽に調べたい場合にヒロクリニックとの違い

SRL(株式会社エスアールエル)とは

SRLは、病院や診療所からの依頼を受けて臨床検査を行う「検査受託企業」であり、個人向けの鑑定サービスを主軸とする会社ではありません。この成り立ちを理解しておくと、親子鑑定サービスの位置づけも把握しやすくなります。

SRLは、旧社名「Special Reference Laboratories」の頭文字に由来する社名で、1970年に設立された臨床検査受託企業です。全国の医療機関から血液検査などの臨床検査を受託しており、国内でも有数の検査規模を持つ企業として知られています。

臨床検査受託企業とは、病院が自院の検査室だけでは対応しきれない血液検査や病理検査などを、外部から一括して請け負う企業のことです。SRLのような企業は、医療機関同士のあいだで検査データをやり取りする「BtoB」の仕組みで動いているため、個人が直接窓口に問い合わせても、一般の臨床検査を単体で申し込むことはできません。DNA親子鑑定についても、この事業構造の延長線上にあると理解しておくと分かりやすいでしょう。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

DNA親子鑑定を依頼できるのは誰か

SRLグループのDNA親子鑑定は、原則として裁判所・弁護士・司法書士・行政書士・医療機関などの専門家を経由した依頼が前提となっています。個人が単独でWebサイトから直接申し込む形式のサービスではない点に注意が必要です。

SRLグループのDNA親子鑑定は、グループ会社のH.U.フロンティア株式会社が依頼の受付とサンプル採取を担当し、SRLが臨床検査事業で培った技術・品質保証体制で鑑定を行うという役割分担で運営されています。

公式サイトでは、依頼を受け付ける対象について「法的効果についてカウンセリングをしていただける裁判所・弁護士・司法書士・行政書士、また遺伝カウンセリングをしていただける医療機関からのご依頼を原則としております」と説明されています。

認知調停や相続など、法律事務所を通じて親子鑑定を進めるケースの実務については法律事務所で行う親子鑑定でも解説しています。

検査データを確認する白衣姿の医師のイメージ

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

検査方法と鑑定の流れ

SRLグループの検査は主にSTR法を用いる、法医学分野で広く使われている標準的な手法です。料金や日数の具体的な流れは、このあと詳しく解説します。

SRLグループのDNA親子鑑定では、主にSTR法が用いられ、必要に応じてY-STR法(Y染色体DNA鑑定)やmtDNA解析法(ミトコンドリアDNA鑑定)も実施されると公式サイトで説明されています。STR法は、国内外の法医学分野で広く使われている標準的な手法です。一般的な親子鑑定ではSTR法が中心となりますが、Y-STR法は父方の血縁関係、mtDNA解析は母方の血縁関係を調べる際に補助的に用いられる手法で、対象となる親族関係によって使い分けられます。

具体的な料金や検査日数については、公式サイト上に一律の記載がありません。依頼を検討する場合は、裁判所・弁護士・司法書士・行政書士・医療機関を通じて、個別に確認する流れになります。

私自身、他社の鑑定サービスについてご質問をいただく際は、まず「誰が依頼できるサービスなのか」を確認するようお伝えしています。同じ「親子鑑定」という言葉でも、専門家経由が前提のサービスと、個人が直接申し込めるサービスとでは、進め方がまったく異なるためです。

比較項目SRLグループヒロクリニック
依頼できる人裁判所・弁護士・司法書士・行政書士・医療機関が原則個人から直接申し込み可能
私的な確認目的の利用公式サイトに明確な案内なし私的鑑定として対応
主な検査方法STR法(必要に応じてY-STR・mtDNA)STR法(52座位)
料金の公開公式サイトに一律の記載なし公式サイトで公開

この表からもわかるように、両者の最大の違いは「窓口の形式」です。SRLグループは専門家を介した公的・法的な文脈での利用を主に想定しているのに対し、ヒロクリニックは個人からの直接申し込みを前提に運営しています。どちらが優れているというものではなく、ご自身がどのような立場で、どのような目的で鑑定を利用したいのかによって、選ぶべき窓口が変わってくるということです。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

個人鑑定を検討する際に確認しておきたい3つのポイント

「SRLで申し込めるか」で検索している方の多くは、専門家を介さずに個人的に確認したいと考えているケースが多いと感じます。そうした場合に確認しておきたい3つのポイントを整理します。

1. 依頼先の窓口形式を確認する

検査機関によって「専門家経由が原則」「個人からの直接申し込みが可能」と窓口の形式が大きく異なります。まずは自分が申し込みたい検査機関が、どちらの形式を採用しているのかを公式サイトで確認しましょう。専門家経由が前提の機関に個人で問い合わせても、案内される窓口が異なるだけで手続きが進まないことがあります。特に「まずは自分だけで事実を知りたい」という段階の方にとっては、この最初の確認を省略してしまうと、余計な時間がかかってしまうことも少なくありません。

2. 私的鑑定と法的鑑定、どちらが必要かを見極める

「まずは気持ちを整理するために知りたい」という段階であれば私的鑑定で十分なことがほとんどです。一方、裁判所への提出や行政手続きに使う予定があるなら、最初から法的鑑定として本人確認・厳格な検体採取のもとで進める必要があります。あとから私的鑑定の結果を法的な証拠として使うことはできないため、目的が定まっている場合は最初の申し込み段階で伝えておくことが大切です。迷った場合は、ひとまず私的鑑定から始めて、必要になった時点で法的鑑定に切り替えられるかどうかを検査機関に確認しておくと安心です。

3. 検査方法と精度の考え方を理解しておく

DNA親子鑑定の多くはSTR(短鎖反復配列)法を採用しています。比較する座位(マーカー)の数が多いほど、偶然の一致による誤判定のリスクを抑えられます。座位数や精度の表記は検査機関によって異なるため、申し込み前に確認しておくと安心です。ヒロクリニックでは52座位のSTR分析により、99.99%以上の精度で判定を行っています。

4. 検体の取り扱いとプライバシー保護の体制を確認する

DNAという極めて個人的な情報を扱う検査だからこそ、検体や結果データの取り扱い方針も申し込み前に確認しておきたいポイントです。検体の保管期間や廃棄方法、結果の郵送方法、未成年者の検査に親権者の同意が必要かどうかなど、事前に案内されているかを見ておくと安心して依頼できます。医療機関であれば、医師の診察や説明を受けたうえで検査に進める体制が整っているかも、信頼性を見極める材料になります。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

個人で気軽に調べたい場合とヒロクリニックとの違い

専門家を介する必要のない検査機関を探している場合、ヒロクリニックでは私的鑑定・法的鑑定のどちらも、クリニックへの直接申し込みで利用できます。

私のもとにも「弁護士を通さないと申し込めないのか」というお問い合わせが届くことがあり、その都度、依頼先によって窓口の仕組みが違う点を丁寧にご説明しています。

私的鑑定と法的鑑定の費用感の違いはDNA鑑定の費用(私的、法的鑑定の比較)で、出生前親子鑑定をそもそも検討すべき理由はなぜ出生前親子鑑定を行うのかで紹介しています。目的に合わせて、依頼先の窓口や手続きの違いを比較してみてください。

ヒロクリニックでの依頼の流れもシンプルです。まずWebから予約し、来院して検体(頬粘膜や、必要に応じて母体血)を採取していただきます。検体は自社ラボ「東京衛生検査所」に直接搬送され、52座位のSTR分析にかけられたのち、通常1〜2週間程度で結果をご報告しています。出生前の検査であれば妊娠6週0日以降、いつでも来院いただけます。専門家を介する手続きが不要なぶん、思い立ってから結果を知るまでの流れがシンプルである点も、個人で確認したい方に選ばれている理由のひとつだと感じています。

親子関係を確認した後の家族の団らんイメージ

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

よくある質問

SRLの親子鑑定について、よくいただく質問をまとめました。依頼可能な窓口や検査方法など、疑問点の解消にお役立てください。

Q1. SRLに個人から直接、親子鑑定を申し込めますか?

公式サイトの案内によれば、依頼は裁判所・弁護士・司法書士・行政書士・医療機関からのご依頼が原則とされています。個人が単独で直接申し込む形式のサービスではありません。個人的に確認したいだけの場合は、直接申し込みに対応している検査機関を探す方がスムーズです。

Q2. SRLという社名の由来は何ですか?

旧社名「Special Reference Laboratories」の頭文字に由来します。1970年に設立された、臨床検査受託を専門とする企業です。

Q3. SRLの親子鑑定はどんな検査方法を使いますか?

公式サイトの案内では、主にSTR法を用い、必要に応じてY-STR法やmtDNA解析法も実施するとされています。STR法自体は、国内外の法医学分野で広く採用されている標準的な検査方法です。

Q4. 個人的に気軽に確認したいだけの場合はどうすればよいですか?

専門家を介さずに申し込める検査機関を選ぶとスムーズです。ヒロクリニックでは、私的鑑定であればクリニックへ直接お申し込みいただけます。

Q5. SRLの親子鑑定の費用はいくらですか?

公式サイト上に一律の料金は公開されていません。依頼を検討する場合は、裁判所や弁護士など専門家を通じて個別にご確認ください。

Q6. ヒロクリニックであれば、SRLグループのように専門家を介さなくても申し込めますか?

はい。ヒロクリニックのDNA親子鑑定は、私的鑑定・法的鑑定のどちらも個人から直接お申し込みいただけます。出生前親子鑑定は私的98,000円・法的149,800円、出生後親子鑑定は私的24,800円・法的68,800円(税込)です。

Q7. 弁護士や裁判所を通さずに、結果を裁判に使うことはできますか?

私的鑑定として自己判断で採取した検体の結果は、本人確認の手続きを経ていないため、裁判などの証拠として使うことはできません。裁判所への提出を予定している場合は、あらかじめ法的鑑定として、本人確認と所定の検体採取方法のもとで検査を行う必要があります。

まとめ

SRL(株式会社エスアールエル)は、国内有数の臨床検査受託企業です。DNA親子鑑定はグループ会社のH.U.フロンティア株式会社が窓口となり、裁判所・弁護士・司法書士・行政書士・医療機関からの依頼を原則として受け付けています。

個人がすぐに気軽に調べたい場合は、私的鑑定を直接申し込める検査機関を選ぶ方がスムーズです。ヒロクリニックでは私的鑑定・法的鑑定のどちらも直接お申し込みいただけます。

「SRLで申し込めるかどうか」で迷っている段階の方の多くは、まず個人的に確認したいというケースだと思います。窓口の形式は検査機関ごとに異なるため、専門家を介するかどうかを最初に確認し、目的に合った依頼先を選んでいただければと思います。

参考: 株式会社エスアールエル 沿革 / H.U.フロンティア株式会社 DNA親子鑑定案内

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

医師監修 監修日:2024年9月28日

岡 博史 (おか ひろし)

医師・医学博士 ヒロクリニック統括院長

YouTubeチャンネルなどを通じて、遺伝子やNIPT(新型出生前診断)についてわかりやすく発信しています。

略歴

  • 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
  • 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
  • 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
  • 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
  • 2009年 医療法人社団福美会 理事長
  • 2015年 医療法人社団福美会 理事

資格・所属

  • CAPラボディレクター
  • 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 日本医師会 産業医
  • 東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年9月28日

堤 修一 (つつみ しゅういち)

医師・医学博士 ヒロクリニック博多駅前院 院長

略歴

  • 1993年 東京大学医学部医学科 卒業
  • 2016〜2019年 東京大学先端科学技術研究センター 准教授

発信・関連リンク

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

参考文献

  1. Lo YM, Corbetta N, Chamberlain PF, Rai V, Sargent IL, Redman CW, et al. Presence of fetal DNA in maternal plasma and serum. Lancet. 1997 Aug 16;350(9076):485-7.
  2. Ryan A, Banjevic M, de la Vega FM, et al. Non-invasive prenatal paternity testing using joint reconstruction of parental haplotypes. Genet Med. 2013 Oct;15(10):780-6.

記事の監修者