出生前親子鑑定と出生後親子鑑定の違いとは

親子鑑定 NIPPT DNA鑑定 ヒロクリニック NIPT

出生前親子鑑定と出生後親子鑑定の最大の違いは、検査を受けられるタイミングと使用する検体です。出生前親子鑑定は妊娠6週以降に母体の血液を使って調べる検査で、出生後親子鑑定は生まれたお子さまの頬の内側の粘膜などを使って調べる検査です。この記事では、両者の違いを検体・料金・向いているケースの3つの観点から整理し、それぞれの検査方法や注意点まで詳しく解説していきます。

この記事でわかること

  • 出生前親子鑑定と出生後親子鑑定の検体・料金の違い
  • それぞれのメリットと向いているケース
  • 私的鑑定と法的鑑定で共通して確認したいこと
  • どちらを選ぶか迷ったときの考え方

出生前親子鑑定と出生後親子鑑定の違い一覧

出生前親子鑑定と出生後親子鑑定は、検査できる時期・検体・料金が異なります。まずは両者の違いを一覧表で確認してください。細かい注意点は、この後の見出しで順番に解説します。

項目出生前親子鑑定出生後親子鑑定
実施できる時期妊娠6週以降出産後いつでも
推定父親の検体頬の内側の粘膜(スワブ)頬の内側の粘膜(スワブ)
もう一方の検体母親の血液(採血)お子さまの頬の内側の粘膜(スワブ)
採取場所クリニックへの来院が必要自宅キットでの自己採取も選択可
私的鑑定の料金目安98,000円24,800円
法的鑑定の料金目安149,800円68,800円

料金は料金についてのページに基づく2026年時点の目安です。特殊な検体を使う場合や追加の被検者がいる場合は、別途費用が発生することがあります。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

出生前親子鑑定の特徴とメリット

出生前親子鑑定の最大のメリットは、出産を待たずに父子関係を確認できることです。妊娠中というタイミングだからこそのメリットがあります。ここでは代表的な3点を紹介します。

妊娠中に父子関係を確認できる

出産を待たずに父子関係を確認できるため、出産までの間に気持ちや今後の対応を整理する時間を持てます。認知や養育費といった法的な準備を早めに進めたい場合にも役立ちます。

母体の血液を使う非侵襲的な検査

出生前親子鑑定(NIPPT)は、妊娠中の母親の血液に含まれる胎児のDNAを取り出して分析する検査です。羊水検査や絨毛検査のように子宮に針を刺す必要がなく、母体・胎児への負担が少ない方法として広がってきました。ヒロクリニックではSTR法を採用し、52座位の分析で高い精度を実現しています。私自身、診療の中で、針を刺さずに済む点を安心材料として挙げる方が多いと感じています。

費用は出生後より高くなりやすい

母体血中のごく微量な胎児DNAを抽出・解析するには、専用の検査機器と技術が必要です。そのぶん出生後の鑑定より料金は高めに設定されています。先ほどの一覧表のとおり、私的鑑定でも出生後の4倍程度の開きがある点は、あらかじめ知っておくとよいでしょう。

医師の診察のもとで検査を受けられる

出生前親子鑑定は採血を伴うため、クリニックでの実施が前提となり、医師の診察・説明を受けたうえで検査に進める体制が整っています。自宅での自己採取では得られない安心感を重視する方にとっては、この点もメリットのひとつといえます。あわせて、胎児の性別報告(Y染色体の有無による生物学的性別の推定)を無料で受けられる点も、出生前親子鑑定ならではの特徴です。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

出生前親子鑑定(NIPPT)の検査方法と精度をもう少し詳しく

出生前親子鑑定は、母体血中の胎児DNAをSTR(短鎖反復配列)法で解析し、99.99%以上の精度で父子関係を判定します。妊娠中の血液だけで、なぜ高精度な判定ができるのか、仕組みを詳しく見ていきましょう。

妊娠中の血液になぜ胎児のDNAが含まれるのか

妊娠中は、胎盤を通じてごく微量の胎児由来のDNA断片が母親の血液中に流れ出しています。この「セルフリー胎児DNA」と呼ばれる断片を採取・抽出し、母親由来のDNAと区別しながら分析することで、生まれる前に父子関係を調べることができます。妊娠6週0日以降であれば、母体血中の胎児DNA濃度が検査に十分な水準に達するとされており、ヒロクリニックではこの時期から検査を提供しています。私自身、この仕組みをご説明すると「思ったより早い時期から調べられるのですね」と驚かれる方が多い印象があります。

検査から結果報告までの流れ

  • クリニックへ来院し、母親から採血、推定父親から頬粘膜(スワブ)を採取
  • 検体は自社ラボ「東京衛生検査所」へ直接搬送
  • 次世代シーケンサーで52座位のSTRを解析
  • 通常1〜2週間程度で結果を報告

ヒロクリニックの出生前親子鑑定は、統括院長の岡博史(医学博士・CAPラボディレクター)と、ゲノム医学を専門とする堤修一(医学博士)が監修しています。検体はバーコードで管理され、医療機関からの直接配送で紛失リスクも抑えられているため、検査結果の信頼性を高める体制が整っています。検査機器には世界で10万件以上の実績を持つ次世代シーケンサー「MiSeq FGx」を採用しており、全自動検査システムによってヒューマンエラーの防止にもつなげています。

出生後親子鑑定の特徴とメリット

出生後親子鑑定は、採血が不要で費用を抑えやすい点が大きな特徴です。出産後であれば、検体採取の選択肢が広がります。代表的なメリットは次の2点です。

採血が不要で、自宅でも検体採取できる

出生後親子鑑定は頬の内側の粘膜を綿棒でこすり取るだけで検体を採取できます。私的鑑定であれば、自宅で採取したものを郵送する形でも進められるため、来院の手間を抑えられます。

費用を抑えやすい

採血のような医療行為を伴わないぶん、私的鑑定は24,800円からと出生前より費用を抑えやすいのが特徴です。まずは費用を抑えて結果を知りたいという場合に選ばれています。

兄弟姉妹鑑定にも対応できる

出生後であれば、父子関係だけでなく兄弟姉妹鑑定・半血兄弟姉妹鑑定にも対応できます。両親のどちらか一方、または両方が不明な場合に、複数の子ども同士の血縁関係を確認したいというご相談も少なくありません。出生前の検査ではこうした鑑定は行えないため、対象者が出産後であれば、出生後鑑定を選ぶメリットのひとつになります。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

どちらを選ぶべきか|目的別の判断ポイント

迷ったときは「出産までに答えを知りたいかどうか」を軸に考えると選びやすくなります。出生前・出生後のどちらが向いているかは、何のために結果を知りたいかによって変わります。

  • 出生前が向いているケース:出産前に気持ちを整理したい、認知や養育費の話し合いを早めに始めたい
  • 出生後が向いているケース:出産後にゆっくり検討したい、まずは費用を抑えて調べたい

私自身、診療の中で「出産までに答えを出しておきたい」というご相談と、「出産後に落ち着いてから考えたい」というご相談の両方を数多くお聞きしてきました。どちらが正しいということはなく、ご自身の状況に合わせて選んでいただくことが大切です。

私的鑑定と法的鑑定、共通して確認しておきたいこと

法的な手続きに使う予定があるかどうかで、事前に必要な準備が大きく変わります。出生前・出生後のどちらを選ぶ場合でも、私的鑑定と法的鑑定では検体の採取方法や本人確認の厳格さが異なります。

法的な手続き(裁判所への提出等)に使う予定がある場合は、必ず来院のうえで所定の方法により検体を採取する必要があります。費用の詳しい内訳はDNA鑑定の費用(私的、法的鑑定の比較)で、法的鑑定を衛生検査所登録機関で行うべき理由はこちらの記事で解説しています。

法的鑑定に共通して必要な準備

出生前・出生後のどちらであっても、法的鑑定を申し込む際は共通して次のような準備が必要になります。

  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)の提示
  • クリニックへの来院による、医師または看護スタッフ立ち会いのもとでの検体採取
  • 採取から検査、結果報告までの一連の記録を保持する証拠保全体制
  • 医師の直筆サインが入った結果通知書の発行

私的鑑定として自己判断で採取した検体を、あとから法的な証拠として使うことはできません。裁判所への提出や行政手続きに使う可能性が少しでもある場合は、最初から法的鑑定として申し込んでおくことをおすすめします。迷った際は、申し込み前にクリニックへ目的を伝えてご相談ください。

検査を受けるタイミングで注意したいケース

出生前親子鑑定は妊娠6週0日から検査可能ですが、初回採血時に8週以降であることを証明できるエコー写真や証明書のご提出がない場合、Early料金として33,000円(税込)が別途かかります。また多胎妊娠の場合は、胎児それぞれのDNAが混在する可能性があるため、通常の単胎妊娠よりも解析条件の確認が必要になることがあります。いずれのケースも、事前にクリニックへ相談いただくことで、検査可否や必要な準備をご案内できます。

まとめ

出生前・出生後のどちらを選んでも、STR法による解析精度に差はありません。出生前親子鑑定と出生後親子鑑定は、実施できる時期・検体・料金が異なります。出産を待たずに結果を知りたい場合は出生前、出産後に落ち着いて検討したい場合は出生後が選ばれる傾向にあります。ご自身の状況や目的に合わせて、無理のない方法を選んでください。

迷ったときは、次の順番で考えてみてください。まず「裁判所や行政手続きへの提出が必要か」で私的鑑定と法的鑑定を選び、次に「出産までに答えを知りたいか」で出生前と出生後を選ぶという2段階の判断です。この順番で整理すると、ご自身に合った検査の種類が見えてきます。判断に迷う場合は、遠慮なくクリニックへご相談ください。ヒロクリニックでは、電話やWebからの問い合わせ時点で、目的に合った検査の種類をあわせてご案内しています。

よくある質問

出生前・出生後の親子鑑定について、よくいただくご質問をまとめました。検査を検討する際の参考にしてください。疑問が解消しない場合は、遠慮なくクリニックへ直接お問い合わせください。

出生前親子鑑定は母体にリスクがありますか?

採血のみで行うため、羊水検査や絨毛検査のような侵襲的な検査と比べてリスクは低い検査です。ただし、採血に伴う内出血など軽微な影響が起こる場合はあります。

出生前と出生後で、鑑定の精度に違いはありますか?

どちらもSTR法による解析で、52座位を分析することで99.99%以上の精度を実現しています。検体が血液かスワブかによる精度の違いはありません。

出生前・出生後、どちらも法的鑑定はできますか?

はい、どちらも法的鑑定に対応しています。ただし法的鑑定は本人確認と所定の採取方法が必須のため、私的鑑定のような自宅での自己採取はできません。

出産後に、出生前の結果を再確認する必要はありますか?

通常は不要です。ただし多胎妊娠で一方の胎児が消失する「バニシングツイン」に心当たりがある場合は、結果の解釈に影響することがあるため、検査前に医師へご相談ください。

費用を抑えたい場合、どちらがおすすめですか?

費用だけで考えるなら、出生後の私的鑑定(24,800円〜)が最も抑えやすい選択肢です。ただし、出産までに答えを知りたいという事情がある場合は、費用よりもタイミングを優先して検討してください。

双子など多胎妊娠でも出生前親子鑑定はできますか?

多胎妊娠の場合、それぞれの胎児のDNAが混在する可能性があるため、単胎妊娠に比べて解析が複雑になることがあります。検査可否や条件については、事前に医師へご相談ください。

兄弟姉妹の血縁関係も調べられますか?

出生後であれば、全兄弟姉妹鑑定・半血兄弟姉妹鑑定にも対応しています。私的鑑定99,000円・法的鑑定143,000円(被験者数3人、税込)から承っており、出生前の検査ではこの鑑定は行えません。

関連記事として、出産前に親子鑑定をするのはなぜか?出生前親子鑑定は血液を扱うことが医療行為になる?もあわせてご覧ください。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

ヒロクリニックでのDNA出生前親子鑑定

ヒロクリニックDNA出生前親子鑑定NIPPT)は、全国のヒロクリニック直営クリニックでご利用いただけます。この検査は妊娠6週0日から提供され、1回の来院で検査が完了するため、必要な時間と労力を最小限に抑えることができます。自社ラボ「東京衛生検査所」(CAP認定・ISO9001取得)による検査ですので、安心してお受けいただけます。ただし、ご夫婦そろっての受診をお願いしています。そうすることで、より正確な検査結果を得ることができます。ご興味のある方は、こちらをクリックしてご予約いただくか、お問い合わせください。※料金・再検査対応の詳細は公式料金ページでご確認ください。

出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる

医師監修 監修日:2024年9月8日

岡 博史 (おか ひろし)

医師・医学博士 ヒロクリニック統括院長

YouTubeチャンネルなどを通じて、遺伝子やNIPT(新型出生前診断)についてわかりやすく発信しています。

略歴

  • 1996年 慶應義塾大学医学部 卒業
  • 2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得
  • 2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手
  • 2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業
  • 2009年 医療法人社団福美会 理事長
  • 2015年 医療法人社団福美会 理事

資格・所属

  • CAPラボディレクター
  • 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
  • 日本医師会 産業医
  • 東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年9月8日

堤 修一 (つつみ しゅういち)

医師・医学博士 ヒロクリニック博多駅前院 院長

略歴

  • 1993年 東京大学医学部医学科 卒業
  • 2016〜2019年 東京大学先端科学技術研究センター 准教授

発信・関連リンク

この記事は、 ヒロクリニックNIPPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

参考文献

  1. Ryan A, Banjevic M, Demko Z, Hill M, Rabinowitz M. Noninvasive prenatal paternity testing using maternal plasma. Obstet Gynecol. 2013 Dec;122(6):1177-1184.
  2. Lo YMD, Corbetta N, Chamberlain PF, Rai V, Sargent IL, Redman CWG, et al. Presence of fetal DNA in maternal plasma and serum. Lancet. 1997 Aug 16;350(9076):485-487.

記事の監修者