受診のご案内

「最近、なんとなくだるい」「熱が出たけど市販薬で対応して大丈夫?」。そんな日常のちょっとした体調の異変について、「内科では具体的に何を診るの?」「どの症状で受診すればいい?」と迷う方は多いはずです。本記事では、内科でよく扱う“基礎的な症状”に焦点をあて、それぞれの原因や受診の目安、セルフケア方法まで、専門的視点でわかりやすく解説します。
1.発熱(微熱・高熱)
発熱の基礎知識と原因
発熱は体温が平常時より高くなる状態を指し、平熱の範囲は36.0〜37.0℃とされています。微熱(37.0〜38.0℃)や高熱(38.0℃以上)の原因は多岐にわたります。
- 感染症:ウイルス性(風邪、インフルエンザ、新型コロナなど)/細菌性(扁桃腺炎、肺炎、腎盂腎炎など)
- 炎症性疾患:関節リウマチやSLE(全身性エリテマトーデス)などの膠原病
- 悪性腫瘍:がん、リンパ腫、白血病など
- 薬剤性発熱:風邪薬や抗菌薬の副作用によることもあります
対処法・受診の目安
一時的な微熱なら安静と水分補給で回復することが多いですが、以下のような場合は受診を検討しましょう。
- 38℃以上の高熱が3日以上続く
- 呼吸困難や強い咳、胸痛がある
- 激しい頭痛、嘔吐、意識変容がある
内科では、問診・身体診察・血液検査・画像診断(胸部レントゲン・CT)などで原因を特定します。
2.咳・痰
咳の種類とその原因
咳には「乾いた空咳」と「痰の絡む咳」があります。
- 空咳:ウイルス性気管支炎、喘息、アレルギー性咳、GERD(逆流性食道炎)
- 痰の絡む咳:細菌性肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支拡張症
色や粘性のある痰は、どのような感染か、炎症の程度を示す手がかりになります。
症状別セルフケアと受診目安
セルフケア:十分な水分摂取、加湿、マスクやのど飴での保湿、安静。
受診をおすすめするケース
- 黄色~緑色の膿痰が出る
- 呼吸時の胸痛や息切れがある
- 数週間以上続く慢性的な咳
内科では、胸部レントゲン・喀痰検査・肺機能検査などを用いて診断を行い、感染なら抗菌薬や去痰薬、炎症性疾患なら気管支拡張薬やステロイドなど、根本治療を行います。
3.倦怠感・体のだるさ
原因の多様性
倦怠感は全身のだるさを感じるもので、多くの疾患・状態と関連しています。
- 感染症後の回復期:インフルエンザなどの後遺症として
- 慢性炎症・自己免疫疾患:関節リウマチやSLE
- 甲状腺機能異常:甲状腺機能低下症ではだるさ・むくみ・体重増加などある
- 慢性疾患・生活習慣病:糖尿病、貧血、心不全、慢性腎不全など
- 精神的ストレス:うつ病や自律神経失調症でも倦怠感が強く出る
チェック方法と受診基準
日常でできるチェック項目
- 睡眠の質・量は十分か
- 運動量や栄養状態はどうか
- ストレスが強くないか
受診を検討すべき状況
- 日常生活に支障をきたすほどのだるさで続く(2週間以上)
- 体重減少、動悸、頻脈、むくみ、貧血症状などが伴う
内科では、血液検査(CBC、甲状腺ホルモン、肝腎機能、CRPなど)や心電図、場合によって超音波検査で原因を精査します。
4.胸の違和感・痛み
内科で扱う胸痛・違和感
胸の痛みと聞くと“心臓”を思い浮かべがちですが、以下のように多岐にわたる原因があります
- 循環器系:狭心症、心筋梗塞、心膜炎
- 呼吸器系:肺炎、気胸、肺塞栓
- 消化器系:逆流性食道炎、食道痙攣、胆石など
- 筋・骨格系:肋間神経痛、肋骨骨折など
受診のタイミング
早急に受診すべき症状
- 強い圧迫感や締めつけられるような痛み
- 冷や汗、吐き気、左肩・腕への痛み放散
- 呼吸困難や意識低下
それ以外の軽い違和感でも、数日続く・横になると悪化する場合は内科で一度診察を受けましょう。検査は心電図、胸部レントゲン、エコー、血液マーカー(心筋酵素など)が有効です。

5.腹痛・消化器症状(おまけ)
腹痛の分類と原因
内科で扱う腹痛は広範囲ですが、代表的な原因には以下があります
- 上腹部痛:胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、胆石
- 下腹部痛:腸の感染、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、虫垂炎など
- 全体的な腹部不調:胃腸炎、食中毒、慢性膵炎など
受診の判断基準
- 激痛・発熱・嘔吐・血便を伴う場合は緊急性あり
- 数日続く鈍痛・不快感でも日常生活がつらい場合は要受診
- セルフケア:水分補給・食事調整(脂・香辛料控えめ)・軽い運動
まとめ
| 症状 | 主な原因例 | 受診目安 |
| 発熱 | 感染症、炎症、薬剤性、生理的発熱 | 3日以上高熱、呼吸困難など |
| 咳・痰 | ウイルス、細菌、アレルギー、腫瘍 | 緑色痰、息切れ、慢性化 |
| 倦怠感 | 睡眠・ストレス・内臓疾患・甲状腺 | 2週間以上、生活困難 |
| 胸の痛み・違和感 | 狭心症・食道炎・筋骨格系 | 強度によって即受診 |
| 腹痛 | 胃腸炎、便秘、胆石、虫垂炎等 | 激痛・血便・発熱など |
最後に:早めの受診とセルフケアが大切
内科領域では、症状だけでは原因を特定しにくいケースも多くあります。違和感が長引いたり、強さが増したりしたら、迷わず受診することが安心につながります。このサイトでは、今後も日常に役立つ症状別セルフケアや受診目安について発信していきますので、ぜひ継続してチェックしてください。



